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LCW は、チャールズ・イームズとレイ・イームズが1945年から1946年にかけて設計した椅子である。市場によって2つの製造元が分かれる。5つの成形した合板の部材をゴムの部品で接合する。

このページでは、ゴムの接合部と経年、木の仕上げの選択、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

イームズ LCWの誕生は第二次世界大戦中の軍事技術開発に端を発する。1942年、チャールズ・イームズは米国海軍のために成形合板製レッグスプリント(添え木)の製造に着手し、人体に沿ってフィットする三次元曲面の成形技術を確立した。ロサンゼルスのストラスモア通りのアパートで自作の「カザーム・マシン(Kazam! Machine)」を用いて実験を重ね、自転車用ポンプで膨らませた風船を用いて薄い単板に圧力と熱を加えて複雑な曲面を形成する独創的な手法を開発した。当初は座面と背もたれが一体となった単一シェル構造を目指したが、成形合板の急激な曲面での割れという技術的限界に直面し、シェルを座面と背もたれの二つの独立パーツに分割するという画期的な解決策に至った。この決断が、構造を張り地の下に隠すことなく素材の美しさをそのまま表現する「誠実なデザイン」を可能にした。

正式名称 LCW
製造ブランド 市場によって分かれる。日本とアジアの市場はハーマンミラー、欧州の市場はヴィトラによる
構造 5つの成形した合板の部材を接合する。座面、背もたれ、前脚、後脚、背面の支柱による
座面と背もたれ 成形した合板。層を重ねる
脚と支柱 成形した合板。座面より層が多い
接合 ゴムと金属による部品で接合する。衝撃を吸収する
サイズ 幅559 × 奥行616 × 高さ674mm。座面の高さ394mm
重量 約9kg
木の仕上げ 複数の仕上げから選ぶ。樹種と着色による。取り扱いは時期によって変わる場合がある
別売と仕様 張地を張る仕様もある。床に接する部材を選べる
収蔵 MoMA ロー サイドチェア(1946年頃) 収蔵番号 64.1946。V&A LCW(1945〜1946年) 収蔵番号 W.17-1989
価格 いずれの製造元も公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。仕上げで価格が変わる

ゴムの接合部と経年

5つの成形した合板の部材を、ゴムと金属による部品で接合する。

ゴムが衝撃を吸収する。座った際に僅かに撓む。

いっぽうでゴムは経年で硬化する。ひび割れが生じる場合がある。

接合部は消耗する部材にあたる。交換の対応を取扱店に確認する。

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
ゴムが衝撃を吸収する。座った際に僅かに撓む。
長く使う前提の場合
ゴムは経年で硬化する。交換の対応を確かめる。
中古を検討する場合
接合部の状態を確かめる。ひび割れが生じる場合がある。

木の仕上げの選択

複数の仕上げから選ぶ。樹種によるものと着色によるものがある。

成形した合板のため、縁には層が現れる。仕上げによって見え方が変わる。

木目は個体ごとに異なる。樹種による仕上げではとくに現れる。

取り扱いは時期によって変わる場合がある。取扱店に確認する。

選び分けの目安

見え方で選ぶ場合
樹種と着色から選ぶ。縁の層の見え方も変わる。
木目を確かめる場合
個体ごとに異なる。現物で確かめられるとよい。
入手を考える場合
取り扱いは時期によって変わる。取扱店に確認する。

ライセンスを受けていない製品との違い

本製品には、ライセンスを受けていない類似の製品が流通する。

比較項目 正規品 ライセンスを受けていない製品
製造 市場によって2つの製造元による 製造元は個々に異なる
合板 座面と脚で層の数が異なる 公表されない場合がある
接合 ゴムと金属による部品 公表されない場合がある
部材の数 5つの部材による 個々に異なる
部品の供給 取扱店を通じて相談できる 個々に異なる

成形した合板と接合部で荷重を支える構成のため、層の数と接合の仕様は強度に関わる。確認する事項になる。

選び分けの目安

強度を確かめる場合
層の数と接合の仕様を確認する。合板が荷重を支える構成にあたる。
長く使う前提の場合
接合部は消耗する。部品の供給を確かめる。
座り心地を確かめる場合
接合の仕様が撓み方を決める。実際に座って確かめる。

同じ設計者・同種の椅子との比較

椅子は座面の素材と接合の方式で性格が分かれる。

比較項目 LCW セブンチェア 3107 イームズ ソファ コンパクト
用途 椅子 椅子 長椅子
座面 成形した合板 成形した合板 座布団を載せる
接合 ゴムの部品による 脚を留める 組み立て後に固定する
成形した合板 鋼管(4本) めっきした鋼(4本)
座面の高さ 394mm 430〜480mm 約410mm

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
ゴムの接合部が撓む。脚を留める椅子とは異なる。
立ち座りを考える場合
座面の高さ394mm。他の製品より低い。
手入れの手間を考える場合
木部の手入れによる。張地の製品とは条件が分かれる。

使用感と設置条件

座面の形状

成形した合板が曲面を描く。座面と背もたれが分かれる。

詰め物を持たない。張地を張る仕様も選べる。

寸法

幅559 × 奥行616 × 高さ674mm。座面の高さは394mm。

座面の高さ394mmは低い部類にあたる。机との関係を確かめる。

床との関係

脚も成形した合板による。床に接する部材を選べる。

床材に応じて選ぶ。取扱店に相談する。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

合板は日光で色が変わる。湿度の変化で伸縮する。

縁の層は欠けが生じる場合がある。ぶつけないよう扱う。

ゴムの接合部は経年で硬化する。ひび割れが生じる場合がある。

床に接する部材は摩耗する。定期的に確かめる。

日常の手入れ

木部
乾いた布で拭く。水分を残さない。
縁の層
欠けを確かめる。ぶつけないよう扱う。
接合部
ゴムの硬化とひび割れを定期的に確かめる。
置き場所
直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。色の変化と割れを招く。

修理と部品

接合部の交換については、取扱店を通じて相談する。消耗する部材にあたる。

木部の補修の可否もあわせて確認する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

2つの製造元がそれぞれ市場を担う。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

木の仕上げから選ぶ。取り扱いは時期によって変わる場合がある。納期も確かめる。

実物を確認する

座った際の撓み方は、実際に座って確かめられるとよい。

木目と縁の層の見え方も現物で分かる。

中古の流通

製造の時期によって仕様が異なる場合がある。年式と製造元を確かめる。

確認箇所は、接合部のゴムの硬化とひび割れ、合板の割れと縁の欠け、色の変化、床に接する部材である。

購入前チェックリスト

  • ゴムの接合部が消耗する部材であること(交換の対応を確かめる)
  • 座面の高さ394mm(低い部類にあたる)
  • 木の仕上げの選択(取り扱いは時期によって変わる)
  • 縁に層が現れること
  • 木目が個体ごとに異なること
  • 詰め物を持たないこと(張地を張る仕様もある)
  • 床に接する部材の選択
  • 製造元が市場によって分かれること

よくある質問

価格はどのくらいですか?
いずれの製造元も公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。仕上げで価格が変わります。
どこで購入できますか?
市場によって2つの製造元が分かれます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
どのような構造ですか?
5つの成形した合板の部材を、ゴムと金属による部品で接合します。座面、背もたれ、前脚、後脚、背面の支柱によります。
接合部は劣化しますか?
ゴムは経年で硬化しひび割れが生じる場合があります。消耗する部材のため、交換の対応を取扱店にご確認ください。
座り心地はどうですか?
ゴムが衝撃を吸収し座った際に僅かに撓みます。詰め物を持たず、張地を張る仕様も選べます。
設置に必要な寸法を教えてください。
幅559×奥行616×高さ674mm、座面の高さは394mmです。座面の高さは低い部類にあたるため机との関係をお確かめください。
木の仕上げは選べますか?
複数の仕上げから選べます。樹種によるものと着色によるものがあり、成形した合板のため縁には層が現れます。木目は個体ごとに異なります。
収蔵されている美術館はありますか?
ニューヨーク近代美術館(ロー サイドチェア、1946年頃、収蔵番号64.1946)とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(LCW、1945〜1946年、W.17-1989)が収蔵しています。