アレキサンダー・ジラード ピローは、テキスタイルデザイナーであるアレキサンダー・ジラードのグラフィックなモチーフを用いたクッションである。ジラードがハーマンミラーのテキスタイル部門でディレクターを務めた時期(1952年〜1973年)に生み出した図案を下敷きとし、ハートや太陽、幾何学模様といった明快な図柄を、刺繍や織りで表現している。
これらのピローは、1961年にニューヨークで開かれたハーマンミラーの「テキスタイルズ & オブジェクツ」ショップで販売された。ジラード自身がこの店を構想・設計し、自らのテキスタイルや家具、世界各地で蒐集した民芸品とともに並べた品の一つがこのクッションであった。
図案と表現
ジラードのモチーフは、各地の民芸やフォークアートへの関心から生まれたもので、大胆な配色と親しみやすい図柄を特徴とする。彼が内装を手がけたミラー邸では、居間の会話用の窪み(カンバセーション・ピット)を、こうした図案の刺繍クッションで飾ったことが知られている。抽象度を抑えた分かりやすい形と限られた色数が、図案としての強さを支えている。
素材と仕様
ピローには、図案を刺繍で表現したものと、織りのテキスタイルで仕立てたものがある。柄やサイズの展開は幅広く、単体で置くだけでなく複数を組み合わせて空間に色を加える使い方が想定されている。素材やサイズは図柄ごとに異なるため、選ぶ際は個々の仕様を確認するとよい。
現在の生産
ジラードの図案は現在も複数のメーカーによって受け継がれている。ハーマンミラーとヴィトラは、1956年以来ヨーロッパ市場での協業関係にあり、1984年に提携が解消された際、ヨーロッパおよび中東におけるジラード作品の権利はヴィトラへと引き継がれた。今日、刺繍ピローはヴィトラが、織りのピローはマハラムなどが図案をもとに製造しており、地域によって取り扱うメーカーが異なる。
基本情報
| 正式名称 | アレキサンダー・ジラード ピロー(Alexander Girard Pillows) |
|---|---|
| デザイナー | アレキサンダー・ジラード |
| デザイン年 | 1961年頃 |
| 製造ブランド | Herman Miller(ハーマンミラー) |
| デザインの生まれた国 | アメリカ |
| 主な素材 | 刺繍・織りテキスタイル(図柄・サイズにより異なる) |
| 現行の製造 | Vitra(欧州・中東)、Maharam ほか |
| 図案の例 | ハート、太陽、幾何学模様 など |