このページについて
セディア 1 は、エンツォ・マーリが1974年に発表した椅子である。設計図が公開され、材料を揃えて自作できる。アルテックが部材を揃えた組み立て品も販売した。松材と釘による。
このページでは、自作と組み立て品の違い、組み立ての条件、素材の扱い、手入れ、入手できる経路を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
エンツォ・マーリの設計思想や経歴について詳しくはエンツォ・マーリ プロフィールページをご覧ください。
Sedia 1のデザインストーリーについて詳しくはSedia 1(Autoprogettazione)紹介ページをご覧ください。
基本情報:仕様・サイズ・素材
Sedia 1は、マーリが1974年にミラノのGalleria Milanoで開催した展覧会「Proposta per un'autoprogettazione(自己設計のための提案)」で発表した19点の家具設計図の一つである。設計図は当初、切手付き返信用封筒を送った希望者に無償で配布された。この「オープンソースデザイン」の先駆的実践は、現代のメイカームーブメントやファブラボ活動に多大な影響を与えている。2010年にフィンランドのArtekがマーリとの協働のもと、事前カット済みパイン材・釘・組み立て説明書のキットとして初の商業生産を行った。Artekはアルヴァ・アールトの作品群で知られるであり、1935年の創業以来、アートとテクノロジーの融合を理念として掲げている。
| 正式名称 | セディア 1 |
|---|---|
| 組み立て品 | アルテックが2010年から期間を限って販売した。現在の取り扱いは取扱店に確認する |
| 素材 | 松材と釘による。塗装を施さない |
| パーツ構成 | 13の木の部材と釘、組み立ての説明書による |
| 必要工具 | 金槌のみ。自作する場合は木を切る道具も要る |
| 組み立て時間 | 部材が切り揃えられている場合、およそ1時間 |
| サイズ | 高さ約850 × 幅約500 × 奥行約520mm。座面の高さ約460mm |
| 価格 | 組み立て品は期間を限った販売であった。現在の取り扱いは取扱店に確認する。自作する場合は材料の費用による |
| 収蔵 | シカゴ美術館 セディア 1 チェア(1974年設計、2010年製作) 収蔵番号 2017.415.1 |
自作と組み立て品の違い
設計図が公開される。材料を揃えて自作できる。
製造元が部材を揃えた組み立て品も販売した。期間を限った販売であり、現在の取り扱いは取扱店に確認する。
| 比較項目 | 自作 | 組み立て品 |
|---|---|---|
| 部材 | 自分で切り揃える | 切り揃えられている |
| 要る道具 | 木を切る道具と金槌 | 金槌のみ |
| 木材 | 自分で選ぶ | 松材による |
| 入手 | 材料店による | 取扱店に確認する |
自作では木材の選択と切断の精度が仕上がりに関わる。
組み立て品は部材が切り揃えられているため、金槌のみで組める。
選び分けの目安
- 道具を持たない場合
- 組み立て品では金槌のみで組める。取り扱いを確認する。
- 木材を選びたい場合
- 自作では自分で選べる。切断の精度が仕上がりに関わる。
- 入手の経路を確かめる場合
- 組み立て品は期間を限った販売であった。
組み立ての条件
13の部材を釘で留める。部材が切り揃えられている場合、およそ1時間で組める。
釘による接合のため、組み直しはできない。抜くと木材が傷む。
組み立ての際は平らな場所で行う。歪むと座った際にがたつく。
接合の箇所は使用によって緩む場合がある。定期的に確かめる。
選び分けの目安
- 組み立てを考える場合
- 金槌で釘を留める。平らな場所で行う。
- やり直しを想定する場合
- 釘による接合のため組み直しはできない。
- 長く使う前提の場合
- 接合の箇所が緩む場合がある。定期的に確かめる。
素材の扱い
松材による。塗装を施さない。
そのため、水分と汚れが染み込む。こぼした場合は跡が残る。
松材は柔らかい。硬いものが当たると跡が残りやすい。
塗装を施すこともできる。ただし当初の状態とは見え方が変わる。
選び分けの目安
- 手入れの手間を考える場合
- 塗装を施さない。水分と汚れが染み込む。
- 取り扱いを考える場合
- 松材は柔らかい。跡が残りやすい。
- 仕上げを検討する場合
- 塗装を施すこともできる。見え方が変わる。
同種の椅子との比較
椅子は組み立ての方式と入手の経路で性格が分かれる。
| 比較項目 | セディア 1 | サファリチェア | チルドレンズチェア N65 |
|---|---|---|---|
| 組み立て | 釘で留める(組み直せない) | 工具を用いずに組む | 取扱店に確認する |
| 入手 | 自作または組み立て品 | 受注生産 | 取扱店による |
| 素材 | 松材(塗装を施さない) | アッシュの無垢材 | バーチの無垢材 |
| 座面 | 木の板 | 張った布または革 | 3種の仕上げから選ぶ |
| 座面の高さ | 約460mm | 340mm | 375〜380mm |
選び分けの目安
- 自分で作りたい場合
- 設計図が公開される。他の製品とは入手の性質が異なる。
- 手入れの手間を考える場合
- 塗装を施さない。水分と汚れが染み込む。
- 机と組み合わせる場合
- 座面の高さ約460mm。食卓と組み合わせる高さにあたる。
使用感と設置条件
座面と背もたれ
木の板による。詰め物を持たない。
そのため、張地の椅子とは座り心地が異なる。長く座る場合は敷物を用いることもできる。
寸法
高さ約850 × 幅約500 × 奥行約520mm。座面の高さは約460mm。
自作の場合、切断の精度によって寸法に差が生じる。
床との関係
脚は木のため、床に接する箇所も木による。切断した断面が接する場合もある。
床材によっては傷が付く。保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材に起きること
塗装を施さない松材は日光で色が変わる。水分と汚れも染み込む。
松材は柔らかい。使用によって跡と傷が増える。
木は湿度の変化で伸縮する。急な乾燥は割れを招く。
釘による接合の箇所は使用によって緩む場合がある。
日常の手入れ
- 座面と背もたれ
- 乾いた布で拭く。水分をすぐに拭き取る。染み込むと跡が残る。
- 接合の箇所
- 緩みを定期的に確かめる。釘の浮きも確認する。
- 床に接する箇所
- 状態を確かめる。断面が接する場合もある。
- 置き場所
- 直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は割れを招く。
補修
釘による接合のため、部材の交換は難しい。緩んだ場合の対応を検討する。
自作した場合は同じ木材で部材を作り直すこともできる。
どこで入手するか
組み立て品
製造元が部材を揃えた組み立て品を販売した。期間を限った販売であった。
現在の取り扱いは取扱店に確認する。
自作する場合
設計図が公開される。材料を揃えて自作できる。
木材と釘は材料店で入手する。木を切る道具と金槌が要る。
中古の流通
製造元による組み立て品の個体が流通する場合がある。自作されたものとは部材が異なる。
確認箇所は、接合の箇所の緩み、木部の割れと跡、寸法である。
入手時チェックリスト
- 自作するか、組み立て品を求めるか
- 自作する場合、木を切る道具の有無
- 組み立ての場所(平らな場所で行う)
- 釘による接合のため組み直せないこと
- 塗装を施さないこと(水分と汚れが染み込む)
- 座面の高さ約460mmと組み合わせる机
- 木の脚が床に接すること
- 接合の箇所の定期的な確認
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 組み立て品は期間を限った販売であったため、現在の取り扱いは取扱店にご確認ください。自作する場合は材料の費用によります。
- どこで入手できますか?
- 設計図が公開されているため材料を揃えて自作できます。また製造元が部材を揃えた組み立て品も販売しました。現在の取り扱いは取扱店にご確認ください。
- 自作と組み立て品の違いを教えてください。
- 自作では部材を自分で切り揃えるため木を切る道具と金槌が要り、木材も自分で選びます。組み立て品は部材が切り揃えられているため金槌のみで組めます。
- 組み立ては難しいですか?
- 13の部材を釘で留めます。部材が切り揃えられている場合、およそ1時間で組めます。歪むと座った際にがたつくため、平らな場所で行ってください。
- 組み直せますか?
- 釘による接合のため組み直しはできません。抜くと木材が傷みます。
- 塗装はされていますか?
- 塗装を施していません。そのため水分と汚れが染み込み、こぼした場合は跡が残ります。松材は柔らかく、硬いものが当たると跡が残りやすくなります。塗装を施すこともできますが、当初の状態とは見え方が変わります。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- シカゴ美術館が収蔵しています(セディア 1 チェア、1974年設計・2010年製作、収蔵番号2017.415.1)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 座面と背もたれは乾いた布で拭き、水分をすぐに拭き取ってください。染み込むと跡が残ります。接合の箇所の緩みと釘の浮きも定期的にお確かめください。