20世紀半ばに北欧諸国で展開した家具・照明・日用品の造形をまとめて指す語。北欧の当事者ではなく、1950年代の米国での賞と巡回展を通じて定着した。

北欧モダン

北欧モダンとは、20世紀半ばに北欧諸国で展開した家具・照明・日用品の造形をまとめて指す語のこと。英語では Scandinavian Design、Scandinavian Modern と呼ぶ。

解説

この語が国際的に通用するようになった経路は、当事者の宣言ではなく展覧会と賞にある。1951年、ニューヨークでゲオルグ・ジェンセンの店を営んでいたフレデリック・ルニングがルニング賞を設け、デンマーク・フィンランド・ノルウェー・スウェーデンの設計者から毎年2名を選んで1970年まで続けた。1954年にはブルックリン美術館で「Design in Scandinavia」展が開かれ、1957年まで米国とカナダを巡回している。この展覧会を機に「Scandinavian Modern」の家具が北米市場で受け入れられた。語が生まれたのは北欧ではなく、受け手の側だったことになる。

造形上の共通点として挙げられるのは、装飾を抑えた輪郭、木材と自然光を前提とした色調、無理のない寸法である。ただしこれらは結果であって綱領ではない。背景にあったのは、日常の道具を手の届く価格で行き渡らせるという社会的な方針で、機能主義の理念を受け継ぎながら、鋼管とガラスの硬さではなく木の手ざわりへ寄せた点が特徴になる。CH24 ウィッシュボーンチェアスツール60のように、長く生産が続く製品が多いのもこの性格による。

基本情報

英語表記 Scandinavian Design / Scandinavian Modern
指す時期 おおむね1930年代-1960年代(論者により変動)
語の定着 ルニング賞(1951-1970)と巡回展「Design in Scandinavia」(1954-1957)

地域の呼び分け

スカンジナビアは本来デンマーク・ノルウェー・スウェーデンの三国を指し、フィンランドとアイスランドを含めた五国はノルディックと呼び分ける。しかしデザインの文脈では、アルヴァ・アアルトをはじめとするフィンランドの仕事を含めて「北欧」「Scandinavian」と括るのが通例になっている。ルニング賞の選考も四国から行われていた。地理の区分と語の使われ方が一致していない点は、書き手によって範囲が動く原因になっている。

Reference

Scandinavian design(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Scandinavian_design
Lunning Prize(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Lunning_Prize
Design in Scandinavia travelling exhibition, 1954-1957(Encyclopedia of Design)
https://encyclopedia.design/2022/07/31/design-scandinavia-travelling-exhibition/

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