20世紀のデンマークで展開した家具の設計と製作のあり方を指す語。王立芸術アカデミー家具科の教育と、家具職人組合展という仕組みを背景に持つ。

デンマークモダン

デンマークモダンとは、20世紀のデンマークで展開した家具の設計と製作のあり方、およびそこから生まれた造形を指す語のこと。英語では Danish Modern と呼ぶ。

解説

起点は教育にある。1924年、コーア・クリントが王立芸術アカデミーに家具科を設けた。過去の家具を実測して型を研究し、人体の寸法を測り直したうえで設計に入るという課程で、白紙から形を起こすのではなく既存の解を分析して改良する方法が採られた。ハンス・ウェグナー、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャー、ポール・ケアホルムら、後年の設計者の多くがこの系譜に連なる。

もう一つの装置が、1927年から1966年まで毎年開かれたコペンハーゲン家具職人組合展である。設計者と家具指物師を組ませて新作を発表させる催しで、1933年からは設計競技も加わった。ウェグナーとヨハネス・ハンセン、フィン・ユールとニールス・ヴォッダー、クリントとルド・ラスムスンのように、この場から長く続く組み合わせが生まれている。試作を人前に出して批評を受ける機会が毎年あったことが、細部の精度を押し上げた。1949年に米国の記者が取材したことが、1950年代の国際的な評価につながっている。

造形は、無垢材の断面を細く保ちながら接合部で強度を確保する構成に特徴がある。J39 ピープルズチェアは協同組合の販売網に向けて設計され、価格を抑えた仕様でこの方法を実現した例にあたる。スパニッシュチェアのように、歴史上の家具の型を分析して現代の寸法へ組み直した仕事も多い。

北欧モダンとの違い

北欧モダンは北欧の四国から五国にまたがる造形をまとめて指す語で、受け手の側からの括りに近い。デンマークモダンはそのうちデンマークの仕事を指し、家具科の教育と職人組合展という具体的な仕組みを背景に持つ。前者が範囲の語であるのに対し、後者は制度と方法の名でもある。

Reference

Copenhagen Cabinetmakers' Guild Exhibition(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Copenhagen_Cabinetmakers'_Guild_Exhibition
Kaare Klint|Designers(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/en/designers/kaare-klint
Kaare Klint - Father of Danish Furniture Design(scandinaviandesign.com)
https://scandinaviandesign.com/kaare-klint/

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