地面を掘り下げて床とし、柱を立てて屋根を架けた半地下式の住居。日本では縄文時代から古墳時代以降まで広く営まれた。

竪穴住居

竪穴住居とは、地面を数十センチから1メートルほど掘り下げて床面とし、その中に柱を立てて屋根を架けた、半地下式の住居のこと。近年の考古学では、住まい以外の用途も含めて竪穴建物と呼ぶことが多い。

解説

平面は円形や隅丸方形、長方形などで、掘り込んだ穴の壁がそのまま室内の腰壁になる。床の中央付近には炉が設けられ、暖房、調理、照明をひとつの火がまかなった。地面の下に床があるため、外気の影響を受けにくく、冬の寒さや夏の暑さをやわらげる効果があったと考えられている。

屋根は茅や樹皮で葺いたものが一般的な復元像だったが、岩手県の御所野遺跡では、屋根に土をかぶせた可能性のある焼失住居の跡が見つかった。これを受けて、土で屋根を覆う「土屋根」の復元例も増えている。屋根材の違いは、室内の明るさや断熱性、煙の抜け方に直結する。

草の生えた土で覆われた三角屋根の半地下の建物
土屋根で復元された御所野遺跡の竪穴建物(岩手県一戸町)小池 隆 / CC BY 3.0 — Wikimedia Commons

日本列島では縄文時代から古墳時代にかけて主要な住まいであり、地域によってはその後も長く使われた。弥生時代には床の一部を一段高くしたベッド状の台を設けた例が現れ、古墳時代中期には炉に代わって壁際にかまどを据える住居が広がる。ひとつの炉を中心とした空間から、場所ごとに役割を分ける空間へ──竪穴住居の内部の変化は、室内の機能分化の過程をたどる手がかりになる。

平地住居・高床建物との違い

竪穴住居が床を地面より低く掘り下げるのに対し、地表面をそのまま床とする建物を平地住居、柱で床を地面より高く持ち上げる建物を高床建物と呼ぶ。弥生時代の集落では、竪穴住居が住まいの中心であった一方、高床建物は主に穀物などを湿気やネズミから守る倉として使われたと考えられている。

Reference

三内丸山遺跡 中学生向け学習資料(青森県)
https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/wp-content/uploads/2024/04/tyuugakuseiijou_iseki_2024.pdf
史跡御所野遺跡 リーフレット(一戸町教育委員会/縄文遺跡群世界遺産登録推進本部)
https://jomon-japan.jp/en/wp-content/uploads/2021/03/F008a000001.pdf
御所野遺跡で出土した縄文時代中期の焼失竪穴住居群(全国遺跡報告総覧)
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/9701/pdf_page

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