概要

ティーマは、カイ・フランクが設計した食器のシリーズである。円・正方形・長方形という基本的な幾何形態のみで構成される。1952年に「キルタ」として設計され、1981年に素材の変更にともなう再設計を経て現在の名称になった。イッタラが製造している。

デザインの背景と考え方

設計された1940年代後半のフィンランドは、第二次世界大戦の終結から間もない時期にあたる。装飾を施した高価なディナーセットと素朴な石器という両極のあいだで、量産できて組み合わせの効く食器が求められた。

ボウルは半球に近い形へ、カップは円筒形へ整えられる。模様を持たないため、皿ごとに向きが決まらず、重ねたときに柄合わせが要らない。異なる色や寸法を混ぜても構成が崩れない。

セット一式ではなく一点ずつ選んで組み合わせるという売り方も、この構成から導かれている。模様のあるセットでは欠けた一枚を補うのが難しいが、無地であれば同じ色を買い足せる。

キルタからティーマへ — 変遷の軌跡

ティーマの原型である「キルタ」シリーズは、1952年にデザインされ、翌1953年にアラビア社から発売された。ホワイト、イエロー、ブラウン、ブルー、グリーン、ブラックなど鮮やかな色彩をまとった食器で、キルタはアラビア社で最も成功した製品のひとつとなり、発売から20年間で2,500万個を超える生産数を記録した。

1974年、生産合理化と製造素材の移行に伴い、キルタシリーズは一度生産を終了する。その後、フランク自身が新素材に対応した形状の再設計を手がけ、1970年代末から約3年をかけて全アイテムの形状を刷新した。蓋のつまみの改良、ハンドルの取り付け方法の簡略化、各アイテムのサイズと形状の見直しが行われ、キルタよりもさらに基本的な幾何学形態へと整えられた。

1981年、「ティーマ」と改名されたシリーズがクリームホワイトとブラックの2色で登場し、大きな反響を呼んだ。以降、慎重に選ばれたカラーが徐々に追加され、これまでに30色以上が展開されてきた。2003年にはアラビア社からイッタラブランドへと移行し、国際市場に向けた展開が本格化。2005年にはプレートのサイズ構成が見直され、現代の食生活に即したラインナップへと更新された。

特徴とコンセプト

簡潔なフォルム

模様がないため、盛り付けた料理の輪郭が器の柄と競合しない。皿の縁に向きがないので、どの角度から置いても構成が変わらない。

自由な組み合わせ

各アイテムは単独でも、シリーズ内の他のアイテムとも組み合わせられる。色違い、寸法違いを混ぜても成立する。

堅牢な実用性

全アイテムがオーブン、電子レンジ、食器洗い機、冷凍庫に対応する。重ねて収納できる。

評価と影響

同じイッタラでは、キビ キャンドルホルダーも装飾を持たず素材の厚みと色だけで構成される。フランクは食器のほかガラス製品も手がけた。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。収蔵されているのは前身のキルタで、現行のティーマは1981年の再設計を経たものにあたる。

  • MoMA キルタ テーブルウェア(1948年) 収蔵番号 144.1955.1-10
  • MoMA キルタ ストレージコンテナ(1948年) 収蔵番号 20.1997.1-2

基本情報

作品名(日本語) ティーマ
作品名(英語) Teema
デザイナー カイ・フランク / Kaj Franck(1911–1989)
国籍 フィンランド
デザイン年 1952年(キルタとして)/ 1981年(ティーマとしてリニューアル)
ブランド イッタラ / Iittala(旧アラビア / Arabia)
製造国 フィンランド
素材 ビトロポーセリン(強化磁器)
カテゴリ テーブルウェア(プレート、ボウル、マグ、カップ&ソーサー、サービングアイテム)
対応機器 オーブン、電子レンジ、食器洗い機、フリーザー
主な展開カラー ホワイト、ブラック、パールグレー、ハニー、リネン、セラドングリーン、ヴィンテージブルー、ヴィンテージブラウン ほか(30色以上の展開実績)