概要

オイヴァは、サミ・ルオツァライネンが設計し、マリメッコが2009年に発表したテーブルウェアのシリーズである。名称はフィンランド語で「素晴らしい」を意味する。ストーンウェア(炻器)による。装飾を持たない形をとり、そこへマリメッコのテキスタイルの図案を転写する。

デザインの背景と誕生の経緯

2000年代後半、マリメッコはルオツァライネンにテーブルウェアの設計を依頼した。テキスタイルを主力としてきた同社が、食器の分野へ展開する試みにあたる。

「イン・グッド・カンパニー」コレクションとしての出発

2009年末、オイヴァは「イン・グッド・カンパニー(In Good Company)」と題されたテーブルウェアコレクションの一部として正式に発表された。当初のパターンデザインは、イラストレーター兼デザイナーのマイヤ・ロウエカリが手がけ、「シイルトラプータルハ(市民菜園)」と「ラシィマット(使い込まれたマット)」の二つのパターンが最初に世に送り出された。2010年にはマイヤ・イソラによる象徴的な「ウニッコ」柄が追加され、コレクションは急速に拡大していった。

デザインの特徴とコンセプト

素材と対応

各アイテムはストーンウェアで製作され、食洗機、オーブン、電子レンジ、冷凍庫のいずれにも対応する。ストーンウェアは磁器より焼成温度が低く、厚みを持たせやすい。

形と図案を分ける

器そのものに装飾を持たせず、図案は転写で与える。形に凹凸や縁飾りがあれば図案の連続が途切れるが、平滑な面であれば図案の側の構成がそのまま出る。同じ形に別の図案を載せられるため、シリーズを増やす際も型を作り直さずに済む。

組み合わせて使う

無地と図案入りが同じ形を共有するため、混ぜて使っても輪郭が揃う。図案の異なる皿を重ねても、縁の見え方が変わらない。

製造と品質管理

製造はタイの提携工場で行われる。図案を転写するデカールの貼付は手作業による。曲面に平らな転写紙を貼るため、位置と伸びの調整が要る。

シリーズの構成と代表的なパターン

オイヴァは継続的に拡張を続けるコレクションであり、プレート(各種サイズ)、ディーププレート、ボウル、マグカップ、コーヒーカップ、ラテマグ、ティーポット、ピッチャー、サービングディッシュ、トレイなど、食卓に必要なアイテムを網羅している。これらのフォルムに施されるパターンは、マリメッコの膨大なアーカイブから選ばれ、定番柄から季節限定柄、日本限定カラーまで多岐にわたる。

ウニッコ(Unikko)
1964年にマイヤ・イソラがデザインしたケシの花のパターン。マリメッコを象徴する最も著名な柄であり、2010年よりオイヴァに展開。2024年には誕生60周年を記念した特別コレクションも制作された。
シイルトラプータルハ(Siirtolapuutarha)
マイヤ・ロウエカリによる「市民菜園」をテーマとしたパターン。不揃いなドット柄が特徴で、オイヴァの発表時から展開される初期柄のひとつ。モノトーンの配色が多くの食卓に馴染む。
ラシィマット(Räsymatto)
同じくマイヤ・ロウエカリによる「使い込まれたラグマット」をモチーフとしたパターン。幾何学的なドットの連なりが現代的な印象を与え、シイルトラプータルハとの相性も極めてよい。
コンポッティ(Kompotti)
アイノ=マイヤ・メッツォラがデザインしたフルーツモチーフのパターン。色彩豊かで遊び心に満ちた表現が特徴的である。

これらのほかにも、ヴェルイェクセトゥ(Veljekset)、ペウラ(Peura)、ホルテンシエ(Hortensie)、バスケット(Basket)など、多数のパターンが展開されており、コレクションは年々その幅を広げている。

評価と影響

形を共通にして図案だけを替えるという構成は、ティーマが色だけを替えるのと近い。図案を平面から立体へ移す点では、アレキサンダー・ジラード ラグが織物の図案をラグへ展開したのと同じ課題を扱っている。

4館の公開データでは、オイヴァの収蔵は確認できていない。

基本情報

名称(日本語) オイヴァ テーブルウェア
名称(英語) Oiva Tableware
デザイナー サミ・ルオツァライネン(Sami Ruotsalainen)
デザイン年 2009年
ブランド マリメッコ(Marimekko)
製造国 タイ
素材 ストーンウェア(炻器)
パターンデザイナー マイヤ・ロウエカリ、マイヤ・イソラ、アイノ=マイヤ・メッツォラ 他
主なアイテム プレート、ディーププレート、ボウル、マグカップ、コーヒーカップ、ラテマグ、ティーポット、ピッチャー、サービングディッシュ、トレイ
対応 食洗機、オーブン、電子レンジ、冷凍庫 対応
カテゴリ キッチン/テーブルウェア