Marimekko(マリメッコ)

Marimekkoは、フィンランド・ヘルシンキに本社を置く繊維製品と衣料の企業である。1949年にViljo Ratiaが設立した捺染工場Printexを母体とし、そこで刷られた布を用いた衣服の発表会を経て、1951年5月25日に会社として登記された。妻のArmi Ratiaが若い作家を集めて図案を起こさせる体制を作り、以後、大柄で色数を絞った捺染柄が同社の製品の性格を定めている。現在はヘルシンキ証券取引所に上場している。

事業と製造の実体

Marimekkoの生産は、捺染とそれ以外の工程で分かれる。布地の捺染はヘルシンキの自社工場で行われ、製品の縫製や陶磁器などの製造は中国、インド、タイ、ポルトガル、リトアニアなどの委託先が担う。

捺染の方式が図案の性格を規定してきた。創業期に用いられたのは絹網を使う手刷りで、版を送るたびに位置がわずかにずれ、色の重なりに濃淡が出る。この方式は大きな柄を刷るのに向き、細かい模様の反復を前提とした従来の生地とは異なる図案が可能になった。生産の機械化が進んだ後も、同社は版の送りに人手を介する工程を残している。

図案は社内で保有され、布地としての販売、衣服への転用、マリメッコ ウニッコ クッションのような室内用品への展開というように、同じ柄を複数の品目へ横断して用いる構成が採られる。この方式では、柄の大きさに対して製品の面積が変わるため、品目ごとに版を作り直す必要がある。

沿革

Printexからの出発

1949年、Viljo Ratiaがヘルシンキで捺染の会社Printexを設立した。妻のArmi Ratiaは若い作家を集めて新しい図案を描かせ、Maija Isolaが手がけたAmforaが最初期の生地の一つとなる。生地そのものには関心が集まったが買い手がつかず、Armi Ratiaは服飾家Riitta Immonenに衣服を作らせて発表会を開いた。会場で衣服が売れたことを受け、5日後の1951年5月25日にMarimekkoが会社として登記されている。翌1952年にはヘルシンキに最初の店を開いた。

1953年、Vuokko Eskolin-Nurmesniemiが加わり、1960年まで図案と衣服の設計を担当した。1954年には現在も使われている記号が定められている。

製品群の拡大

1960年代、Maija IsolaがLokkiやKaivoといった図案を手がけた。なかでも1964年に描かれたUnikkoは、花柄を扱わないという社内の方針に反する形で生まれたもので、以後同社の代表的な柄となる。Annika Rimalaはこの時期の衣服とPuketti、Keidas、Tarhaといった図案を担当した。Armi Ratiaは従業員の住居と製品開発の場を兼ねる集落Marikyläの構想も進めている。

資本の移動

Armi Ratiaは1976年に退き、1979年10月に死去した。1985年、相続人はMarimekkoをフィンランドの複合企業Amer Groupへ売却する。その後の経営が振るわず、1991年にKirsti PaakkanenがAmer Groupから同社を買い取った。現在はヘルシンキ証券取引所に上場する企業として運営されている。

デザイナーとの協働

Marimekkoの製品開発は、社内に図案の作家を抱える方式と、外部の設計者へ委嘱する方式を併用してきた。創業期にArmi Ratiaが採ったのは前者で、既存の生地の様式にとらわれない作家を集め、描かれた図案をそのまま捺染する体制を作った。図案の権利は会社が保有し、複数の品目へ展開する構成が採られている。

20世紀の主な作家はMaija Isola、Vuokko Eskolin-Nurmesniemi、Annika Rimala、石本藤雄である。近年もフィンランドの作家との協働が続いており、Maija Louekari、Sami Ruotsalainenらが図案や器を手がけている。

主な製品群

図案が製品群の軸になる。Maija Isolaによる1964年のUnikkoは、大輪の花を単純な色面で構成した柄で、マリメッコ ウニッコ クッションをはじめ複数の品目に展開されている。同じくIsolaのLokkiはマリメッコ ロッキ クッションに、Maija LouekariのRäsymattoはマリメッコ ラシマット クッションに用いられている。

器では、Sami Ruotsalainenが設計したオイヴァ テーブルウェアがある。無地の白磁で構成され、図案を刷った品目と組み合わせて使うことを前提とする。

このほか衣料、鞄、布地そのものの販売を扱う。

基本情報

ブランド名 Marimekko(マリメッコ)
設立 1951年5月25日(母体のPrintexは1949年設立)
創業者 Armi Ratia、Viljo Ratia
本社所在地 フィンランド・ヘルシンキ
生産 布地の捺染はヘルシンキの自社工場。縫製・陶磁器などは国外の委託先
企業形態 上場企業(ヘルシンキ証券取引所)
事業内容 布地・衣料・室内用品・食器の企画、製造および販売
公式サイト https://www.marimekko.com

Reference