概要
サミ・ルオツァライネン(1973年生まれ)は、フィンランドの陶磁器・ガラスデザイナーである。ヘルシンキを拠点とし、2009年にマリメッコのために設計した陶器の食器「オイヴァ」で知られる。装飾を持たない白い器を基本とし、同社のテキスタイルの図柄を載せる仕様も用意されている。
バイオグラフィー
1973年、フィンランドに生まれた。ヘルシンキ芸術デザイン大学(現アールト大学)で陶磁器とガラスを学んでいる。
卒業後、イッタラなどのために製品の設計に携わった。
2009年、マリメッコのために陶器の食器「オイヴァ」を発表した。名称はフィンランド語で「良い」を意味する。
以後もマリメッコの食器の設計を継続している。ヘルシンキを拠点に、陶磁器とガラスの製品を手がけている。
デザインの思想と方法
マリメッコはテキスタイルの図柄を中心とするブランドである。その食器を設計する場合、器そのものが図柄と競合してはならない。ルオツァライネンが選んだのは、器の形を可能なかぎり単純に保ち、図柄を載せる面として機能させることだった。
図柄を載せる面として設計する
オイヴァの器は、円と直線だけで構成される。縁の立ち上がりも装飾を持たない。図柄を印刷したときに歪みが生じないよう、面はできるだけ平坦か、一定の曲率に保たれる。
白い器としても成立させる
図柄のない白い仕様も用意されている。図柄を載せる前提の形が、そのままで食器として成立していなければならない。形と図柄のどちらか一方に依存しないという条件にあたる。
重ねられる寸法にする
皿と碗は、種類ごとに重ねられる。縁の形状と底の径を揃えることで、収納時の体積が減る。日常的に使う食器では、この条件が形を規定する。
陶磁器の工程を前提とする
鋳込みや轆轤といった陶磁器の成形工程には、作れる形の範囲がある。焼成時の収縮も一定でない。設計はこの範囲の内側で行われ、複雑な形は初期の段階で外れる。
マリメッコの歴史や他の製品について詳しくはマリメッコ ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
オイヴァ(2009年、マリメッコ)
陶器の食器の系列である。皿、碗、マグ、ポットなどが用意され、いずれも円と直線で構成される。白い仕様と、同社のテキスタイルの図柄を載せた仕様がある。図柄を載せる面として機能しつつ、白いままでも食器として成立する形にとどめている。→オイヴァ テーブルウェア
オイヴァの展開(2010年代〜)
当初の器種に加えて、大皿、深皿、蓋物などが追加された。同じ形の考え方のまま、寸法と用途を広げている。図柄は同社の既存のテキスタイルから選ばれる。
ガラス製品
陶磁器と並行してガラスの製品も手がけている。ガラスは陶磁器と成形の工程が異なるため、作れる形の範囲も変わる。
評価と影響
ルオツァライネンは一般に、2000年代以降のフィンランドの陶磁器設計において、図柄と器の関係を扱った設計者として言及される。器の形を主題とするのではなく、図柄を載せる面として設計するという位置づけにあたる。
オイヴァはマリメッコの食器の中心的な系列となり、同社のテキスタイルの図柄と組み合わせて供給されている。器と図柄を分離して組み合わせる方式が、製品構成の幅を支えている。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。フィンランド国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 発表年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 2009年 | 食器 | オイヴァ テーブルウェア | Marimekko |
| 2010年代〜 | 食器 | オイヴァの追加器種 | Marimekko |
| 2000年代〜 | ガラス | ガラス製品 | 各社 |
プロフィール
| 生年 | 1973年 |
|---|---|
| 出身地 | フィンランド |
| 国籍 | フィンランド |
| 活動拠点 | ヘルシンキ |
| 分野 | 陶磁器、ガラス |
| 主な協働ブランド | Marimekko |
Reference
- Marimekko
- https://www.marimekko.com/
- Designmuseo Helsinki
- https://www.designmuseum.fi/en/