概要
TMCは、ミゲル・ミラが1961年に設計したフロアランプである。ミラが仲間と設立したトラモの初期の製品にあたる。
金属の支柱に筒状の傘を通し、手で上下させて高さを決める。現在はサンタ&コールが製造する。
ミゲル・ミラの設計思想や経歴について詳しくはミゲル・ミラ プロフィールページをご覧ください。
特徴・コンセプト
金属を支柱に選ぶ
支柱は金属である。同じ構成で木の支柱を用いるTMM フロアランプと比べ、同じ断面でより大きな荷重に耐える。
そのため支柱を細く保てる。床から傘までの間に視線を遮る要素が少なくなる。
傘の位置で用途が変わる
傘は支柱を抱いて取り付き、押し上げれば任意の位置で止まる。歯車やねじによる固定を持たず、摩擦だけで保持する。
低くすれば手元を照らし、高くすれば部屋へ光を回す。据え付けたあとで役割を変えられることが、この機構の目的にあたる。
配線を隠さない
電線は支柱の内部を通さず、外に沿わせる。管の中を通すには断面を太くする必要が生じるが、外に出せば細いまま保てる。
交換や修理の際に分解を要さないという条件も、この構成から導かれている。
エピソード
作る場をつくる
ミラは建築家のフランシスコ・リバス・バランジェ、エドゥアルド・ペレス・ウリバリとともにトラモを設立した。名称は「面倒な仕事」を意味する語の略にあたる。
当時のスペインには、設計した照明を製造して流通させる仕組みが十分になかった。自ら製造と販売を引き受けるための会社である。TMCはその最初期の製品にあたる。
木への置き換え
同じ年に、支柱を木に替えたTMMが設計されている。傘を上下させる方式と3つの要素を分ける考え方は共通する。
金属と木という素材の違いが、そのまま2つの製品の性格を分けている。
評価と影響
一般的に、スペインの近代デザインの出発点にあたる照明のひとつとして扱われている。1961年のADI FAD デルタ賞を受けている。
発表から60年以上を経て生産が続いている。傘の素材は複数の選択肢から選べる。
基本情報
| デザイナー | ミゲル・ミラ |
|---|---|
| ブランド | サンタ&コール(当初はトラモ) |
| 発表年 | 1961年 |
| デザインの成立国 | スペイン |
| 主要素材 | 金属の支柱、紙または布の傘 |
| 高さの調節 | 傘を支柱に沿って上下させる。機構を持たない |
サンタ&コールの歴史や他の製品について詳しくはサンタ&コール ブランドページをご覧ください。
Reference
- TMC | Santa & Cole
- https://usa.santacole.com/en/lighting/floor-lamps/tmc-tmcsa01/
- Miguel Mila | Santa & Cole
- https://usa.santacole.com/en/autor/miguel-mila/