概要

オッキは、トビア・スカルパが1959年頃にヴェニーニのために設計したガラスの花器である。名称はイタリア語で目を意味する。

色の異なるガラスの棒を格子状に並べて融着させ、それを吹いて成形する。各区画の中心に空気が残り、点のような輪郭が並ぶ。

特徴・コンセプト

棒を組んで面をつくる

着色したガラスの棒を平面上に並べ、熱で融着させて一枚の板とする。これを巻き取って吹くことで器の形になる。

表面に絵付けをする方法では、模様は膜として乗る。この方法では模様が素材そのものの構成にあたるため、吹いて伸ばしても消えず、厚みの中に残る。

残された空気

棒と棒のあいだには僅かな隙間が生じる。融着の際にここへ空気が閉じ込められる。

この空気が光を屈折させ、区画ごとに濃い点として見える。名称はこの見え方に由来する。工程で生じる副産物を、取り除かずに意匠として扱っている。

吹く工程を前提とする

吹いて膨らませるため、格子の目は一様には広がらない。器の膨らむ位置で目が大きくなり、絞られる位置で小さくなる。

型に流し込む方法であれば模様の寸法を制御できるが、吹く工程では成形の結果として決まる。個体ごとに目の大きさが揃わない。

エピソード

ムラーノでの仕事

スカルパは1950年代後半、ヴェネツィアのムラーノ島にあるヴェニーニに在籍した。家具の設計に移る前の時期にあたる。

島には色ガラスの棒を組み合わせる技法が伝わっており、オッキはこの蓄積の上に成立している。設計者が工程を新たに考案したのではなく、既にある技法をどう扱うかという問いから出発した仕事にあたる。

評価と影響

一般的に、20世紀のムラーノのガラスを代表する作例のひとつとして扱われている。

家具の設計者として知られるスカルパの初期の仕事にあたり、素材の性質から形を決めるという姿勢は後年の椅子にも見られる。

受賞・収蔵

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が収蔵している(Occhi、1959年頃、収蔵番号 C.192-1991)。

基本情報

デザイナー トビア・スカルパ
ブランド ヴェニーニ
発表年 1959年頃
デザインの成立国 イタリア
主要素材 ガラス(色の棒を融着させたのち吹いて成形する)
模様 格子の各区画に空気が残り、点のような輪郭が並ぶ

Reference

Occhi | Tobia Scarpa | V&A Explore The Collections
https://collections.vam.ac.uk/item/O3233/