概要
モデル1063は、ジーノ・サルファッティが1954年に設計したフロアランプである。アルテルーチェが製造した。
塗装したアルミニウムの細い管を床から立ち上げ、その内部に光源を収める。傘を持たず、管そのものが発光する。高さは2,150mm。
ジーノ・サルファッティの設計思想や経歴について詳しくはジーノ・サルファッティ プロフィールページをご覧ください。
特徴・コンセプト
傘を持たない
照明は通常、光源を覆う傘を持つ。まぶしさを抑え、光を必要な方向へ向けるためである。
この照明は傘を持たない。細長い光源を用いることで、点として強い光源を面へ分散させている。管に開けた開口の向きによって、直接の光と壁へ返す光が分かれる。
中心を外した接合
管は台の中心には立たない。鋼の細い棒によって、中心から外れた位置で台と繋がる。
台には電源の装置が収まり、その重量が管と釣り合う。接合の位置を中心から外すことで、この釣り合いが成立している。台の寸法を大きくせずに済むため、床の占有が抑えられる。
蛍光管を住居へ
1950年代の蛍光管は、事務所や工場で用いられる光源であった。始動のための装置を要し、家庭用の照明には扱いにくい。
その装置を台に収めることで、住居に置ける形にまとめている。素材と部材を必要なものだけに絞る姿勢が、この構成に現れている。
エピソード
光源の置き換え
近年の復刻では、蛍光管がLEDの部材に置き換えられている。台に収まっていた始動の装置に代わり、調光の回路が収められる。
1950年代には技術的に成立しなかった調光が、同じ外形のまま可能になっている。
評価と影響
一般的に、サルファッティの仕事のなかで広く知られた製品として扱われている。光源そのものを見せる構成にあたり、部材を必要なものだけに絞る方向を示している。
アルテルーチェは1973年にフロスへ譲渡された。以後、フロスがこの製品の復刻を手がけている。
受賞・収蔵
1954年の第10回ミラノ・トリエンナーレでグランプリを受けている。
ニューヨーク近代美術館が収蔵している(Floor Lamp、model 1063、1954年、収蔵番号 264.1958)。
基本情報
| デザイナー | ジーノ・サルファッティ |
|---|---|
| ブランド | フロス(当初はアルテルーチェ) |
| 発表年 | 1954年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 主要素材 | 塗装したアルミニウムの管、鋼の棒、アルミニウムの台 |
| サイズ | 高さ2,150 × 幅350 × 奥行460mm |
| 光源 | 当初は蛍光管。復刻ではLEDの部材に置き換えられ、調光に対応する |
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロス ブランドページをご覧ください。
Reference
- Gino Sarfatti. Floor Lamp (model 1063). 1954 | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/3128
- Lamps by Gino Sarfatti | Flos
- https://flos.com/en/us/designers/gino-sarfatti.html