このページについて
イームズ ワイヤーチェアは、チャールズ・イームズとレイ・イームズが1951年に設計した椅子である。鋼の線材を溶接したシェルによる。脚の仕様と座布団の組み合わせで型式が分かれる。
このページでは、脚と座布団の組み合わせ、線材のシェルの扱い、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
チャールズ・イームズの設計思想や経歴について詳しくはチャールズ・イームズ プロフィールページをご覧ください。
イームズ ワイヤーチェアのデザインストーリーについて詳しくはイームズ ワイヤーチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
イームズ ワイヤーチェアの正規品は、Herman Miller(ハーマンミラー、1905年創業/1923年に現社名へ改称、アメリカ・ミシガン州)がアメリカ・アジア圏の製造・販売を、Vitra(ヴィトラ、1950年創業、スイス)がヨーロッパ圏の製造・販売を担う。両社ともイームズ・オフィスから正式にライセンスを取得した正規メーカーである。2010年以降、日本国内で流通する正規品はハーマンミラー社製となっている。イームズ夫妻が開発した治具と溶接技術に基づく製造プロセスは、シェル縁を二重ワイヤーで補強する手法でアメリカの特許を取得した技術的革新でもある。
| 正式名称 | イームズ ワイヤーチェア |
|---|---|
| 製造ブランド | 地域によって製造元が異なる。北米とアジアはハーマンミラー、欧州はヴィトラによる |
| 主要素材 | シェルは溶接した鋼の線材による。二重の構造にあたる。仕上げはめっきと塗装から選ぶ。塗装の仕様は屋外にも対応する |
| 脚の仕様 | 3種から選ぶ。線材を組んだ脚、4本の脚、木の脚がある |
| 座布団 | 3種から選ぶ。座布団を持たない仕様、座面のみの仕様、座面と背もたれに分かれる仕様がある |
| サイズ | 幅470〜500 × 奥行510〜525 × 高さ830〜840mm。座面の高さ420〜430mm |
| 重量 | 約4.5〜8.0kg。座布団の仕様によって変わる |
| 価格 | 両社とも公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。脚と座布団の組み合わせで価格が変わる |
| 収蔵 | MoMA サイド チェア(モデル DKR-1、1951年) 収蔵番号 217.1953 |
脚と座布団の組み合わせ
脚は3種、座布団は3種から選ぶ。組み合わせによって型式が分かれる。
| 部材 | 選択肢 | 関わること |
|---|---|---|
| 脚 | 線材を組んだ脚/4本の脚/木の脚 | 床に接する素材と見え方 |
| 座布団 | なし/座面のみ/座面と背もたれ | 座り心地と重量 |
座布団のない仕様では、線材の面に直接座ることになる。座り心地が大きく変わる。
重量も約4.5〜8.0kgの範囲で変わる。座布団の仕様によって差が生じる。
選び分けの目安
- 座り心地で選ぶ場合
- 座布団のない仕様では線材に直接座る。実物で確かめられるとよい。
- 床材を確かめる場合
- 脚の素材によって条件が変わる。木の脚もある。
- 持ち運ぶ場合
- 約4.5〜8.0kg。座布団の仕様によって変わる。
線材のシェルの扱い
シェルは鋼の線材を溶接する。二重の構造にあたる。
線材のあいだに隙間がある。埃が溜まり、柔らかい刷毛で払うことになる。
座布団のない仕様では、座面に隙間がある。落ちたものが下に抜ける場合がある。
仕上げはめっきと塗装から選ぶ。塗装の仕様は屋外にも対応する。めっきの仕様は屋内で用いる。
選び分けの目安
- 手入れの手間を考える場合
- 線材のあいだに埃が溜まる。刷毛で払うことになる。
- 屋外で用いる場合
- 塗装の仕様が対応する。めっきの仕様は屋内で用いる。
- 座面の性質を確かめる場合
- 座布団のない仕様では隙間がある。落ちたものが下に抜ける場合がある。
ライセンスを受けていない製品との違い
本製品には、ライセンスを受けていない類似の製品が流通する。
| 比較項目 | 正規品 | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| 製造 | 許諾を受けた2社による | 製造元は個々に異なる |
| シェルの構造 | 二重の構造。仕様が公表される | 公表されない場合がある |
| 溶接 | 公表される仕様による | 公表されない場合がある |
| 脚と座布団 | 適合する部材が用意される | 適合しない場合がある |
| 部品の供給 | 取扱店を通じて相談できる | 個々に異なる |
線材を溶接して荷重を支える構成のため、溶接の仕様は強度に関わる。確認する事項になる。
選び分けの目安
- 強度を確かめる場合
- シェルの構造と溶接の仕様を確認する。荷重を支える箇所にあたる。
- 部材を組み合わせる場合
- 正規品には適合する脚と座布団が用意される。
- 長く使う前提の場合
- 部品の供給を確かめる。座布団の交換も含まれる。
同種の椅子との比較
椅子はシェルの素材と手入れの条件で性格が分かれる。
| 比較項目 | ワイヤーチェア | イームズ プラスチック サイドチェア DSW | トリニダードチェア |
|---|---|---|---|
| シェル | 溶接した線材 | 樹脂 | 成形した合板(透かしがある) |
| 座面の隙間 | ある(座布団なしの仕様) | ない | ある(透かし) |
| 手入れ | 線材のあいだの埃 | 拭ける | 透かしの隙間の埃 |
| 屋外 | 塗装の仕様が対応する | 仕様による | 該当しない |
| 座布団 | 3種から選ぶ | 仕様による | 座面を張る仕様がある |
選び分けの目安
- 手入れの手間を考える場合
- 線材のあいだに埃が溜まる。平滑なシェルとは扱いが異なる。
- 屋外で用いる場合
- 塗装の仕様が対応する。
- 座り心地で選ぶ場合
- 座布団を3種から選べる。線材に直接座る仕様もある。
使用感と設置条件
寸法
幅470〜500 × 奥行510〜525 × 高さ830〜840mm。座面の高さは420〜430mm。
脚の仕様によって寸法が変わる。組み合わせる机の高さも確かめる。
シェルの見え方
線材による構成のため、背後が透けて見える。
めっきの仕上げでは光を反射する。塗装の仕上げとは印象が異なる。
床との関係
脚の素材によって床に接する箇所が変わる。金属と木がある。
椅子は繰り返し動かすため、保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
めっきの線材は湿気の多い環境で曇る。傷が付くとそこから腐食が進む。
塗装の線材は擦れると下地が現れる。屋外で用いた場合はとくに進む。
溶接の箇所は繰り返しの荷重がかかる。定期的に確かめる。
座布団の革は使用によって色と質感が変わる。
日常の手入れ
- 線材のシェル
- 柔らかい布で拭く。あいだの埃は刷毛で払う。
- 溶接の箇所
- 状態を定期的に確かめる。荷重がかかる箇所にあたる。
- 座布団
- 素材に応じて手入れする。革は乾いた布で拭く。
- 屋外で用いた後
- 水気と汚れを拭き取る。塗装の傷みから腐食が進む。
修理と部品
座布団の交換や脚の交換については、取扱店を通じて相談する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
両社とも公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
脚と座布団の組み合わせから選ぶ。取り扱われる範囲は取扱店によって異なる。納期も確かめる。
実物を確認する
座布団のない仕様では線材に直接座る。座り心地を実物で確かめられるとよい。
めっきと塗装の見え方の違いも現物で分かる。
中古の流通
1951年から1967年にかけての個体と、復刻以降の個体が流通する。年式を確かめる。
確認箇所は、線材の腐食と塗装の剥がれ、溶接の箇所、座布団の状態、脚が揃っているかである。
購入前チェックリスト
- 脚の選択(線材/4本/木)
- 座布団の選択(なし/座面のみ/座面と背もたれ)
- 座布団のない仕様では線材に直接座ること
- 線材のあいだに埃が溜まること
- 屋外で用いる場合、塗装の仕様を選ぶこと
- 座面の高さ420〜430mmと組み合わせる机
- 脚の素材と床材の関係
- 溶接の箇所の定期的な確認
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 両社とも公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。脚と座布団の組み合わせで価格が変わります。
- どこで購入できますか?
- 地域によって製造元が異なり、日本国内では北米とアジアを担当する製造元の取り扱いになります。輸入代理店の案内をご確認ください。
- 脚と座布団は選べますか?
- 脚は線材を組んだ脚、4本の脚、木の脚の3種、座布団は座布団を持たない仕様、座面のみ、座面と背もたれに分かれる仕様の3種から選べます。組み合わせによって型式が分かれます。
- 座り心地はどうですか?
- 座布団のない仕様では、溶接した線材の面に直接座ることになります。座布団の有無で座り心地が大きく変わるため、実物でお確かめください。
- 掃除は大変ですか?
- 線材のあいだに隙間があるため埃が溜まり、柔らかい刷毛で払うことになります。座布団のない仕様では座面にも隙間があり、落ちたものが下に抜ける場合があります。
- 屋外で使えますか?
- 塗装の仕様は屋外にも対応します。めっきの仕様は屋内で用いてください。屋外で用いた後は水気と汚れを拭き取ってください。塗装の傷みから腐食が進みます。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(サイド チェア モデルDKR-1、1951年、収蔵番号217.1953)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 線材のシェルは柔らかい布で拭き、あいだの埃は刷毛で払ってください。溶接の箇所は荷重がかかるため、状態を定期的にお確かめください。座布団は素材に応じて手入れしてください。