1960年代後半から70年代前半のイタリアで、機能主義と消費社会そのものを批判の対象とした設計の運動。アンチデザインとも呼ばれる。
ラディカルデザイン
ラディカルデザインとは、1960年代後半から70年代前半のイタリアで、機能主義と消費社会そのものを批判の対象とした設計の運動のこと。アンチデザインとも呼ばれる。
解説
起点はフィレンツェにある。大学の建築学部でレオナルド・サヴィオリのもとにいた学生たちを母体に、1966年にアーキズームとスーパーストゥディオが相次いで結成された。同年、ピストイアで開かれた「スーパーアーキテットゥーラ」展と宣言が運動の始まりとされる。のちにグルッポ・ストゥルム、UFO、9999といった集団が加わった。掲げられたのは、よい形をつくることではなく、住まい方と生産の仕組みを問い直すことだった。都市を覆う連続体を描いた計画案のように、建てることを前提としない提案も多い。
この立場が家具に現れると、椅子は座るための道具である前に主張の媒体になる。ガエターノ・ペッシェのUP5_6 アームチェア&オットマンは、真空パックで圧縮した状態で出荷し、開封すると空気を吸って膨らむ構造を採った。輸送と開封という流通の過程そのものを設計に組み込んでいる。ソットサスのウルトラフラゴラは、鏡という道具に照明と波打つ輪郭を与え、家具の分類から外れる位置に置いた。
運動は1972年にニューヨーク近代美術館で開かれた「Italy: The New Domestic Landscape」展で国際的に知られた。エミリオ・アンバースの企画で、9999、アーキズーム、グルッポ・ストゥルム、スーパーストゥディオ、ソットサス、ペッシェらが参加している。アーキズームは1974年、スーパーストゥディオは1978年に活動を終えた。批判の対象だった消費社会の側に取り込まれる形で運動は収束したが、機能から形を導かないという構えは、のちのポストモダンやメンフィスへ引き継がれている。
基本情報
| 英語表記 | Radical Design / Anti-Design |
|---|---|
| 期間 | 1966年-1970年代半ば |
| 主な地域 | イタリア(フィレンツェを起点にミラノ、トリノ) |
| 主な集団 | アーキズーム、スーパーストゥディオ、グルッポ・ストゥルム、UFO、9999 |
Reference
- Environments and Counter Environments. "Italy: The New Domestic Landscape," MoMA 1972(Graham Foundation)
- http://www.grahamfoundation.org/public_exhibitions/5040-environments-and-counter-environments
- Superstudio (1966-1978) Italian Avant-garde Design Group(Encyclopedia of Design)
- https://encyclopedia.design/2021/03/11/superstudio-1966-1978-italian-avant-garde-design-group/
- Environments and Counter Environments(ArchDaily)
- https://www.archdaily.com/421040/environments-and-counter-environments-italy-the-new-domestic-landscape-moma-1972-exhibition