プルーム ソファは、2011年にフランスを代表する家具ブランド リーン・ロゼより発表された、ロナン&エルワン・ブルレック兄弟によるソファコレクションである。その名称はフランス語で羽毛を意味する言葉に由来し、柔らかく包み込むような座り心地を象徴している。発表以来、プルームは有機的な造形美と卓越した快適性により、現代を代表するソファのひとつとして国際的な評価を確立してきた。

ブルレック兄弟は「現代的なデザインを備えた、極めて快適なソファを創造したかった」と述べており、プルームはその理念を体現する作品となった。熟した果実のような豊穣な形態は、身体全体を柔らかく受け止める広大な座面を提供し、座る、横たわる、くつろぐといった多様な姿勢を可能にする。

特徴・コンセプト

プルーム ソファの最大の特徴は、快適性の追求から生まれた革新的な素材の組み合わせにある。ブルレック兄弟は長期にわたるユーザーの快適性に関する詳細な研究を行い、二つの特別な素材、すなわちストレッチ性のある張地と超柔軟なフォームを組み合わせるという結論に達した。この素材の融合は、ソファの寛大な寸法と相まって、極めて高い快適性を実現している。

構造と素材

内部構造には、スチールチューブとワイヤーメッシュによるフレームが採用されている。座面と背もたれには密度の異なる高弾性ポリウレタン・ブルテックスフォームが層状に配され、身体を包み込みながらも適切なサポートを提供する。表面を覆うストレッチ素材は、ダブルレイヤーのキルティング織りで、ポイントステッチによって固定されている。このステッチが生み出すドーム状の外観は、伝統的なボタン留めクッションを現代的に解釈したものである。

意図的な非対称デザイン

デザイナーの意図により、ラージセッティーは非対称の構造を持つ。右側の背もたれは左側よりわずかに高く、右側の座面は左側より深い。背面のジッパーさえも中心から外れた位置に配されている。この繊細な非対称性は、人間の身体的習慣に対する精密な適応であり、たとえば右手で頭を支える傾向のある人により良いサポートを提供する。

また、3人掛けソファの座面はわずかに閉じた角度(約110度の弧)を持ち、着座者同士が自然に向き合いやすい設計となっている。この角度により、直接対面する気まずさを避けながらも、容易にアイコンタクトを取ることができ、会話を促進する効果を生んでいる。

デザイン哲学

ブルレック兄弟はプルームについて「熟した美味しい果実のように」構想したと語っている。ストレッチ素材の革新的な使用は「柔軟性と快適性が本質的であると考えられる現代のライフスタイルの象徴」であり、日常の特別な瞬間のための、多様な生活に対応するソファを目指したものである。自由な形態と接触の柔軟性により、プルームは真の意味での「巣」となり、座面のどの部分、背もたれや肘掛けでさえも、同じ柔らかな接触を背中や頭に提供する。

エピソード

プルーム ソファは2011年1月、ドイツのケルンで開催された国際家具見本市 imm Cologne において発表された。ブルレック兄弟はこのソファを「熟した、官能的な果実のようだ」と表現し、その有機的な形態と革新的な快適性は発表直後から大きな注目を集めた。

同年秋には、フランスのメス市にあるポンピドゥー・センター・メスにおいて、ロナン&エルワン・ブルレックの回顧展「Bivouac」が開催された。この展覧会はフランス国内初の大規模な回顧展であり、プルームもまた彼らの代表作として紹介された。

発売以来、プルームは世界中のデザイン愛好家やセレブリティの間で支持を獲得してきた。その独特の形状から「脳のような形のソファ」とも呼ばれ、14年以上にわたりハイエンド家具市場において不動の人気を維持している。2014年には、住宅事情の変化に対応するため、より小型のバリエーションが追加され、コレクションが拡充された。

評価

プルーム ソファは発表以来、デザイン界において極めて高い評価を獲得してきた。その有機的な統一性と、素材と形態の調和は、現代ソファデザインにおける新たな基準を確立したとされる。

Red Dot Design Awardの審査員は「プルーム ソファの寛大な寸法」に感銘を受けたと述べ、「素材の組み合わせもまた非常に官能的な体験を提供する。ストレッチ素材に覆われた柔らかいフォーム素材は高い快適性と、さまざまな方法でくつろぐことを可能にし、身体全体が柔らかく快適な空間に座ることができる」と評した。

デザイン専門メディアからも、プルームは「現代デザインの素晴らしい例」「時代を超越したデザインと耐久性により、今後何年にもわたって楽しめる投資作品」として評価されている。その多様な空間への適応性、モジュラー構成の可能性、そして高品質な素材と職人技により、現代家具の傑作として認知されている。

受賞歴

2011年
Red Dot Design Award「Best of the Best」
2011年
Good Design Award
2011年
LABELS VIA Award
2012年
RFF Innovation Award

基本情報

デザイナー ロナン&エルワン・ブルレック(Ronan & Erwan Bouroullec)
ブランド リーン・ロゼ(Ligne Roset)
発表年 2011年
発表場所 imm Cologne(ドイツ・ケルン)
生産国 フランス
素材(フレーム) スチールチューブ、ワイヤーメッシュ
素材(座面・背もたれ) 高弾性ポリウレタン・ブルテックスフォーム
素材(張地) ストレッチ素材(ダブルレイヤー・キルティング織り)
サイズ展開 ラブシート(ロー/ハイバック)、ミディアムセッティー(ロー/ハイバック)、ラージセッティー、オットマン
代表的サイズ(ラージセッティー) W253 × D124 × H84 cm(座面高39cm)

デザイナーについて

ロナン・ブルレック(1971年生まれ)とエルワン・ブルレック(1976年生まれ)は、フランス・ブルターニュ地方カンペール出身の兄弟デザイナーである。ロナンはパリ国立高等装飾美術学校、エルワンはセルジー=ポントワーズ国立高等美術学校をそれぞれ卒業し、1999年より正式に協働を開始した。

彼らのコラボレーションは、それぞれの個性を活かしながら、より高い精度と繊細さを追求する恒常的な対話によって成り立っている。宝飾品などの小物から空間の組織化や建築に至るまで、工芸から産業規模に至るまで、ドローイングからビデオや写真に至るまで、多岐にわたる分野で活動を展開している。

代表作には、リーン・ロゼの「Facett」シーティング、ヴィトラの「Alcove」ソファ、フロスの「Aim」ランプなどがある。ニューヨーク近代美術館、パリのポンピドゥー・センター、ロンドンのデザイン・ミュージアムなど、世界有数の美術館の永久コレクションに作品が収蔵されている。

ブランドについて

リーン・ロゼは、1860年にアントワーヌ・ロゼによってフランス・アン県で創業された家具ブランドである。当初は傘の柄や杖、椅子のフレームを製造する木工所として出発した。第二次世界大戦後、アントワーヌの孫であるジャン・ロゼが事業を引き継ぎ、コントラクト家具から住宅用家具へと事業領域を拡大した。

1973年、最初のリーン・ロゼ店舗がオープンし、同日にミシェル・デュカロワによる象徴的なトーゴ ソファが発表された。以来、ディディエ・ゴメス、ピエール・ポラン、インガ・センペ、ブルレック兄弟など、著名なデザイナーとのコラボレーションを通じて、コンテンポラリーデザイン家具の世界的リーダーとしての地位を確立してきた。

現在もブリオールを拠点とし、160年以上の伝統を継承しながら、職人技と持続可能性を重視した家具製造を続けている。すべての製品はフランス国内の工場で製造され、FCBA認証を受けた森林保護に配慮した木材を使用している。