概要

セスタは、ミゲル・ミラが1962年に設計した照明である。名称はスペイン語で籠を意味する。

桜材の骨組みが乳白色のガラス球を囲い、上部に持ち手が付く。卓上にも床にも置ける。サンタ&コールが製造し、寸法違いや素材違いを含む系列へ展開している。

特徴・コンセプト

球を囲う骨組み

光源を覆うのは乳白色のガラス球である。骨組みはこれを隠すためではなく、保護するために置かれている。

木の部材は球の周囲に間隔をあけて配される。閉じた傘であれば光は一方向にしか出ないが、間隔があれば全方位へ抜ける。骨組みの影が周囲に落ちる。

持ち運ぶための形

上部の持ち手は、骨組みが交わる位置から立ち上がる。構造の一部が把手を兼ねている。

持ち運べることは、置き場所を固定しないという条件につながる。卓上でも床でも成立するのは、どちらの高さでも球の位置が視線から外れるためである。

蒸気で曲げる

木の部材は蒸気を当てて曲げる。型に沿わせて成形する方法とは異なり、材そのものを撓ませる。

ミラは自身を工業化以前の設計者と位置づけている。設備を要さず手元で確かめながら進められる工程が、この選択の背景にある。曲げた箇所は一つずつ磨いて組む。

エピソード

拾われた球

サンタ&コールの記述によれば、1960年代のバルセロナを歩いていたミラは、ガラス工場の外に置かれていた乳白色の球を見つけ、持ち帰った。

光源を覆う部材を先に設計したのではなく、既にある球をどう扱うかという問いから出発している。この球が、以後広がる系列の中心になった。

系列への展開

同じ1962年には、小型のセスティタも設計されている。以後、金属の骨組みによる型、屋外用、壁付け、吊り下げ、電池で動く型が加わった。

骨組みが球を囲うという構成は共通し、素材と寸法、設置の方法だけが分かれている。

評価と影響

一般的に、ミラの仕事のなかで国外に広く知られた作品として扱われている。地中海沿岸の住居やテラスで用いられてきた提灯を出発点としている。

発表から60年以上を経て生産が続いている。現在は調光に対応する。

基本情報

デザイナー ミゲル・ミラ
ブランド サンタ&コール
発表年 1962年
デザインの成立国 スペイン
主要素材 桜材の骨組み、乳白色のガラス球
重量 約2.7kg
置き方 卓上と床の双方に置ける。上部に持ち手が付く
系列 小型のセスティタ、金属の骨組みによる型、屋外用、壁付け、吊り下げなどが展開されている

Reference