概要

ソフ・ソフは、エンツォ・マーリが1971年に設計した椅子である。ドリアデが翌1972年から製造した。

鋼線を輪に曲げ、9本を並べて溶接する。線が交差する位置で構造が成立するため、太い部材を持たない。座面と背もたれには座布団を載せる。

特徴・コンセプト

輪を並べる

9本の鋼線がそれぞれ閉じた輪をなす。並べて溶接することで、座面の高さと背もたれの傾きが同時に決まる。

脚、座枠、背の支柱を別の部材として組む方法では、それぞれの接合部を確保するために断面が要る。輪を並べる構成では、線が交わる位置がそのまま接合部になる。部材を細く保てるのはこのためである。

線が形を示す

面を持たないため、椅子の輪郭が線として現れる。背後の壁や床が透けて見える。

座布団は輪の上に載る。詰め物は座り心地だけを担い、構造には関わらない。役割が部材ごとに分かれているため、どこが荷重を受けているかが外から読み取れる。

覆いを外す

座布団の張り地は取り外せる。線材の構造は覆われていないため、洗う際も分解を要さない。

構造と表面を切り離すという扱いは、設計者が他の仕事でも繰り返してきた方向にあたる。

エピソード

再生産

1972年からドリアデが製造した。2015年に仕様を見直した型が発表されている。

当初はめっきを施した鉄が用いられ、現行品では粉体塗装の鋼となる。構成そのものは変わっていない。

評価と影響

一般的に、線材で椅子を構成する方法の作例として扱われている。設計者は同じ時期に、部材の数を抑えて形を成立させる仕事を複数手がけている。

発表から50年以上を経て生産が続いている。

受賞・収蔵

ニューヨーク近代美術館が収蔵している(Sof-Sof Chair、1971年、収蔵番号 204.1998)。製造元からの寄贈による。

基本情報

デザイナー エンツォ・マーリ
ブランド ドリアデ
発表年 1971年(生産開始は1972年)
デザインの成立国 イタリア
主要素材 粉体塗装した鋼線、ポリウレタンフォームの座布団、布または革の張り地
構造 9本の鋼線の輪を並べて溶接する
サイズ 幅460 × 奥行570 × 高さ900mm。座面の高さ500mm
張り地 座布団の張り地は取り外せる

Reference