鋼を圧延して薄い板にしたもの。切断・打ち抜き・曲げ・溶接によって部材をつくる板金加工の素材となり、スチール家具の箱体や脚に用いられる。

鋼板

鋼板とは、鋼を圧延機で薄く延ばして板状にしたもののこと。家具では厚さ数ミリ以下の薄板が多く用いられ、英語では sheet steel と呼ぶ。

解説

製法によって熱間圧延鋼板と冷間圧延鋼板に分かれる。高温のまま圧延した熱間圧延鋼板は、表面に黒皮と呼ばれる酸化被膜が残り、板厚の精度も比較的粗い。これを酸洗いして常温でさらに圧延したものが冷間圧延鋼板で、日本産業規格では JIS G 3141 に定められ、一般用は記号SPCCで表される。表面が平滑で板厚がそろうため、塗装して外観に出る家具の部材には主にこちらが使われる。錆を抑えるために亜鉛めっきを施した鋼板もある。

鋼板の特徴は、加工によって断面の形を自由に決められる点にある。平らな板のままでは曲がりやすいが、折り曲げてL字や溝形、閉じた三角形などの断面をつくると、同じ厚さのまま格段に曲がりにくくなる。スチールパイプが製管の段階で断面の決まった材料であるのに対し、鋼板は部位ごとに必要な断面を与えられる。ジャン・プルーヴェのスタンダードチェアは、後脚を折り曲げた中空の鋼板とし、荷重の集まる箇所を太くしている。フリソ・クラーマーのリヴォルト・チェアも、型で打ち抜いた鋼板を折り曲げて脚をつくり、付け根から先端へ向けて断面の高さを変えている。

打ち抜き、曲げ、溶接は量産に向いた工程であり、スチール製の収納家具や事務机は、鋼板を箱状に組み立ててつくられてきた。一方で、鋼は湿気に触れると錆びるため、家具では粉体塗装やめっきで表面を覆って用いる。塗膜に傷が入ると、そこから錆が広がることがあるため、深い傷は早めに補修する。

Reference

冷延鋼板 製品カタログ(神戸製鋼所)
https://www.kobelco.co.jp/products/steel-aluminum/sheet/pdf/reien_220328.pdf
熱延鋼板 製品カタログ(神戸製鋼所)
https://www.kobelco.co.jp/products/steel-aluminum/sheet/pdf/netsuen_jp_220420.pdf
JIS G 3141:2021 冷間圧延鋼板及び鋼帯(日本規格協会 プレビュー)
https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_g_03141_000_000_2021_j_ed10_ch.pdf

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