吹き竿の先に溶けたガラスを巻き取り、息を吹き込んで膨らませて成形する技法。型を使わない宙吹きと、型の中で膨らませる型吹きに分かれる。
手吹きガラス
手吹きガラスとは、炉で溶かしたガラスを金属製の吹き竿の先に巻き取り、職人が息を吹き込んで膨らませながら形をつくる成形技法、またその製品のこと。英語では hand-blown glass あるいは mouth-blown glass と呼ぶ。
解説
工程の骨格はどの工房でも共通している。吹き竿で炉の中のガラスを巻き取り、鉄の台の上で転がして形と温度を整え、息を吹き込んで中空の玉にする。ガラスはすぐに冷えて硬くなるため、再加熱用の炉に何度も戻しながら成形を続ける。口を開くときなどには、器の底を別の鉄棒(ポンテ)に付け替えてから吹き竿を切り離す。成形を終えた製品は徐冷炉に入れ、時間をかけて温度を下げる。急に冷やすと内部に応力が残り、後になって割れる原因になる。
成形の方法は二つに分かれる。道具だけで形を整える宙吹きと、膨らませたガラスを型の中に吹き込んで外形を写し取る型吹きである。型には古くから粘土、木、金属が用いられてきた。水で湿らせた木型の中でガラスを回しながら吹くと、型との間に生じる蒸気の層が緩衝となり、型の継ぎ目が残らない滑らかな面が得られる。その代わり、回転させるために形は軸のまわりに対称なものに限られ、角や深いくびれはつくれない。浮き彫りのある形には、回さずに使う金属型が向く。
型吹きでも一つずつ人の手で吹くため、厚みのわずかな差や小さな気泡が個体ごとに残る。機械で吹いた製品と見分ける手がかりにもなる。セバスチャン・ヘルクナーのベル・テーブルは、着色したガラスを木型に吹き込んで鐘形の脚をつくっており、輪郭は型吹きで扱える回転体の範囲から選ばれている。ガラスそのものの性質については、別項で扱う。
Reference
- Mold-Blown Glass(Smarthistory/The J. Paul Getty Museum)
- https://smarthistory.org/?p=19269
- Roman Mold-Blown Glass(The Metropolitan Museum of Art, Heilbrunn Timeline of Art History)
- https://www.metmuseum.org/essays/roman-mold-blown-glass
- Beer Stein Library(American Museum of Ceramic Art)
- https://beerstein.net/articles/bsj-2a.htm