1800年頃から1815年頃、ナポレオン1世の統治下のフランスで成立した室内装飾と家具の様式。新古典主義の後期にあたり、マホガニーに金鍍金の青銅の装飾を付ける。

別表記:帝政様式、エンパイア様式、アンピール

アンピール様式

アンピール様式とは、1800年頃から1815年頃にかけて、ナポレオン1世の統治下のフランスで成立した室内装飾と家具の様式のこと。古代の形と装飾を用いる新古典主義の後期にあたる。名称はフランス語で帝政を意味するEmpireに由来し、帝政様式、エンパイア様式とも呼ばれる。

解説

様式を方向づけたのは、宮廷建築家のシャルル・ペルシエとピエール・フランソワ・レオナール・フォンテーヌである。二人は王族の住まいの改装を手がけ、1812年に刊行した『室内装飾集(Recueil de décorations intérieures)』は、この様式の手引きとして参照された。ナポレオンは織物・磁器・家具の工房を視察して生産を後押しし、蜂、月桂樹に囲まれたN、星、鷲といった皇帝の標章が装飾に用いられた。

家具は直線的で幾何学的な輪郭を持ち、キューバや西インド諸島から運ばれたマホガニーを主材とした。それ以前の時代のように多様な銘木を組み合わせるのではなく、マホガニーの面に、神話や歴史に題材をとった金鍍金の青銅や真鍮の装飾を取り付ける構成をとる。装飾の題材は古代の形式に加え、エジプト遠征を経てもたらされたエジプトの意匠や、皇后ジョゼフィーヌが好んだ白鳥にも及んだ。

金色の白鳥が肘掛けになった、赤い張り地の椅子
白鳥の肘掛けをもつジョゼフィーヌの肘掛け椅子(ジャコブ=デマルテ、1804年ごろ、マルメゾン城)François-Honoré-Georges Jacob-Desmalter / CC0(パブリックドメイン) — Wikimedia Commons

この様式はヨーロッパ各地の宮廷に取り入れられ、とくにロシアでは標準的な様式となった。ドイツとオーストリアでは、より穏やかなビーダーマイヤー様式と並んで用いられた。

Reference

The Metropolitan Museum of Art - Empire Style, 1800–1815
https://www.metmuseum.org/en/essays/empire-style-1800-1815

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