建材の採掘・製造・輸送・施工から、改修や解体・廃棄までに排出される温室効果ガスの量。建物の運用時の排出と区別して扱う。

エンボディドカーボン

エンボディドカーボンとは、建物や内装に使う材料の採掘、製造、輸送、施工から、維持・修繕・改修、解体、廃棄までの過程で排出される温室効果ガスの量のこと。冷暖房や照明など、建物を使うあいだのエネルギーに由来するオペレーショナルカーボン(運用時の排出)と区別して扱う。日本語では内包炭素とも訳される。

解説

世界グリーンビルディング協会(WorldGBC)が2019年に公表した報告書『Bringing Embodied Carbon Upfront』は、この考え方を広く知らしめた。同報告書は、世界のエネルギー関連のCO₂排出のうち約39%を建物が占め、そのうち約28%が運用時、約11%が材料と建設に由来すると整理した。また、建物が使われ始める前に排出される分を「アップフロントカーボン」と呼び、今後新築される建物の排出に大きな割合を占めると指摘している。

エンボディドカーボンは、建物が完成した時点で大部分がすでに排出されている点で、運用時の排出と性質が異なる。省エネ設備で後から減らすことができないため、材料の選び方や、使う量を減らす設計、既存の建物や部材を再利用することが、削減の主な手段になる。

インテリアでは、テナントの入れ替えや改装のたびに内装材が取り替えられるため、建物の一生を通じて見ると、内装に由来する排出は無視できない量になる。解体しやすく部材を再利用できる設計や、CLTなど木質材料の活用が注目される理由もここにある。

Reference

Bringing Embodied Carbon Upfront(World Green Building Council)
https://worldgbc.org/article/bringing-embodied-carbon-upfront/
Bringing embodied carbon upfront(European Commission, Circular Cities and Regions Initiative)
https://circular-cities-and-regions.ec.europa.eu/support-materials/papers-and-reports/bringing-embodied-carbon-upfront-coordinated-action-building

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