ブランド情報
- 正式社名
- Sam Maloof Woodworker, Inc.
- 創業
- 1948年 アメリカ(家具制作の開始)
- 主宰
- サム・マルーフ
- 本社
- アメリカ・アルタローマ
- 生産
- アメリカ・アルタローマ(自社工房)
- 事業内容
- 手作り家具の製作、初期の家具の修理・修復
- 親会社・グループ
- 独立系
本社・所有・生産・日本での取扱いなどは 2026年10月21日に確認
Sam Maloof Woodworker(サム・マルーフ・ウッドワーカー)
Sam Maloof Woodworker, Inc.は、家具作家Sam Maloof(1916年〜2009年)が自身の制作のために築いた工房を法人化したものである。1940年代後半に自宅の車庫で家具の制作を始めたことを起点とし、カリフォルニア州アルタローマの工房で一脚ずつ削り出す製作を続けている。量産の設備を持たず、詳細な図面に頼らずに職人の手で形を決める点に特徴がある。Maloofの死後も、弟子が経営と制作を引き継いでいる。
事業と製造の実体
この工房の制作は、図面ではなく手の判断によって進む。帯鋸で下描きなしに部材を切り出し、その後スポークシェイブ、スクレーパー、ラスプといった手道具で削り込む。部材と部材が途切れずに連続する造形は、この工程から生まれる。同じ設計でも一点ごとに寸法がわずかに異なる。
座面は複数の板を接ぎ合わせ、緩やかな窪みを削り出す。臀部の当たる位置を深く、縁を薄く仕上げることで、長時間の使用に対応する形状にあたる。
脚と座面の接合には、Maloofが考案した接合方法が用いられる。接着の面積と機械的な強度を同時に高める構成で、細い脚で座部を支えることを可能にしている。
素材はブラックウォールナットを基本とし、杢の出たメープル、チェリー、ローズウッドなども用いられる。ねじ穴の栓や装飾の帯にはエボニーが差される。仕上げはオイルとポリウレタンを混ぜた塗料と蝋によるもので、木肌の質感を残す。
工房では新作の制作と並行して、初期のMaloofの家具の修理・修復も受け付けている。
沿革
Sam Maloofは1916年、レバノン系移民の家庭に生まれた。図案の仕事を経て1940年代後半に家具の制作へ転じ、自宅の車庫で作業を始めている。
Maloofは独学で家具の技術を身につけた。設計を量産の目的で他社へ譲ることはせず、生涯にわたって工房での手作りを続けている。
メトロポリタン美術館は1987年制作の長椅子を収蔵しており、収蔵番号1988.190として登録している。
Maloofは存命中にSam Maloof Woodworker, Inc.を設立し、自身の承認のもとで仕事を引き継ぐ体制を整えた。2009年に死去したのち、2017年には30年以上Maloofのもとで学んだ職人Mike Johnsonが経営を引き継いでいる。現在は家族経営の工房として、アルタローマの工房で制作が続けられている。
同社のほかに、Maloofの設計を複製・販売する権利を与えられた個人や企業は存在しない。
デザイナーとの協働
Sam Maloof Woodworkerは、外部の設計者へ委嘱する方式を採らず、工房の職人が設計と制作の双方を担う構成にあたる。図面を用いずに形を決める工程のため、設計と製作が原理的に分離しない。
創業から2009年まではSam Maloof本人が制作を担い、以後は弟子のMike Johnsonが引き継いでいる。技法は工房での作業を通じて直接伝えられてきた。
Sam Maloofの設計思想や経歴について詳しくはSam Maloofプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
サム・マルーフ ロッキングチェアは、この工房を代表する椅子である。座面から背、肘へ連続する曲面を持ち、揺れの支点となる長い脚を備える。現在も同じ工房で受注に応じて制作される。
このほか、背の低い椅子、食卓用の椅子、木端を残した一枚板の卓、自立する収納家具を扱う。1950年代から現在に至る設計が、複数の樹種で製作できる。
Reference
- Settee #3/87 (1988.190) | The Metropolitan Museum of Art
- https://www.metmuseum.org/art/collection/search/484999
- Sam Maloof Woodworker - 公式サイト
- https://www.sammaloofwoodworker.com
- Sam and Alfreda Maloof Foundation - Story of Sam, Alfreda and their home
- https://www.malooffoundation.org/story-of-sam-alfreda-and-their-home