このページについて
ジン・テーブルは、オリヴィエ・ムルグが1965年に設計した製品である。エアボーンが製造した。低い机としても、足を置く台としても用いられる。生産は終了しており、中古でのみ入手できる。
このページでは、中古でのみ入手できること、布のカバーと張り替え、中古で確かめる箇所、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
オリヴィエ・ムルグの設計思想や経歴について詳しくはオリヴィエ・ムルグ プロフィールページをご覧ください。
ジン・テーブルのデザインストーリーについて詳しくはジン・テーブル紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ジン・テーブルはエアボーン・インターナショナル社がフランスで1965年から1976年まで製造した製品であり、現在は新品の購入は不可能である。以下の仕様は当時の製造仕様に基づく。ヴィンテージ品は個体ごとにコンディションが異なるため、購入時には個別の状態確認が不可欠である。
| 正式名称 | ジン・テーブル。足を置く台としても用いられる |
|---|---|
| メーカー | エアボーン |
| 内部構造 | 鋼管の枠にゴムの帯を張る |
| パッディング | ウレタンのフォーム |
| 外装 | 伸縮する化学繊維の布。ファスナーで着脱できる |
| 脚部 | 平らな鋼の帯を曲げた脚 |
| サイズ(参考) | 高さ約380〜400 × 幅約680〜720 × 奥行約580〜660mm。個体により差がある |
| 多機能性 | 低い机としても、足を置く台としても用いられる |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じ系列の椅子では、MoMA がジン シェーズロング(1964–65年、収蔵番号 347.1966)を収蔵している |
| 現在の生産状況 | 生産は終了している。復刻もない。中古でのみ入手できる |
| 価格 | 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まる。状態、色、補修の内容、来歴によって幅がある。一定していない |
チューブラースチールフレームを骨格とし、ポリエーテルフォームで覆い、その上をストレッチジャージーで包む。この三層構造が、継ぎ目のないフォルムを支えている。脚部にはフラットバースチールの「スキー」スレッドが用いられ、床との接点を細く抑えることで本体が浮いて見える。ジャージーカバーはジッパーで着脱でき、季節や好みに応じて交換できる。
ただし、半世紀以上を経たヴィンテージ品においては、オリジナルのフォームが劣化・硬化している可能性が高く、ジャージー生地も経年で伸び・色褪せ・破れが生じていることが一般的である。そのため、多くのヴィンテージ品はフォームの交換とファブリックの張り替え(リアップホルスター)が施された状態で流通している。
中古でのみ入手できること
生産は終了している。復刻もなく、中古でのみ入手できる。
色や状態を指定して注文することはできない。流通している個体から選ぶことになる。
寸法にも幅がある。高さ約380〜400mm、幅約680〜720mm、奥行約580〜660mmの範囲で個体によって異なる。
同じ系列には椅子と寝椅子もある。本製品はそのなかで小型の部類にあたる。
選び分けの目安
- 設置場所の寸法が決まっている場合
- 個体によって寸法に差がある。実物を確かめる。
- 色を選びたい場合
- 注文による製作はできない。流通している個体から選ぶ。
- 用途を考える場合
- 低い机としても、足を置く台としても用いられる。
布のカバーと張り替え
外装は伸縮する化学繊維の布による。ファスナーで着脱できる。
そのため、布を張り替えられる構造にあたる。ただし当初と同じ布は入手できない。
張り替えると色と質感が変わる。当初の状態を保つか、使える状態にするかで判断が分かれる。
内部のウレタンのフォームは経年で劣化する。布を張り替える際に、あわせて確認する。
選び分けの目安
- 当初の状態を求める場合
- 張り替えていない個体を選ぶ。布の劣化を確かめる。
- 使える状態を求める場合
- 張り替えた個体もある。色と質感が当初とは異なる。
- 張り替えを考える場合
- 当初と同じ布は入手できない。内部のフォームもあわせて確認する。
中古で確かめる箇所
製作から50年以上を経ているため、状態の確認が購入の判断に関わる。
| 箇所 | 確かめること |
|---|---|
| 布のカバー | 色褪せ、伸び、破れ。張り替えられているか |
| 内部のフォーム | 硬化、崩れ。座った際の沈み方 |
| ゴムの帯 | 伸び、切れ。弾力が残っているか |
| 鋼管の枠 | 変形、腐食 |
| 脚 | 変形、塗装の剥がれ。床に接する箇所 |
| ファスナー | 動くか。当初のものか |
内部のフォームとゴムの帯は経年で劣化する。補修は張り替えの作業に含まれる。
選び分けの目安
- 使用を前提とする場合
- 内部のフォームとゴムの帯を確かめる。沈み方で分かる。
- 状態を重視する場合
- 布の色褪せと破れを確認する。当初の布は入手できない。
- 補修を考える場合
- 張り替えの作業に含まれる。対応の可否と費用を調べる。
同種の小型の机との比較
小型の机は素材と入手の条件で性格が分かれる。
| 比較項目 | ジン | プリズマティック・テーブル | PE-128 スタラグマイト・コーヒーテーブル(円形ガラス天板) |
|---|---|---|---|
| 入手 | 中古のみ | 注文できる | 中古のみ |
| 素材 | 布とウレタン(鋼の枠) | アルミニウム板 | 樹脂と青銅(ガラスの天板) |
| 用途 | 机と足を置く台 | 机 | 机 |
| 高さ | 約380〜400mm | 約375mm | 約400〜420mm |
| 補修 | 布の張り替えによる | 取扱店に確認する | 専門の作業による |
選び分けの目安
- 用途を兼ねたい場合
- 足を置く台としても用いられる。机のみの製品とは異なる。
- 新品で入手したい場合
- この製品は中古のみ。注文できる製品とは条件が異なる。
- 天板の性質で選ぶ場合
- 布の表面による。硬い天板の製品とは載せられるものが異なる。
使用感と設置条件
天板としての使い方
上面は布による。硬い天板ではないため、載せたものが沈む。
飲み物を置く用途には向かない。盆を用いることになる。
足を置く台としての使い方
布とウレタンによる上面のため、足を置く用途に適する。
内部のゴムの帯が弾力を生む。劣化すると沈み方が変わる。
床との関係
脚は平らな鋼の帯による。床に接する面積が広い。
塗装が剥がれた箇所では床材に影響する場合がある。保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
化学繊維の布は日光で色褪せる。伸縮する布のため、伸びも生じる。
ウレタンのフォームは経年で硬化し、崩れる。50年以上を経た個体では進んでいる。
ゴムの帯は伸びて切れる場合がある。弾力が失われる。
鋼の枠と脚は塗装が剥がれると腐食が進む。
日常の手入れ
- 布のカバー
- 柔らかい布で軽く拭く。強く擦らない。洗濯の可否は業者に確認する。
- 脚
- 乾いた布で拭く。塗装の剥がれを確かめる。
- 置き場所
- 直射日光を避ける。布の色褪せが進む。
- 荷重
- 重いものを載せない。内部のフォームとゴムの帯に負担がかかる。
補修
布の張り替えと内部のフォームの交換は、張り替えの業者による作業になる。
当初と同じ布は入手できない。色と質感が変わる。
どこで買うか
入手の経路
生産は終了しており、中古の市場でのみ流通する。20世紀の家具を扱う販売店と、競売による。
価格は状態、色、補修の内容、来歴によって幅がある。一定していない。
実物を確認する
内部のフォームとゴムの帯の状態は、上から押して確かめられる。沈み方で分かる。
布の色褪せと伸びも、実物で確認する。
購入前の確認
張り替えられているかを確かめる。当初の布か、後から替えたものかで見え方が異なる。
張り替えの業者と、その費用も事前に調べておく。
購入前チェックリスト
- 生産が終了しており、中古でのみ入手できること
- 実物の寸法(個体によって差がある)
- 布の色褪せ、伸び、破れ
- 張り替えられているか
- 内部のフォームとゴムの帯の状態
- 鋼の枠と脚の変形と腐食
- 上面が布のため飲み物を置く用途には向かないこと
- 張り替えの業者と費用
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まります。状態、色、補修の内容、来歴によって幅があり一定していません。
- どこで購入できますか?
- 生産は終了しており、中古の市場でのみ流通します。20世紀の家具を扱う販売店と、競売によります。
- 新品は買えますか?
- 買えません。生産は終了しており復刻もないため、中古でのみ入手できます。色や状態を指定して注文することもできません。
- 布は張り替えられますか?
- 外装はファスナーで着脱でき、張り替えられる構造です。ただし当初と同じ布は入手できないため、張り替えると色と質感が変わります。内部のウレタンのフォームもあわせてご確認ください。
- 中古で何を確かめればよいですか?
- 布の色褪せと伸び、破れ、張り替えられているか、内部のフォームの硬化と崩れ、ゴムの帯の弾力、鋼の枠と脚の変形と腐食、ファスナーの動きをご確認ください。上から押すと内部の状態が沈み方で分かります。
- 机として使えますか?
- 上面は布のため硬い天板ではなく、載せたものが沈みます。飲み物を置く用途には向かないため、盆を用いることになります。足を置く台としての使用には適します。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- 本製品の収蔵は確認できていませんが、同じ系列の椅子ではニューヨーク近代美術館がジン シェーズロング(1964–65年、収蔵番号347.1966)を収蔵しています。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布のカバーは柔らかい布で軽く拭き、強く擦らないでください。洗濯の可否は業者にご確認ください。直射日光は布の色褪せを進めます。重いものを載せると内部のフォームとゴムの帯に負担がかかります。