アルネ・ヴォッダー「モデル75 サイドボード」が長く愛される理由——リバーシブル・ドアに宿る、デニッシュ・モダンの遊び心と技巧
1960年、デンマークの家具デザイナー、アルネ・ヴォッダーは、師フィン・ユールから受け継いだ有機的造形の美学を収納家具の領域で開花させた。モデル75サイドボードは、シバスト・ムーベルファブリック社(Sibast Møbelfabrik)の熟練した職人たちとの緊密な協働のもと、リバーシブル・スライディング・ドアという革新的機構と、タンブール(蛇腹)扉の精緻な木工技術を統合し、デニッシュ・モダンの黄金期を象徴する傑作として世に送り出された。
オリジナルはブラジリアン・ローズウッドやチーク材で製作され、その豊かな木目と彫刻的な脚部が織りなす造形は、半世紀以上を経た現在もヴィンテージ市場で高い人気を維持している。シバスト社は現在、ヴォッダー家との協働によりNo 11サイドボード(1957年デザイン)を復刻生産しており、モデル75と同じリバーシブル・ドアの設計思想を現代の素材で継承している。本ページでは、モデル75の購入を検討されている方に向けて、ヴィンテージ品の仕様と市場状況、現行生産品Sibast No 11との関係、類似名作との比較、そして空間への取り入れ方まで包括的にお届けする。
アルネ・ヴォッダーの設計思想や経歴について詳しくはアルネ・ヴォッダー プロフィールページをご覧ください。
モデル75 サイドボードのデザインストーリーについて詳しくはモデル75 サイドボード紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
モデル75は1960年代にシバスト・ムーベルファブリック社で製造されたヴィンテージ家具であり、現在は新品としての生産は行われていない。以下はオリジナル・ヴィンテージ品の仕様である。なお、シバスト社が現行生産する「Sibast No 11」は、ヴォッダーが1957年にデザインしたサイドボードの復刻であり、モデル75と同一製品ではないがリバーシブル・ドアの設計思想を共有する姉妹モデルとして後述する。
| 正式名称 | Model 75 Sideboard / モデル75 サイドボード |
|---|---|
| デザイナー | アルネ・ヴォッダー(Arne Vodder, 1926–2009 / デンマーク) |
| デザイン年 | 1960年頃(1950年代末〜1960年代初頭) |
| 製造 | シバスト・ムーベルファブリック(Sibast Møbelfabrik / デンマーク、1908年創業) |
| 製造国 | デンマーク |
| 生産状況 | 生産終了(ヴィンテージのみ)。ヴィンテージ市場・デザインオークションで流通 |
| サイズ | W2000mm × D500mm × H760〜850mm(W200 × D50 × H76〜85 cm)。バリエーションにより若干の差異あり |
| 主要素材(オリジナル) | ブラジリアン・ローズウッド(パリサンダー)、チーク材。無垢材およびベニヤ。ローズウッド版はCITES(ワシントン条約)証明書が必要 |
| 扉 | タンブール(蛇腹)扉。一体化された無垢材の取手。扉を開くと側面のエッジ内部に滑り込み、前面がほぼ完全に開放される |
| 内部構成 | 可動棚板、引出しトレイ、大型引出しプラットフォーム(取外し可能)。複数コンパートメントによる多用途収納 |
| 脚部 | テーパード・レッグ(先細り脚)。本体と同素材の無垢材。北欧家具特有の浮遊感を演出 |
| 背面 | 仕上げ済み。壁付けのみならず間仕切りとしても使用可能 |
| 関連モデル | Model 29A(トリエンナーレ・サイドボード、1957年ミラノ・トリエンナーレ第1位受賞)、Model 29、Model 37、Model 76(ハイボード)。いずれもヴォッダー×シバストの協働作品 |
| 参考価格帯(ヴィンテージ市場) | チーク版:約3,800〜7,500 EUR(約60万〜120万円)。ローズウッド版:約7,000〜18,000 EUR(約115万〜290万円)。コンディション・素材・来歴により大幅に変動 |
現行生産品:Sibast No 11 サイドボード
シバスト社はヴォッダー家との協働により、1957年にデザインされたサイドボードを「Sibast No 11」として復刻生産している。モデル75の姉妹モデルであるModel 29Aのコンパクト版に位置づけられるNo 11は、リバーシブル・スライディング・ドアという革新的機構を現代の素材で継承する唯一の現行生産品である。
| モデル名 | Sibast No 11 Sideboard |
|---|---|
| デザイン年 | 1957年(Model 29Aのコンパクト版。1957年ミラノ・トリエンナーレ第1位受賞シリーズ) |
| サイズ | W1520mm × D490mm × H760mm(W152 × D49 × H76 cm) |
| 素材 | オークまたはウォールナット・ベニヤ(大面積部)+無垢材(エッジ部)。ラミネート扉面 |
| 仕上げ | オイルドオーク、オイルドウォールナット、ホワイトピグメント・ラッカードオーク |
| リバーシブル・ドア | 片面:木材ベニヤ(本体と同素材)。片面:カラーラミネート(ブラック、ホワイト、イエロー、ブルーから選択) |
| 脚部 | 本体と同素材の無垢材脚、またはステンレススチール+木端部の脚から選択 |
| 内部 | 2コンパートメント。各コンパートメントに棚板1枚 |
| 背面 | ベニヤ仕上げ。フリースタンディング(間仕切り)使用可能 |
| 納期 | 受注生産。12〜16週間 |
| 参考価格帯 | 約3,995 USD〜(約65万円〜、税込目安)。素材・脚部・仕上げにより変動 |
類似商品・競合との比較
モデル75にリプロダクト品は存在しない。デニッシュ・モダンの黄金期を代表する名作サイドボード群との比較を整理する。
| 比較項目 | Model 75(ヴォッダー / シバスト) | CH825 クレデンザ(ウェグナー / カール・ハンセン&サン) | Model 232(モーエンセン / フレデリシア) |
|---|---|---|---|
| デザイン年 | 1960年頃 | 1959年(2014年復刻) | 1961年 |
| 設計思想 | 有機的造形と遊び心。リバーシブル・ドアによるユーザーとの対話。フィン・ユール譲りの彫刻的美意識 | 静謐な外観と機能的内装。ローラーシャッター扉の高度な技巧。椅子の巨匠による収納家具 | 堅実な機能主義。庶民のための美しい家具。シェーカー家具への敬意 |
| 扉の方式 | タンブール(蛇腹)扉。前面がほぼ完全に開放 | ローラーシャッター扉。二重壁内に完全収納 | 開き扉+引出し |
| 主要素材(オリジナル) | ブラジリアン・ローズウッド、チーク | パリサンダー、チーク(現行:オーク、ウォールナット) | オーク |
| 入手性 | ヴィンテージのみ(姉妹モデルSibast No 11は現行生産) | カール・ハンセン&サン現行生産品 | フレデリシア現行生産品 |
| サイズ | W200 × D50 × H76〜85 cm | W200 × D49 × H81 cm | バリエーションにより可変 |
| 参考価格帯 | ヴィンテージ:€3,800〜18,000。No 11現行:$3,995〜 | 約$15,900〜18,900(現行生産) | 構成により可変(現行生産) |
選び方の指針
- ヴォッダーの有機的造形とリバーシブル・ドアの遊び心を体験したいなら
- モデル75のヴィンテージ品が最も純粋な選択肢である。ローズウッドやチークの豊かな木目、タンブール扉の滑らかな動作、テーパード・レッグの浮遊感——1960年代のデンマーク職人が到達した木工技術の粋を、半世紀以上の時を経て手元に迎えることができる。ただしCITES規制によりローズウッド版の国際取引には証明書が必要である点に留意されたい。現行生産品としてリバーシブル・ドアの体験を新品で求める場合は、Sibast No 11が最適の選択である。
- 現行生産の高級クレデンザを確実に入手したいなら
- カール・ハンセン&サンのCH825クレデンザが候補となる。同時代のウェグナーによるこの作品は、ローラーシャッター扉という異なるアプローチで収納家具に高度な技巧を注いでおり、デンマーク家具デザインのもう一つの頂点を体現する。
- 堅実なデンマーク機能主義の収納を求めるなら
- ボーエ・モーエンセンのModel 232(フレデリシア)が適している。ヴォッダーやウェグナーとは異なるアプローチで、シェーカー家具に学んだ実直な構造美と日常使いの堅牢さを提供する。
使用感と暮らしへの取り入れ方
収納力と使い勝手
モデル75はW2000mm × D500mmという大型のフットプリントを持ち、リビングやダイニングの主役級サイドボードとしてふさわしいスケール感を備えている。タンブール扉の最大の魅力は、開放時に前面がほぼ完全に露出し、内部全体へのアクセスが極めてスムーズであること。扉は側面のエッジ内部に滑り込むため、前方への張り出しスペースを必要としない。
内部は可動棚板、引出しトレイ、大型引出しプラットフォームの組み合わせで構成され、書籍から食器、リネン類、AV機器まで多様な用途に対応する。複数のコンパートメントに分かれた構造は、物品の整理と視覚的な秩序を両立させる合理的な設計である。
現行生産のSibast No 11は、W1520mm × D490mmとモデル75より一回りコンパクトであり、現代の住環境に合わせやすいスケールを持つ。2コンパートメント構成で各棚板1枚というシンプルな内部は、必要十分な収納力を提供しつつ、ヴォッダーのリバーシブル・ドアのエッセンスを継承している。
空間別のコーディネート提案
- リビングルーム——デニッシュ・モダンの黄金期を凝縮
- ローズウッドまたはチークのモデル75をリビングの壁面に配し、フィン・ユールの45チェアやチーフテンチェア、ペリカンチェアと組み合わせるスタイル。ヴォッダーの師であるユールの有機的造形と、弟子ヴォッダーの収納家具を並置することで、コペンハーゲン王立芸術アカデミーの系譜を一つの空間に凝縮する。ポール・ヘニングセンのPH5やPHアーティチョークを照明に配し、デンマーク・デザインの巨匠たちの対話を演出する。
- ダイニングルーム——サイドボードとして
- モデル75のタンブール扉を開けば、食器やグラスへの即座のアクセスが可能。引出しトレイにはカトラリー、棚板にはテーブルリネンを収め、天板には花器やキャンドルスタンドをディスプレイする。Sibast No 11のリバーシブル・ドアであれば、来客時にはカラーラミネート面を表にしてポップなアクセントを加え、日常は木目面を表にして落ち着いた佇まいとする——空間の気分を自在に変えられるのはヴォッダーのサイドボードならではの魅力である。
- 書斎・ホームオフィス
- ヴォッダーの家具は、ホワイトハウス(ジミー・カーター大統領時代)やヴァチカン(教皇パウロ5世)、国連ジュネーヴ事務局にも納入された実績を持つ。モデル75を書斎のクレデンザとして活用し、書類・ファイル・書籍を整理。シバストのNo 8デスクチェアやヴォッダーの他のオフィス家具と組み合わせれば、1960年代のエグゼクティブ・オフィスの洗練を自宅に再現できる。
- コンテンポラリー空間——Sibast No 11のカラーを活かして
- Sibast No 11のリバーシブル・ドアは、ブラック、ホワイト、イエロー、ブルーの4色から選択可能。イエローやブルーのラミネート面をアクセントとして用いれば、白を基調としたコンテンポラリー空間にデニッシュ・モダンの遊び心を添えることができる。ステンレススチール脚を選べばよりモダンな印象に。ヘイ(HAY)やムート(Muuto)といった現代デンマークブランドの家具とも自然に調和する。
経年変化とメンテナンス
素材の特性と経年変化
- ブラジリアン・ローズウッド(ヴィンテージ)
- ローズウッドは深い赤褐色から紫がかった黒褐色まで多彩な色味を持ち、経年により色調がさらに深まり、重厚な風格を増す。オリジナルの60年以上の歳月を経た木目は、新品では得られない独特の「枯れた美しさ」を湛えている。なおローズウッドはCITES(ワシントン条約)の規制対象であり、国際取引には証明書が必要である。
- チーク材(ヴィンテージ)
- チーク材は経年により黄金色から飴色へと温かみを深める。天然の油分を含むため耐久性が高く、デンマーク家具の「育つ」素材の代名詞である。適切なケアにより数十年にわたり美観を維持する。
- オーク/ウォールナット(Sibast No 11 現行品)
- オイル仕上げのオークは蜂蜜色から琥珀色へ、ウォールナットは僅かに明るく変化する場合がある。いずれもオイルフィニッシュにより木本来の呼吸が維持され、使い込むほどに味わいが深まる。
- タンブール扉の機構(ヴィンテージ)
- 蛇腹状の薄板がレール上を滑走する精緻な機構であり、60年以上を経た個体でもスムーズな動作を維持しているものが多い。ただし乾燥や衝撃による薄板の変形、レールの摩耗が生じている場合がある。購入前に必ず動作確認を行う。
メンテナンスの方法
- ヴィンテージ品の日常メンテナンス
- 柔らかい布での乾拭きが基本。汚れが気になる場合は硬く絞った布で水拭きし、速やかに乾拭きする。洗剤や化学薬品の使用は避ける。ローズウッドは天然油分が豊富であり、オイル塗布の頻度はチーク材より少なくてよい。
- ヴィンテージ品の定期メンテナンス
- チーク材は年に1〜2回、チーク用オイル(デニッシュオイル等)を薄く塗布する。ローズウッドはアンティーク家具用のワックスまたはオイルを年1回程度。いずれも過度な塗布は木目を曇らせるため、少量を布に含ませ木目に沿って薄く伸ばす。
- タンブール扉のメンテナンス
- 扉の滑りが重くなった場合はレール部分の埃を除去し、パラフィンワックスをレールに薄く塗布する。蛇腹の薄板が浮き上がったり変形している場合は、北欧家具の修復を専門とする工房に相談する。
- Sibast No 11 現行品のメンテナンス
- シバスト社の公式ケア指示に従う。日常は少し湿った布での拭き取り(洗剤・化学薬品不使用)。徹底的な清掃には仕上げに適した木材クリーナーを使用。
どこで買うか:入手方法と購入ルート
モデル75はヴィンテージ市場でのみ入手可能であり、ヴォッダーのリバーシブル・ドアの設計思想を新品で体験するにはSibast No 11が唯一の現行生産品となる。それぞれの入手ルートを整理する。
モデル75 ヴィンテージ品の入手ルート
- デザイン専門マーケットプレイス
- 1stDibs、Pamono、VNTG、Design Market等で出品される。チーク版は約3,800〜7,500 EUR、ローズウッド版は約7,000〜18,000 EUR が目安。コンディション・素材・来歴により価格は大幅に変動する。
- 北欧ヴィンテージ専門ディーラー
- Funky Interior(ベルギー)、City Furniture(ベルギー)、Studio Alium(オランダ)等のヨーロッパを中心とした北欧ヴィンテージ家具専門ディーラーで取り扱われる場合がある。実物確認とホワイトグローブ配送に対応するディーラーを選ぶ。
- デザインオークション
- クリスティーズ、サザビーズ、フィリップス、ブルーン・ラスムッセン(コペンハーゲン)等の国際オークションで出品されることがある。特にローズウッド版は希少性が高く、コレクター需要が強い。
Sibast No 11 現行生産品の購入ルート
- シバスト社公式サイト(sibast-furniture.com)
- 製品情報、素材オプション、ディーラー検索が可能。
- 正規ディーラー
- twentytwentyone(ロンドン)、Danish Design Store(ニューヨーク)、Gestalt New York、Aram(ロンドン)、North Sea Design(オランダ)、Filter(アメリカ)、Holloways of Ludlow(イギリス)、byflou等。参考価格は約3,995 USD〜。素材・仕上げ・脚部の組み合わせにより変動するため各ディーラーに見積りを依頼する。
- ショールーム
- North Sea Design(オランダ)では常時展示あり。その他ディーラーでの展示状況は事前に確認を。木材・ラミネート・リノリウムのサンプル提供が可能なディーラーもある。
購入時チェックリスト
- 【ヴィンテージ】製造元の確認:シバスト・ムーベルファブリック(Sibast Møbelfabrik)製であること。ラベル・刻印の有無
- 【ヴィンテージ・ローズウッド版】CITES(ワシントン条約)証明書の有無。国際取引にはCITES証明が必須
- 【ヴィンテージ】タンブール扉の動作確認:開閉のスムーズさ、薄板の変形・破損・欠損の有無
- 【ヴィンテージ】木材コンディション:天板・側面のクラック、水シミ、日焼けムラ、修復歴の確認
- 【ヴィンテージ】脚部の状態:テーパード・レッグの傾斜・ぐらつき、接合部の緩みの有無
- 【No 11 現行品】素材の選択確認(オーク / ウォールナット / ホワイトピグメントオーク)
- 【No 11 現行品】リバーシブル・ドアのカラー選択(ブラック / ホワイト / イエロー / ブルー)
- 【No 11 現行品】脚部タイプの選択(無垢材 / ステンレススチール+木端部)
- 設置場所の寸法確認(Model 75:W200 × D50 cm / No 11:W152 × D49 cm)
- 搬入経路の確認(Model 75はW200cmの大型家具。エレベーター・階段・ドア幅の事前確認必須)
コーディネート事例
デニッシュ・モダンの黄金期——師弟の対話
チークまたはローズウッドのモデル75を、師フィン・ユールの45チェアまたはNV-45チェア(ハウス・オブ・フィン・ユール現行復刻)と組み合わせるスタイル。ヴォッダーのサイドボードが持つ有機的な曲線と、ユールの椅子が持つ彫刻的な木のフォルムは、コペンハーゲン王立芸術アカデミーの師弟が共有した美意識の結晶である。フランス&サン社のヴォッダー・デザインのラウンジチェア、あるいはペーター・ヴィッツのデイベッドを添え、ルイス・ポールセンのPHランプで空間を照らす。チークの温かみが支配する空間は、1960年代のコペンハーゲンのモダンなリビングルームを現代に蘇らせる。
北欧コンテンポラリー——No 11のカラーで遊ぶ
Sibast No 11のブルーまたはイエローのラミネート面を表にし、白壁のコンテンポラリー空間にポップなアクセントを配するスタイル。ステンレススチール脚を選んでモダンな印象を強め、HAYのAbout A Chairやムートのファイバーチェアと組み合わせる。現代デンマークデザインが継承するシンプルなフォルムと明快なカラーパレットの中に、1957年のトリエンナーレで世界を驚かせたリバーシブル・ドアの遊び心が息づく。来客の際に扉を裏返して木目面にすれば、瞬時にシックなトーンへと転じる——それは60年以上前のヴォッダーが使用者に託した「空間との対話」の体験そのものである。
ミッドセンチュリー・ミックス——国際モダニズムの対話
ローズウッドのモデル75を、イームズのラウンジチェア&オットマン(ハーマンミラー)、ノグチのコーヒーテーブル、ジョージ・ネルソンのバブルランプと組み合わせるスタイル。デンマークのヴォッダーとアメリカのミッドセンチュリー巨匠たちの作品は、同時代に花開いたモダニズムの異なる表現として相互に共鳴する。ローズウッドの深い木目がイームズチェアのベニヤシェルと対話し、テーパード・レッグの軽やかさがノグチテーブルの彫刻的造形と呼応する。
よくある質問
- モデル75 サイドボードの価格はどのくらいですか?
- ヴィンテージ市場での参考価格はチーク版で約3,800〜7,500 EUR(約60万〜120万円)、ローズウッド版で約7,000〜18,000 EUR(約115万〜290万円)程度です。コンディション、素材、来歴により大幅に変動します。現行生産のSibast No 11は約3,995 USD〜(約65万円〜)が参考価格です。
- 新品で購入できますか?
- モデル75そのものは生産終了品であり、ヴィンテージ市場でのみ入手可能です。ヴォッダーのリバーシブル・ドアの設計思想を新品で体験するには、シバスト社が現行生産する「Sibast No 11」が唯一の選択肢です。No 11は1957年にデザインされたModel 29Aのコンパクト版であり、リバーシブル・スライディング・ドアを現代の素材(オーク、ウォールナット、カラーラミネート)で継承しています。
- 実物を確認できる場所はありますか?
- Sibast No 11は、twentytwentyone(ロンドン)、North Sea Design(オランダ)、Aram(ロンドン)等の正規ディーラーで展示されている場合があります。展示状況は事前にお問い合わせください。木材やラミネートのサンプルを提供可能なディーラーもあります。ヴィンテージのモデル75は、ヨーロッパを中心とした北欧家具専門ディーラーのショールームで確認できる場合があります。
- リプロダクトはありますか?
- モデル75のリプロダクト品は存在しません。シバスト社がヴォッダー家との協働により復刻生産するSibast No 11が、同じデザイン哲学を継承する唯一の正規品です。
- ローズウッド版の購入時に注意すべきことは?
- ブラジリアン・ローズウッドはCITES(ワシントン条約)の規制対象樹種であり、国際取引にはCITES証明書が必要です。証明書が付帯しないローズウッド製品の輸出入は法律で禁止されています。購入前に必ずCITES証明書の有無を確認してください。
- メンテナンスは難しいですか?
- 日常メンテナンスは柔らかい布での乾拭きが基本です。チーク材は年1〜2回のオイル塗布、ローズウッドは年1回程度のワックスまたはオイルで十分な美観を維持できます。タンブール扉の滑りが重くなった場合はレール部分の埃除去とパラフィンワックスの塗布で対応できます。深刻な変形や破損がある場合は北欧家具専門の修復工房に相談してください。
- リバーシブル・ドアとは何ですか?
- ヴォッダーが1957年のサイドボードシリーズで導入した革新的な機構です。スライディング・ドアの表裏に異なる素材を配し(片面は木材ベニヤ、片面はカラーラミネートや対照的な木材)、使用者が扉を裏返すことでサイドボードの外観を自在に変化させることができます。空間の気分やインテリアの変更に応じて表情を切り替えられるこの仕組みは、使用者との対話を家具デザインに取り込んだ先駆的な試みとして高く評価されています。
- 他に検討すべきデンマーク・モダンのサイドボードはありますか?
- ヴォッダーの他のシバスト作品として、Model 29A(トリエンナーレ受賞モデル)やModel 37も名作として知られます。同時代のデンマーク巨匠の作品では、ウェグナーのCH825クレデンザ(カール・ハンセン&サン)、モーエンセンのキャビネットシリーズ(フレデリシア)、グレーテ・ヤルクのModel 41クレデンザ等が候補です。詳しくは収納家具カテゴリページをご覧ください。