このページについて
バユは、ジャン・プルーヴェが1951年に設計した収納である。折り曲げた金属板と、菱形の突起が並ぶ扉による。当初の製作は少数にとどまり、2014年の復刻も限定生産で終了している。中古でのみ入手できる。
このページでは、当初の製作と復刻の違い、中古で確かめる箇所、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ジャン・プルーヴェの設計思想や経歴について詳しくはジャン・プルーヴェ プロフィールページをご覧ください。
バユのデザインストーリーについて詳しくはバユ紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
バユは、ジャン・プルーヴェが1951年に設計したサイドボードである。マクセヴィルの「アトリエ・ジャン・プルーヴェ」で少数が製造されたオリジナルと、2014年にヴィトラがG-Star RAWとの限定コラボレーションで復刻した「Prouvé RAW Office Edition」の2つの系譜がある。以下は仕様を整理したものである。
| 正式名称 | バユ |
|---|---|
| オリジナル製造 | 設計者自身の工房で製作された。少数の生産にとどまる |
| 復刻版製造 | 2014年にヴィトラが権利者の協力のもと復刻した。限定生産で、2016年末に販売を終えている |
| 生産状況 | 限定生産は終了している。現行のカタログには含まれない。中古でのみ入手できる |
| サイズ | 幅1,600 × 奥行450 × 高さ1,005mm(標準の仕様)。復刻では幅2,000 × 奥行490 × 高さ1,000mmの個体も確認される |
| フレーム・本体 | 折り曲げたアルミニウムの板と鋼板。塗装による仕上げ |
| 扉 | 菱形の突起が並ぶ鋼板。吊り込む方式による |
| 取手 | オークの無垢材。復刻では色の異なる仕様もある |
| 内部 | 棚板による区画。書籍や食器などの収納に対応する |
| カラー | 塗装による。当初の製作、復刻ともに個体によって異なる |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じ設計者の他の作品では、MoMA がスタンダード チェア(455.2008)ほかを収蔵している |
| 価格 | 限定生産は終了しており、価格は中古の市場で決まる。当初の製作か復刻か、状態によって幅がある。一定していない |
当初の製作と復刻の違い
当初の製作は設計者自身の工房によるもので、数は限られる。2014年の復刻はヴィトラが権利者の協力のもと製作したが、限定生産で2016年末に販売を終えている。
| 比較項目 | 当初の製作 | 復刻 |
|---|---|---|
| 製作 | 設計者の工房 | ヴィトラ |
| 数 | 少数 | 限定生産 |
| 寸法 | 幅1,600mm | 幅2,000mmの個体も確認される |
| 表示 | 個体による | 限定生産を示す表示が付く |
| 取手 | オークの無垢材 | 色の異なる仕様もある |
いずれも生産は終了しており、中古でのみ入手できる。どちらの個体かは表示と寸法で判別することになる。
選び分けの目安
- 設置場所の寸法が決まっている場合
- 幅1,600mmと2,000mmの個体がある。収まる寸法を確かめる。
- どちらの個体かを確かめる場合
- 復刻には限定生産を示す表示が付く。寸法もあわせて確認する。
- 状態を重視する場合
- 当初の製作は1951年から、復刻は2014年から。経過した年数が大きく異なる。
中古で確かめる箇所
いずれの個体も生産は終了している。状態の確認が購入の判断に関わる。
| 箇所 | 確かめること |
|---|---|
| 塗装した面 | 擦れ、剥がれ、錆。折り曲げた角の部分から傷みが進む |
| 扉の突起 | 潰れ、擦れ。突起の凹凸に埃が溜まっていないか |
| 扉の吊り込み | 開閉の動き、外れ。吊り込む方式のため取り付け部を確認する |
| 木の取手 | 割れ、色の変化。金属の面との対比が変わっている場合がある |
| 内部 | 棚板が揃っているか、錆、匂い |
| 表示 | 復刻を示す表示の有無 |
塗装の補修は専門の作業による。折り曲げた形状のため、部分的な塗り直しでは色が揃わない場合がある。
選び分けの目安
- 状態を重視する場合
- 塗装の補修では色が揃わない場合がある。費用と仕上がりを事前に確認する。
- 使用を前提とする場合
- 扉の吊り込みの状態を確かめる。部品の入手は難しい。
- 搬入を考える場合
- 幅1,600mmまたは2,000mm。金属を用いるため重量もある。
同じ設計者の他の製品との比較
同じ設計者の製品でも、現行品か生産終了品かで入手の条件が異なる。
| 比較項目 | バユ | ゲリドン | モデル75 サイドボード |
|---|---|---|---|
| 入手 | 中古のみ | 注文できる | 中古のみ(現行の後継品がある) |
| 主要素材 | 金属板と木の取手 | 無垢材と鋼 | ローズウッドまたはチーク材 |
| 仕様の選択 | 流通する個体による | 寸法と樹種を選べる | 流通する個体による |
| 補修 | 塗装は色が揃わない場合がある | 取扱店を通じて相談できる | 突板と溝の摩耗 |
| 部品 | 入手は難しい | 取扱店に確認できる | 入手は難しい |
選び分けの目安
- 仕様を指定したい場合
- この製品は流通する個体から選ぶ。現行品とは条件が異なる。
- 長く使う前提の場合
- 部品の入手は難しい。補修の手段を事前に調べる。
- 金属の質感を求める場合
- 折り曲げた金属板と突起の並ぶ扉による。木を主とする製品とは異なる。
使用感と設置条件
寸法と搬入
幅1,600mmまたは2,000mm、奥行450〜490mm、高さ1,000〜1,005mm。個体によって異なる。
搬入経路が通るかを実測する。金属を用いるため重量もある。
扉の突起
菱形の突起が並ぶ。手で触れると凹凸を感じる。
突起の凹凸に埃が溜まる。柔らかい刷毛で払うことになる。
金属と木の対比
本体は金属、取手は木による。素材が異なるため、経年での変化も分かれる。
木の取手は日光で色が変わる。金属の面とのあいだで対比が変わる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
塗装した金属は擦れると下地が現れる。そこから錆が進む。折り曲げた角の部分から傷みやすい。
扉の突起は手が触れる箇所にあたる。塗装が薄くなりやすい。
木の取手は日光で色が変わる。乾燥すると割れる場合がある。
吊り込む方式の扉は、繰り返しの開閉で取り付け部が緩む。
日常の手入れ
- 塗装した面
- 柔らかい布で拭く。研磨剤は塗装を削る。
- 扉の突起
- 柔らかい刷毛で凹凸の埃を払う。
- 木の取手
- 乾いた布で拭く。直射日光を避ける。
- 水分
- 残さない。塗装が傷んだ箇所から錆が進む。
補修
塗装の補修は専門の作業による。折り曲げた形状のため、部分的な塗り直しでは色が揃わない場合がある。
部品の入手は難しい。棚板や扉が欠けている場合、代替の手段を検討することになる。
どこで買うか
入手の経路
いずれの個体も生産は終了しており、中古の市場でのみ流通する。20世紀の家具を扱う販売店と、競売による。
価格は当初の製作か復刻か、状態によって幅がある。一定していない。
実物を確認する
扉の突起の凹凸は、光の当たり方によって見え方が変わる。現物で確かめられるとよい。
塗装の状態と扉の吊り込みも、実物で確認する。
購入前の確認
設置場所の寸法と搬入経路を実測する。幅1,600mmと2,000mmの個体がある。
塗装の補修に対応できる業者と、その費用を事前に調べておく。
購入前チェックリスト
- 生産が終了しており、中古でのみ入手できること
- 当初の製作か復刻か(表示と寸法で判別する)
- 設置場所の寸法(幅1,600mmまたは2,000mm)と搬入経路
- 塗装の擦れと剥がれ(折り曲げた角から傷みやすい)
- 扉の突起の潰れと吊り込みの状態
- 木の取手の割れ
- 棚板が揃っているか
- 補修に対応できる業者と費用
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 限定生産は終了しており、価格は中古の市場で決まります。当初の製作か復刻か、状態によって幅があり一定していません。
- どこで購入できますか?
- いずれの個体も生産は終了しており、中古の市場でのみ流通します。20世紀の家具を扱う販売店と、競売によります。
- 新品は買えますか?
- 買えません。当初の製作は設計者自身の工房によるもので数は限られ、2014年の復刻も限定生産で2016年末に販売を終えています。現行のカタログには含まれません。
- 当初の製作と復刻はどう違いますか?
- 当初の製作は設計者の工房によるもので幅1,600mm、復刻はヴィトラによるもので幅2,000mmの個体も確認されます。復刻には限定生産を示す表示が付き、取手に色の異なる仕様もあります。どちらの個体かは表示と寸法で判別することになります。
- 寸法を教えてください。
- 幅1,600mmまたは2,000mm、奥行450〜490mm、高さ1,000〜1,005mmで、個体によって異なります。搬入経路が通るかもご確認ください。金属を用いるため重量もあります。
- 中古で何を確かめればよいですか?
- 塗装の擦れと剥がれ、扉の突起の潰れ、扉の吊り込みの状態、木の取手の割れ、棚板が揃っているか、復刻を示す表示の有無をご確認ください。折り曲げた角の部分から傷みが進みます。
- 傷んだら直せますか?
- 塗装の補修は専門の作業によります。折り曲げた形状のため、部分的な塗り直しでは色が揃わない場合があります。費用と仕上がりを事前にご確認ください。部品の入手は難しく、破損した場合は代替の手段を検討することになります。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 塗装した面は柔らかい布で拭いてください。研磨剤は塗装を削ります。扉の突起は柔らかい刷毛で凹凸の埃を払ってください。木の取手は乾いた布で拭き、直射日光を避けてください。水分を残すと塗装が傷んだ箇所から錆が進みます。