このページについて
チューリップチェアは、エーロ・サーリネンが1957年に発表した椅子である。ノルが製造する。中央の1本の脚が座面を支える。回転する型と固定される型がある。
このページでは、1本の脚と設置、回転の有無と型、張地の選択、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
エーロ・サーリネンの設計思想や経歴について詳しくはエーロ・サーリネン プロフィールページをご覧ください。
チューリップチェアのデザインストーリーについて詳しくはチューリップチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
チューリップチェアの正規品はKnoll社が独占的に製造している。シェルはガラス繊維強化プラスチック(FRP)で一体成型され、ベースはアルミニウムダイキャスト製にリルサン(Rilsan)塗装を施したもので構成される。サーリネンは当初、椅子全体を単一素材で成型することを理想としたが、当時の技術では脚部に必要な強度を樹脂素材のみで確保できず、アルミニウムを採用した。この異なる2素材のデザイン的融合がチューリップチェアの技術的達成でもある。バリエーションとして、アームレスチェア(サイドチェア)、アームチェア、スツールの3タイプがあり、それぞれ回転式(スイベル)と固定式(スタティック)から選択可能である。張地はシートクッションのみ、またはインナーシェル全体+シートクッションのフルアップホルスターから選べる。
| 正式名称 | チューリップチェア |
|---|---|
| 製造ブランド | ノル |
| シェル | ガラス繊維で強化した樹脂。一体で成形する |
| 脚 | 鋳造したアルミニウム。塗装の仕上げによる |
| サイズ(肘掛けなし) | 肘掛けのない型は幅490〜510 × 奥行530〜540 × 高さ810mm。座面の高さ470〜490mm |
| サイズ(肘掛けあり) | 肘掛けのある型は幅660〜680 × 奥行590〜600 × 高さ810mm。座面の高さ460mm、肘掛けの高さ660mm |
| 回転の有無 | 回転する型と固定される型から選ぶ |
| 張地 | 2つの仕様から選ぶ。座布団のみの仕様と、シェルの内側全体を張る仕様がある。布と革から選ぶ |
| 色 | シェルと脚の色を選ぶ。取り扱いは取扱店に確認する |
| 収蔵 | 本製品の美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない |
| 価格 | ノルは公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。型と張地の仕様で価格が変わる |
| 真正性の証 | ベース裏面にKnollロゴおよびエーロ・サーリネンのサイン刻印 |
1本の脚と設置
中央の1本の脚が座面を支える。4本脚の椅子とは構成が異なる。
そのため、脚が床に触れる箇所が1点にあたる。荷重が集まる。
脚の底面は円形による。座面より小さい。
机の下に収める際は、底面の直径と机の脚との干渉を確かめる。
選び分けの目安
- 床材を確かめる場合
- 荷重が1点に集まる。保護材の要否を確かめる。
- 机と組み合わせる場合
- 底面の直径と机の脚との干渉を確かめる。
- 置き場所を決める場合
- 肘掛けの有無で幅が大きく変わる。
回転の有無と型
回転する型と固定される型から選ぶ。
| 比較項目 | 肘掛けのない型 | 肘掛けのある型 |
|---|---|---|
| 幅 | 490〜510mm | 660〜680mm |
| 奥行 | 530〜540mm | 590〜600mm |
| 座面の高さ | 470〜490mm | 460mm |
肘掛けの有無で幅が170mm前後異なる。複数を並べる場合はとくに関わる。
回転する型では机への出入りが変わる。固定される型とは使い勝手が異なる。
選び分けの目安
- 机と組み合わせる場合
- 回転する型では出入りが変わる。座面の高さも型によって異なる。
- 置き場所を決める場合
- 肘掛けの有無で幅が170mm前後異なる。
- 座り方を考える場合
- 肘掛けのある型では高さ660mm。机の下に収まるかを確かめる。
張地の選択
張地は2つの仕様から選ぶ。座布団のみの仕様と、シェルの内側全体を張る仕様がある。
座布団のみの仕様ではシェルの表面が見える。全体を張る仕様では覆われる。
そのため、見え方と座り心地が変わる。手入れの条件も分かれる。
布と革から選ぶ。選べる範囲は取扱店に確認する。
選び分けの目安
- 見え方で選ぶ場合
- 座布団のみか全体を張るかでシェルの見え方が変わる。
- 座り心地で選ぶ場合
- 全体を張る仕様では背中も張地に触れる。
- 手入れの手間を考える場合
- 仕様によって条件が分かれる。取扱店に確認する。
同じ製造元・同種の製品との比較
製品は脚の構成と張地の扱いで性格が分かれる。
| 比較項目 | チューリップチェア | チューリップテーブル | ベルトイア ダイヤモンドチェア |
|---|---|---|---|
| 用途 | 椅子 | 机 | 椅子 |
| 脚 | 中央の1本 | 中央の1本 | 鋼の棒の台 |
| 座面・天板 | 成形した樹脂 | 化粧板/木/石材 | 鋼の棒の格子 |
| 張地 | 2つの仕様から選ぶ | 該当しない | 3つの仕様から選ぶ |
| 回転 | 型による | 該当しない | 該当しない |
選び分けの目安
- 組み合わせる場合
- 同じ設計者の机がある。脚の構成が共通する。
- 床材を確かめる場合
- 荷重が1点に集まる。台で接する椅子とは条件が異なる。
- 座り心地で選ぶ場合
- 張地の仕様を2つから選べる。
使用感と設置条件
シェルの形状
座面と背もたれが一体になる。曲面が連続する。
成形した樹脂による。表面は塗装の仕上げにあたる。
座り心地
座布団が載る。全体を張る仕様では背中も張地に触れる。
座面の高さは型によって460〜490mm。机の高さを確かめる。
床との関係
脚の底面が床に接する。荷重が1点に集まる。
床材によっては跡が残る。保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
シェルの塗装は擦れると下地が現れる。縁の箇所で生じやすい。
樹脂は日光で色が変わる。とくに淡い色で現れやすい。
張地は日光で色褪せる。革では乾燥も進む。
回転する型では機構が繰り返し動く。動きを確かめる。
日常の手入れ
- シェル
- 柔らかい布で拭く。研磨剤は塗装を削る。
- 張地
- 素材に応じて手入れする。方法を取扱店に確認する。
- 脚の底面
- 床に接する箇所にあたる。摩耗と床材への影響を確かめる。
- 回転する機構
- 動きを定期的に確かめる。型による。
修理と部品
張地の交換と塗装の補修については、取扱店を通じて相談する。
回転する機構の対応もあわせて確認する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ノルは公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
型、回転の有無、張地の仕様を決めてから注文する。納期も確かめる。
実物を確認する
回転する型の動きは、実物で確かめられるとよい。
張地の仕様による見え方の違いも現物で分かる。
中古の流通
製造の時期によって仕様が異なる場合がある。年式を確かめる。
確認箇所は、シェルの塗装と色の変化、張地の状態、脚の底面、回転する機構である。
購入前チェックリスト
- 中央の1本の脚で支えること(荷重が1点に集まる)
- 型の選択(肘掛けの有無で幅が170mm前後異なる)
- 回転の有無
- 座面の高さ(型によって460〜490mm)
- 張地の仕様(座布団のみ/全体を張る)
- 机の脚との干渉
- 床材への影響(保護材の要否)
- シェルと脚の色
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ノルは公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。型と張地の仕様で価格が変わります。
- どこで購入できますか?
- ノルの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 脚が1本で安定しますか?
- 中央の1本の脚が座面を支え、荷重が1点に集まります。床材への影響をお確かめください。机の下に収める際は底面の直径と机の脚との干渉もご確認ください。
- 回転しますか?
- 回転する型と固定される型から選べます。回転する型では机への出入りが変わり、固定される型とは使い勝手が異なります。
- どのような型がありますか?
- 肘掛けのない型は幅490〜510mm、座面の高さ470〜490mm、肘掛けのある型は幅660〜680mm、座面の高さ460mmです。幅が170mm前後異なります。
- 張地は選べますか?
- 座布団のみの仕様と、シェルの内側全体を張る仕様の2つから選べます。座布団のみではシェルの表面が見え、全体を張る仕様では覆われます。
- 手入れはどうすればよいですか?
- シェルは柔らかい布で拭き、研磨剤は塗装を削ります。張地は素材に応じて手入れしてください。回転する型では機構の動きも定期的にお確かめください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- 本製品の収蔵は確認できていません。