このページについて
パパベアチェアは、ハンス・J・ウェグナーが1951年に設計した椅子である。PPモブラーが製造する。詰め物に天然の素材を用いる。枠の樹種と、肘掛けの先端の樹種を別に選べる。
このページでは、天然の素材による詰め物、樹種と張地の選択、寸法と設置、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ハンス・J・ウェグナーの設計思想や経歴について詳しくはハンス・J・ウェグナー プロフィールページをご覧ください。
パパベアチェアのデザインストーリーについて詳しくはパパベアチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
パパベアチェアの現行正規品は、デンマーク・アラローに拠点を置くPP Møbler(PPモブラー)が独占的に製造する完全受注生産品である。フレームはソリッドウッド(無垢材)で構成され、背もたれには麻布ストラップに縫い付けられたコイルスプリングがしなやかなサポートを提供する。張り地の内部には、綿繊維、パーム繊維、亜麻繊維、馬毛という4種の天然素材が層状に重ねられ、座面クッションにのみフォームが使用される。背もたれの人間工学的な形状はボタン締めの調整によって慎重に仕上げられる。この伝統的な張り地技法により、合成フォームでは得られない「使い込むほどに柔らかく馴染む」特性が実現される。前方に大きく張り出したカンチレバー式のアームレスト先端には「爪(paws / nails)」と呼ばれる木材の装飾が施され、構造的役割と触覚的・視覚的アクセントを兼ねている。
| 正式名称 | パパベアチェア |
|---|---|
| 製造ブランド | PPモブラー。当初は別の製造元によるものであった |
| フレーム素材 | 無垢材 |
| 木材選択 | 4種の樹種から選ぶ |
| 仕上げ | 石鹸とオイルによる。樹種によって選べる仕上げが異なる |
| 肘掛けの先端 | 肘掛けの先端は別の部材による。4種の樹種から選ぶ。枠と異なる樹種も選べる |
| 内部の構造 | 背もたれはばねと帯による。詰め物は馬の毛と綿の繊維、植物の繊維による。座面の座布団はフォームによる |
| 張り地 | 布と革から選ぶ。縁取りと留めのボタンは別に指定できる |
| サイズ | 幅900 × 奥行950 × 高さ1,010mm。座面の高さ420mm、肘掛けの高さ650mm |
| 収蔵 | 本製品の美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない |
| 価格 | PPモブラーは公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。樹種、仕上げ、張地で価格が変わる |
| オプション | 足を置く台が別売で用意される |
| 納期 | 受注生産。納期は取扱店に確認する |
天然の素材による詰め物
詰め物は馬の毛、綿の繊維、植物の繊維による。背もたれはばねと帯で支える。
合成のフォームを主に用いる椅子とは、座った際の沈み方が異なる。
新品では硬い感触にあたる。使用によって詰め物が身体の形に沿う。
座面の座布団はフォームによる。詰め物と素材が異なる。
選び分けの目安
- 座り心地で選ぶ場合
- 天然の素材による。合成のフォームとは沈み方が異なる。実物で確かめられるとよい。
- 経年での変化を想定する場合
- 新品では硬い感触にあたる。使用によって変わる。
- 手入れの手間を考える場合
- 天然の素材による。方法を取扱店に確認する。
樹種と張地の選択
枠は4種の樹種から選ぶ。仕上げは石鹸とオイルによる。樹種によって選べる仕上げが異なる。
肘掛けの先端は別の部材による。4種の樹種から選び、枠と異なる樹種も選べる。
張地は布と革から選ぶ。縁取りと留めのボタンも別に指定できる。
組み合わせの数が多い。希望する組み合わせを取扱店に相談する。
選び分けの目安
- 見え方で選ぶ場合
- 肘掛けの先端を枠と別の樹種にできる。対比が生じる。
- 手入れの手間を考える場合
- 石鹸とオイルの仕上げは定期的な手入れを要する。
- 組み合わせを決める場合
- 数が多い。取扱店に相談する。
寸法と設置
幅900 × 奥行950 × 高さ1,010mm。奥行が950mmある。
背もたれが高く、左右に張り出す形状による。壁に寄せる場合、形状を確かめる。
座面の高さは420mm、肘掛けの高さは650mm。
足を置く台が別売で用意される。組み合わせる場合、前方の空間も想定する。
選び分けの目安
- 置き場所を決める場合
- 奥行950mm。背もたれが高い。設置場所を実測する。
- 足を置く台を組み合わせる場合
- 別売にあたる。前方の空間も想定する。
- 搬入を考える場合
- 幅900mmが通る経路を確かめる。
同種の椅子との比較
椅子は詰め物の素材と選択の範囲で性格が分かれる。
| 比較項目 | パパベアチェア | スパニッシュチェア | パシャ ラウンジチェア |
|---|---|---|---|
| 詰め物 | 馬の毛と植物の繊維 | 持たない(革を張る) | 高密度のフォーム |
| 座面の高さ | 420mm | 330mm | 370mm |
| 背もたれ | 高く左右に張り出す | 低い | 低い |
| 樹種 | 4種(先端は別に選べる) | 2種 | 該当しない |
| 奥行 | 950mm | 600mm | 850mm |
選び分けの目安
- 座り心地で選ぶ場合
- 天然の素材による詰め物。フォームや革を張る椅子とは異なる。
- 置き場所を確かめる場合
- 奥行950mm。他の製品より大きい。
- 頭を預けたい場合
- 背もたれが高く左右に張り出す。低い背もたれの製品とは異なる。
使用感と設置条件
背もたれの形状
背もたれが高く、左右に張り出す。頭と首を預けられる。
留めのボタンで形状が保たれる。ボタンの位置に凹みが生じる。
肘掛けの先端
肘掛けの先端は別の部材による。枠と異なる樹種を選べる。
木の面が露出する。手が触れる箇所にあたる。
床との関係
脚は木のため、床に接する箇所も木による。床材によっては傷が付く。
保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
天然の素材による詰め物は、使用によって身体の形に沿う。沈み方が変わる。
布の張地は日光で色褪せる。革の張地は使用によって色と質感が変わる。
無垢材の枠は日光で色が変わる。石鹸とオイルの仕上げではとくに進む。
留めのボタンの周囲は張地が引かれる。摩耗が生じる場合がある。
日常の手入れ
- 布の張地
- 埃を払う。生地によって手入れの方法が異なる。取扱店に確認する。
- 革の張地
- 乾いた柔らかい布で拭く。水分をすぐに拭き取る。
- 枠と肘掛けの先端
- 乾いた布で拭く。石鹸とオイルの仕上げでは定期的な手入れを要する。
- 詰め物
- 手入れの方法を取扱店に確認する。天然の素材による。
修理と部品
張地の交換と詰め物の補修については、取扱店を通じて相談する。
天然の素材を用いるため、作業の内容も確かめる。
どこで買うか
取扱店の調べ方
PPモブラーは公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
受注生産にあたる。樹種、仕上げ、張地を決めてから製作される。納期を確かめる。
実物を確認する
天然の素材による詰め物の座り心地は、実際に座って確かめられるとよい。
肘掛けの先端を枠と別の樹種にした場合の見え方も現物で分かる。
中古の流通
当初は別の製造元によるものであった。年式を確かめる。
確認箇所は、張地の状態、詰め物の沈み、留めのボタンの周囲、枠と肘掛けの先端、脚の状態である。
購入前チェックリスト
- 天然の素材による詰め物(新品では硬い感触)
- 樹種と仕上げの組み合わせ
- 肘掛けの先端を枠と別の樹種にできること
- 張地と縁取り、留めのボタンの指定
- 置き場所(奥行950mm。背もたれが高い)
- 足を置く台が別売であること
- 木の脚が床に接すること
- 受注生産の納期
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- PPモブラーは公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。樹種、仕上げ、張地で価格が変わります。
- どこで購入できますか?
- PPモブラーの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。受注生産にあたるため納期もお確かめください。
- 座り心地はどうですか?
- 詰め物は馬の毛、綿の繊維、植物の繊維によるもので、合成のフォームを主に用いる椅子とは沈み方が異なります。新品では硬い感触にあたり、使用によって詰め物が身体の形に沿います。実物でお確かめください。
- 樹種は選べますか?
- 枠は4種の樹種から選べ、仕上げは石鹸とオイルによります。樹種によって選べる仕上げが異なります。
- 肘掛けの先端は何ですか?
- 別の部材によるもので、4種の樹種から選べます。枠と異なる樹種も選べるため、対比が生じます。木の面が露出し、手が触れる箇所にあたります。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 幅900×奥行950×高さ1,010mmで、座面の高さは420mm、肘掛けの高さは650mmです。奥行が950mmあり背もたれが高く左右に張り出すため、設置場所を実測してください。
- 足を置く台はありますか?
- 別売で用意されます。組み合わせる場合は前方の空間も想定してください。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 布の張地は埃を払い、生地によって手入れの方法が異なるため取扱店にご確認ください。革の張地は乾いた柔らかい布で拭いてください。枠と肘掛けの先端は乾いた布で拭き、石鹸とオイルの仕上げでは定期的な手入れを要します。