モデル45チェアは、デンマークの建築家フィン・ユールが1945年に発表したアームチェアである。同年秋、コペンハーゲンで開かれた家具職人ギルド展覧会で公開され、座面と背もたれを木製フレームから切り離した構成が注目を集めた。無垢材のフレームの上に張り地部分が浮かぶように配された姿は、それまでの肘掛け椅子にはない軽やかさを備えている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションにも収蔵され、デンマーク・モダンを代表する椅子のひとつとして知られる。

構造とデザイン

この椅子の構成上の要点は、「支える部分」と「支えられる部分」を視覚的に分けた点にある。無垢材のフレームと座面のあいだに生まれる空間が、全体に浮遊感と軽さを与えている。もっとも、座面のフレームは構造上はフレームと一体になっており、両者が分離して見えるのは緻密な設計による視覚的な効果である。細く見えるアーム上部が背もたれを支えているように映るが、実際には背もたれがアーム後端を受け止める構造になっている。

フィン・ユールは、同時代の多くの設計者がスチールパイプによる骨組み状の構造を用いたのに対し、無垢材を選んで有機的な曲線をもつ造形を追求した。アームレストは人の腕を受け止めるように成形され、後方へわずかに傾いた座面と緩やかに湾曲した背もたれが着座時の姿勢を支える。座面の下には細い斜めの補強材が渡され、構造の強度と端正な外観を両立させている。

フレームはオーク材またはウォールナット材、張り地はファブリックまたはレザーから選択できる。オリジナルはチーク材を用いて製作されていた。

基本情報

デザイナー フィン・ユール(Finn Juhl)
デザイン年 1945年
オリジナル製造 ニールス・ヴォッダー(Niels Vodder)
現行メーカー House of Finn Juhl(旧Onecollection)
生産国 デンマーク
フレーム素材 オーク材またはウォールナット材
張地 ファブリックまたはレザー
寸法 幅66.5cm × 奥行73cm × 高さ88cm × 座面高42cm