概要

Juicy Salif は、フィリップ・スタルクが設計しアレッシィが1990年に発売したレモンスクイーザーである。

高さ約29cm、アルミニウムの鋳造による。3本の脚で立ち、下にグラスを置いて使う。

デザインの特徴とコンセプト

本体は先端が尖った円錐形で、そこから3本の脚が下方へ伸びる。従来のスクイーザーは受け皿と一体で、絞った果汁を器に移す必要がある。脚で本体を持ち上げれば、下にグラスを直接置ける。

アルミニウム鋳造による一体成型で、表面は鏡面に研磨される。粗い面では果汁が留まるが、研磨された面なら流れ落ちる。

半分に切った柑橘を先端に押し当てて回すと、果汁が本体の溝を伝って下のグラスへ落ちる。溝は先端から裾へ放射状に配され、果汁の経路を定める。

受け皿を持たないため、種や果肉を濾す機能はない。果汁の飛散を防ぐ構造も持たない。器具としての機能は受け皿付きのものに劣る。

誕生の経緯

1988年、スタルクがイタリア滞在中に描いたスケッチが出発点とされる。当初はトレイの設計を依頼されていたが、提出された案はスクイーザーであった。このスケッチはアレッシィが保管している。

評価と影響

受け皿を持たない構成は、器具としての機能を減らす一方で、絞る動作から注ぐ動作への移行をなくしている。同じアレッシィのアンナ G. コルクスクリューカストル ペンシルシャープナーも、機構と外形の対応を主題とする。

2000年には金めっきを施した限定版が10,000個製造された。金は酸に反応するため、この仕様は使用を前提としない。2015年にはセラミックコーティング版と鋳造ブロンズの限定版が製作されている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、Met=メトロポリタン美術館、V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、AIC=シカゴ美術館)。MoMAは1988年の設計として登録している。

  • MoMA ジューシーサリフ レモンスクイーザー(1988年) 収蔵番号 48.2000.1-2
  • Met 「ジューシーサリフ」レモンスクイーザー(1990年) 収蔵番号 2001.523
  • V&A ジューシーサリフ(1990年) 収蔵番号 M.22-2016
  • AIC ジューシーサリフ ジューサー(1990年) 収蔵番号 2016.411

基本情報

製品名 Juicy Salif(ジューシーサリフ)
カテゴリー レモンスクイーザー / シトラススクイーザー
デザイナー Philippe Starck(フィリップ・スタルク)
メーカー Alessi S.p.A.(アレッシィ)
デザイン年 1988-1990年
発売年 1990年
素材 アルミニウム鋳造(鏡面仕上げ)
サイズ 直径14cm × 高さ29cm
重量 約400g
製造国 ベトナム(設計・開発・品質管理はイタリア)
主な収蔵美術館 ニューヨーク近代美術館(収蔵番号48.2000.1-2)、メトロポリタン美術館(収蔵番号2001.523)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(収蔵番号M.22-2016)、シカゴ美術館(収蔵番号2016.411)