概要
ファーバーカステル ポリクロモスは、ドイツの筆記具メーカーFaber-Castell社が1908年に発表した油性色鉛筆のシリーズである。「ポリクロモス」という名称はギリシャ語で「多くの色」を意味し、その名の通り120色という豊富なカラーバリエーションを揃える。油性の芯を用いる。
特徴・コンセプト
色鉛筆の芯はワックスを結合材とするものが主流である。ワックスは重ね塗りを続けると表面へ浮き出し、白い曇り(ワックスブルーム)が生じる。油性の芯ではこの現象が起きにくく、層を重ねても発色が変わらない。
高い耐光性
顔料は光にさらされると分解して退色する。ポリクロモスは耐光性の等級が公表されており、120色のうち100色以上が最高評価にあたる。描いた作品を長く保つ場合、この差が現れる。
高濃度顔料と滑らかな描き心地
芯には顔料が高濃度で配合される。含有量が少なければ発色を得るのに何度も重ねる必要があるが、濃度が高ければ一筆で色が乗る。芯径は3.8mmで、削り方によって広い面と細い線の両方に対応する。
SV接着技術と木軸
芯と木軸は全長にわたって接着される。接着が部分的だと、削った際に芯だけが軸から抜けたり、落下の衝撃で内部が折れたりする。全長で固定すれば、芯が軸と一体で荷重を受ける。木軸にはシダー材を用いる。
多彩な技法への対応
油性の芯は溶剤で溶かして混色できる。乾燥後は耐水性を持つため、水を用いる画材と併用しても溶け出さない。120色は同社の他の画材と共通の色番号体系に含まれる。
評価と影響
結合材をワックスから油に替えることで、重ね塗りの挙動が変わる。削って使うという構成は変えずに、芯の配合だけを扱っている点はブラックウィング 602とも共通する。
4館の公開データでは、ポリクロモスの収蔵は確認できていない。
ファーバーカステルの歴史や他の製品について詳しくはファーバーカステルブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | Polychromos / ポリクロモス |
|---|---|
| メーカー | Faber-Castell(ドイツ) |
| 発売年 | 1908年 |
| カラー展開 | 全120色(単色販売あり) |
| 芯の種類 | 油性 |
| 芯径 | 3.8mm |
| 軸材・形状 | シダー材/丸軸 |
| 特徴 | 高耐光性(100色以上が最高評価)、SV接着技術、高濃度・アシッドフリー顔料、耐水性 |