Faber-Castell(ファーバーカステル)
Faber-Castellは、ドイツ・バイエルン州シュタイン(ニュルンベルク近郊)に拠点を置く筆記具メーカーである。1761年、指物師Kaspar Faberが鉛筆の製造を始めたことに起源を持つ。四代目のLothar von Faberが19世紀に鉛筆の寸法と硬度の等級を定め、これが業界の基準となった。1898年にCastell伯爵家との婚姻を経て現在の社名となり、以後も創業家による経営が続いている。
事業と製造の実体
Faber-Castellの製品を規定しているのは、芯の配合と木軸の加工である。鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混ぜて焼成したもので、両者の比率が硬度を決める。粘土の比率を上げれば硬く薄い線に、黒鉛の比率を上げれば軟らかく濃い線になる。この関係を等級として体系化したのがLothar von Faberの仕事にあたる。
木軸には、割れにくく削りやすい性質の材が求められる。同社はブラジルに植林地を持ち、そこで育てた材を鉛筆の軸に用いている。軸の断面を六角形とするのは、転がりを防ぐことと、指の当たる面を確保することの双方による。
色鉛筆では、顔料と結合剤の配合が発色と定着を決める。ファーバーカステル ポリクロモスは油性の結合剤を用いる系統で、水彩系の色鉛筆と異なり水に溶けず、重ね塗りによる混色に対応する。芯を軸に接着する工程では、芯の折れを防ぐために接着の方法が調整される。
製品は鉛筆、色鉛筆、万年筆、消耗品に及ぶ。高価格帯の筆記具はGraf von Faber-Castellの名称で扱われる。
沿革
創業と等級の制定
1761年、指物師のKaspar Faberがニュルンベルク近郊のシュタインで鉛筆の製造を始めた。事業は家族に引き継がれ、四代目のLothar von Faber(1817年〜1896年)の代に規模が拡大する。
Lothar von Faberは、それまで統一されていなかった鉛筆の寸法と硬度の等級を定めた。硬度をHとBの記号と数字で示す体系がこれにあたり、後に業界の基準として広く用いられるようになる。また、製品に社名を刻印する方式を導入した。
Castell家との結合
1898年、Lothar von Faberの孫娘Ottilieが Alexander zu Castell-Rüdenhausen伯爵と結婚した。これにより社名がFaber-Castellとなり、以後は伯爵家が経営に関わっている。
1905年にはCastell 9000の名称で製図用の鉛筆が発表された。緑色の軸を特徴とし、現在も同じ名称で生産が続いている。
現在
同社はブラジルに植林地を持ち、鉛筆の軸に用いる材を自ら育てる体制を採る。製品は世界各国で販売され、経営は創業家の第八世代以降に引き継がれている。
デザイナーとの協働
Faber-Castellの製品開発は、外部の設計者へ委嘱するのではなく、社内で芯の配合と軸の加工を検討する構成が中心にあたる。筆記具の性能が素材の配合に依存するため、設計と製造が分離しにくい点がこの体制の理由になる。
高価格帯の筆記具では、外装と部材の設計に外部の設計者が関わる場合がある。
主な製品群
ファーバーカステル ポリクロモスは油性の色鉛筆の系統である。水に溶けない結合剤を用い、重ね塗りによる混色に対応する。多数の色が用意される。
このほか、1905年発表の製図用鉛筆Castell 9000、鉛筆、万年筆、消耗品を扱う。高価格帯の筆記具はGraf von Faber-Castellの名称で展開される。
基本情報
| ブランド名 | Faber-Castell(ファーバーカステル) |
|---|---|
| 創業 | 1761年 |
| 創業者 | Kaspar Faber |
| 社名の由来 | 1898年のFaber家とCastell-Rüdenhausen伯爵家の婚姻による |
| 本社所在地 | ドイツ・バイエルン州シュタイン(ニュルンベルク近郊) |
| 事業内容 | 鉛筆・色鉛筆・万年筆などの筆記具の製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.faber-castell.com |
Reference
- Faber-Castell - 公式サイト
- https://www.faber-castell.com
- Wikipedia - Faber-Castell
- https://en.wikipedia.org/wiki/Faber-Castell