人には自然とつながろうとする生来の傾向があるという考えにもとづき、植物、自然光、水、自然の形や素材を建物や室内に取り入れる設計の考え方。
バイオフィリックデザイン
バイオフィリックデザインとは、人には生き物や自然とつながろうとする生来の傾向があるという「バイオフィリア」の考え方にもとづき、植物、自然光、水、風、自然の形や素材などを建物や室内に取り入れる設計の考え方のこと。
解説
バイオフィリアの語は、精神分析家エーリッヒ・フロムが1960年代に用い、生物学者エドワード・O・ウィルソンが1984年の著書『バイオフィリア』で、進化の過程で獲得された傾向として論じた。これを建築やインテリアに応用する枠組みを整えたのが、スティーヴン・R・ケラートらによる2008年の論集『Biophilic Design』である。
実務で広く参照されているのが、米国のコンサルティング会社テラピン・ブライト・グリーンが2014年にまとめた報告書『14 Patterns of Biophilic Design』である。そこでは、植物や水、自然光など自然そのものを空間に置く「空間のなかの自然」、自然を思わせる形や素材を使う「自然の類似物」、見晴らしと隠れ家、神秘性などの空間構成に関わる「空間の性質」の3つの分類のもとに、14のパターンが整理されている。
根拠として頻繁に引かれるのが、ロジャー・ウルリッヒが1984年に発表した、窓から木々が見える病室の患者は回復が早かったという研究である。インテリアでは、鉢植えや壁面緑化だけでなく、窓からの眺めの確保、木や石など自然素材の使用、光の移ろいを感じられる窓の配置も、この考え方に含まれる。
Reference
- 14 Patterns of Biophilic Design(Terrapin Bright Green, 2014)
- https://www.terrapinbrightgreen.com/wp-content/uploads/2014/04/14-Patterns-of-Biophilic-Design-Terrapin-2014e.pdf
- 14 Patterns of Biophilic Design(American Planning Association Knowledgebase)
- https://www.planning.org/knowledgebase/resource/9256829