概要

ランドルフ・ショット(1974年生まれ)は、ドイツのデザイナーである。家具職人の訓練を受けたのちプロダクトデザインを学び、2006年から2017年までトーネットの製品開発部門に在籍した。同社の曲げ木と鋼管の生産設備を前提として設計を行う立場にあり、住宅で使う机「S 1200」がその例にあたる。

バイオグラフィー

1974年、ドイツのトルガウに生まれた。家具職人の訓練を受けている。

その後プロダクトデザインを学び、家具の設計に携わるようになった。

2006年、トーネットの製品開発部門に加わった。同社は19世紀からの曲げ木と、1920年代からの鋼管の生産設備を持つ。

2017年まで同部門に在籍し、複数の製品を設計した。以後も家具の設計を続けている。

デザインの思想と方法

トーネットは、曲げ木と鋼管という二つの生産設備を長期にわたり維持してきた。社内の設計者は、この設備で作れる範囲から製品を構想することになる。新しい工法を導入するのではなく、既存の設備で何が作れるかを問い直す立場にある。

既存の設備の範囲で設計する

曲げ木には曲率の限界があり、鋼管も曲げられる半径が決まっている。この範囲を把握したうえで構成を決めれば、金型や治具への追加投資を要さない。生産数が限られる製品では、この条件が実現の可否を分ける。

住宅で使う机として寸法を決める

S 1200は、住宅の一角に置く机である。事務用の机より小さく、書類を広げるより画面と手元があれば足りるという前提をとる。奥行きと高さがこの想定から決まっている。

収納を最小限にする

引き出しを多く設ければ机は大きくなる。必要な物だけを収める浅い収納にとどめることで、全体の寸法が抑えられる。住宅では机が占める面積そのものが条件になる。

家具職人の訓練を前提とする

木工の訓練を受けているため、加工の手順と接合の可否を把握したうえで設計できる。工場の側の制約を理解している立場にあたる。

代表作にみる方法

S 1200 デスク(トーネット)

住宅の一角に置くことを想定した机である。鋼管の脚に天板を載せ、浅い収納を組み合わせる。事務用の机より寸法を抑え、必要な物だけを収める構成をとる。同社の既存の鋼管の設備で作れる範囲に収まっている。→S 1200 デスク

トーネットのための家具(2006-2017年)

製品開発部門に在籍した期間に、椅子、卓、収納を設計した。いずれも曲げ木または鋼管の既存の設備を前提としている。

独立後の設計

2017年以降も家具の設計を続けている。

評価と影響

ショットは、メーカーの製品開発部門に所属する設計者として言及される。外部の設計者を起用する形式とは異なり、社内の設備と製品構成を把握したうえで設計する立場にあたる。

トーネットは19世紀からの曲げ木の設備を維持しており、その範囲で新しい製品を作り続けることが同社の条件になっている。ショットの仕事はこの枠組みの内側にある。

S 1200は、住宅で使う机という用途から寸法を決めた例として扱われる。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
2006-2017年 家具 トーネットのための椅子・卓・収納 Thonet
2010年代 デスク S 1200 デスク Thonet
2017年〜 家具 独立後の設計 各社

プロフィール

生年 1974年
出身地 ドイツ・トルガウ
国籍 ドイツ
活動拠点 ドイツ
分野 家具
主な協働ブランド Thonet

Reference