このページについて
ファセテッド・フロント・キャビネットは、ポール・エヴァンスが1970年代に手がけた収納である。生産は終了しており、現在は中古でのみ入手できる。個体ごとに寸法と仕様が異なる。
このページでは、中古でのみ入手できること、個体ごとの違いの確かめ方、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ポール・エヴァンスの設計思想や経歴について詳しくはポール・エヴァンス プロフィールページをご覧ください。
ファセテッド・フロント・キャビネットのデザインストーリーについて詳しくはファセテッド・フロント・キャビネット紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ファセテッド・フロント・キャビネットは、エヴァンスのスタジオで一点ずつ手作業で製作されたスタジオ作品である。モデル番号、サイズ、素材構成、内部配置は個体ごとに異なる。以下は代表的な仕様の概要である。
| 正式名称 | ファセテッド・フロント・キャビネット |
|---|---|
| 製造 | ポール・エヴァンス・スタジオが製作し、ディレクショナル社を通じて販売された |
| 生産状況 | 生産は終了している。新規の製造はない。中古でのみ入手できる |
| 代表的モデル | 複数の型がある。2枚扉の仕様、壁に取り付ける仕様、大型の仕様など |
| サイズ(代表的範囲) | 型によって異なる。高さ580〜820mm、幅1,520〜2,390mm、奥行610〜640mm程度。個体により異なる |
| 外装(ファセテッド面) | めっきしたスチール。角度の異なる面を切り出して溶接し、研磨する |
| その他の外装素材 | 瘤のある木の突板、研磨したスチール、化粧板など。型によって異なる |
| 天板 | 樹脂、ガラス、塗装、木の突板など。型によって異なる |
| 内部 | 塗装または化粧板による。棚板は可動する。扉は2枚または4枚。個体により異なる |
| 署名 | 署名の入った板が底面や側面に付く |
| シティスケープI(PE 200)との決定的な違い | PE 200(シティスケープI)は矩形パネルの平面的パッチワーク。PE 300(シティスケープII / ファセテッド)は多面体パネルによる三次元的な凹凸面。ファセテッドは建築ファサードのような立体的陰影を生み出す点で根本的に異なる |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない |
| 価格 | 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まる。型、寸法、署名の有無、状態によって幅がある。一定していない |
中古でのみ入手できること
生産は終了している。新規の製造はなく、中古でのみ入手できる。
そのため、寸法や仕様を指定して注文することはできない。流通している個体から選ぶことになる。
型によって寸法が大きく異なる。壁に取り付ける仕様では幅2,390mmに及ぶものもある。設置場所に収まる個体を探すことになる。
いつ、どの型が流通するかは決まらない。希望する型がある場合、時間をかけて探すことになる。
選び分けの目安
- 設置場所の寸法が決まっている場合
- 型によって寸法が大きく異なる。収まる個体を探すことになる。
- 特定の型を求める場合
- 流通の時期は決まらない。時間をかけて探すことになる。
- 仕様を指定したい場合
- 注文による製作はできない。流通している個体から選ぶ。
個体ごとの違いの確かめ方
製作の時期と型によって、外装の素材、天板、内部の仕上げ、扉の枚数が異なる。
同じ型でも個体によって仕様が異なる場合がある。写真だけでなく、実物の寸法と仕様を確かめる。
署名の入った板が底面や側面に付く。位置は個体によって異なる。
製作から数十年を経ているため、状態も個体ごとに異なる。次の項で挙げる箇所を確かめる。
選び分けの目安
- 仕様を確かめる場合
- 同じ型でも個体によって異なる。実物の寸法と仕様を確認する。
- 署名を確かめる場合
- 底面や側面に板が付く。位置は個体によって異なる。
- 状態を確かめる場合
- 製作から数十年を経ている。めっきの状態と扉の動きを確認する。
中古で確かめる箇所
製作から数十年を経ているため、状態の確認が購入の判断に関わる。
| 箇所 | 確かめること |
|---|---|
| めっきした面 | 曇り、剥がれ、錆。角度の異なる面が多く、傷が目立ちやすい |
| 溶接した箇所 | 割れ、外れ。面と面の継ぎ目を確認する |
| 扉と棚板 | 開閉の動き、蝶番の緩み、棚板が揃っているか |
| 天板 | 素材によって異なる。ガラスの欠け、塗装の剥がれ、木の突板の浮き |
| 内部 | 塗装または化粧板の状態、匂い |
| 署名 | 板の有無と位置 |
めっきの補修は専門の作業による。事前に対応の可否と費用を調べておく。
選び分けの目安
- 状態を重視する場合
- めっきの曇りと剥がれは補修に専門の作業を要する。費用を事前に調べる。
- 使用を前提とする場合
- 扉の開閉と棚板の有無を確かめる。部品の入手は難しい。
- 搬入を考える場合
- 幅1,520mmから2,390mmに及ぶ。経路が通るかを実測する。
使用感と設置条件
寸法と搬入
型によって幅1,520mmから2,390mmまで幅がある。奥行は610mmから640mm程度。
搬入経路が通るかを実測する。金属を用いるため重量もある。
壁に取り付ける仕様では、壁の下地の位置と種別を確かめる。
めっきした面
角度の異なる面が組み合わさる。光の当たり方によって見え方が変わる。
面が多いため、指紋と傷が目立ちやすい。
内部
棚板は可動する。扉は2枚または4枚。個体によって異なる。
棚板が揃っているかを確かめる。部品の入手は難しい。
経年変化とメンテナンス
素材に起きること
めっきした面は湿気の多い環境で曇る。剥がれた箇所からは錆が進む。
木の突板を用いる仕様では、日光で色が変わる。接着が弱まると浮く。
塗装した内部は、経年で変色する場合がある。
蝶番は繰り返しの開閉で緩む。部品の入手は難しい。
日常の手入れ
- めっきした面
- 柔らかい布で拭く。研磨剤は表面を傷める。面の角度に沿って拭く。
- 水分
- 残さない。剥がれた箇所から錆が進む。
- 木の部分
- 乾いた布で拭く。直射日光を避ける。
- 可動する部分
- 無理に動かさない。緩みを確かめる。
補修
めっきの補修は専門の作業による。対応できる業者を事前に調べておく。
部品の入手は難しい。破損した場合、代替の手段を検討することになる。
どこで買うか
入手の経路
生産は終了しており、中古の市場でのみ流通する。20世紀の家具を扱う販売店と、競売による。
価格は型、寸法、署名の有無、状態によって幅がある。一定していない。
実物を確認する
同じ型でも個体によって仕様が異なる。写真だけでなく、実物の寸法と仕様を確かめる。
めっきした面の状態は、光の当たり方によって見え方が変わる。実物で確認する。
購入前の確認
設置場所の寸法と搬入経路を実測する。型によって幅が大きく異なる。
めっきの補修に対応できる業者と、その費用を事前に調べておく。
購入前チェックリスト
- 生産が終了しており、中古でのみ入手できること
- 設置場所の寸法(型によって幅1,520〜2,390mm)
- 搬入経路(金属を用いるため重量もある)
- めっきした面の曇り、剥がれ、錆
- 溶接した箇所の割れと外れ
- 扉の開閉と棚板が揃っているか
- 署名の板の有無
- めっきの補修に対応できる業者と費用
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 生産は終了しており、価格は中古の市場で決まります。型、寸法、署名の有無、状態によって幅があり一定していません。
- どこで購入できますか?
- 生産は終了しており、中古の市場でのみ流通します。20世紀の家具を扱う販売店と、競売によります。
- 新品は買えますか?
- 買えません。新規の製造はなく、中古でのみ入手できます。寸法や仕様を指定して注文することもできず、流通している個体から選ぶことになります。
- 寸法を教えてください。
- 型によって大きく異なり、高さ580〜820mm、幅1,520〜2,390mm、奥行610〜640mm程度です。壁に取り付ける仕様では幅2,390mmに及ぶものもあります。設置場所に収まる個体を探すことになります。
- 同じ型なら仕様は同じですか?
- 同じ型でも個体によって仕様が異なる場合があります。製作の時期と型によって外装の素材、天板、内部の仕上げ、扉の枚数が異なるため、写真だけでなく実物の寸法と仕様をお確かめください。
- 中古で何を確かめればよいですか?
- めっきした面の曇りと剥がれ、溶接した箇所の割れ、扉の開閉と蝶番の緩み、棚板が揃っているか、天板の状態、署名の板の有無をご確認ください。製作から数十年を経ているため状態は個体ごとに異なります。
- 傷んだら直せますか?
- めっきの補修は専門の作業によります。対応できる業者と費用を事前にお調べください。部品の入手は難しく、破損した場合は代替の手段を検討することになります。
- 手入れはどうすればよいですか?
- めっきした面は柔らかい布で面の角度に沿って拭いてください。研磨剤は表面を傷めます。角度の異なる面が多いため指紋と傷が目立ちやすくなります。水分を残すと剥がれた箇所から錆が進みます。