概要

スポークバックソファは、ボーエ・モーエンセンが1945年に設計したソファである。英国の伝統的なノールセティを下敷きに、片側のアームレストを革のストラップで倒せるようにした。1945年のコペンハーゲン家具職人組合展で発表されたが、生産が始まったのは1963年である。フレデリシアが型番1789として製造している。

特徴・コンセプト

倒せるアームレスト

片側のアームレストは、革のストラップで背もたれとつながっている。ストラップを緩めればアームレストが外側へ倒れ、座面がそのまま延長される。ソファとして人と向き合う姿勢と、脚を伸ばして横になる姿勢を、部材を追加せずに切り替えられる。全長は160cmだが、片側を倒すと約197cmまで伸びる。

この可変の仕組みは、17世紀の英国で使われたノールセティに由来する。当時は紐で両端を留めていた形式を、モーエンセンは革のストラップに置き換え、住宅の寸法に合わせて作り直した。

構造を見せる

フレームの無垢材は覆われず、接合部がそのまま見える。座面はジュートを織った面で、クッションは置かれているだけで縫い付けられていない。留め方も外から見えるストラップによる。どの部材がどう組まれているかが、外から読み取れる状態になっている。

クッションが取り外せることは、扱いの面でも働く。汚れた面だけを張り替えられ、詰め物がへたっても本体はそのまま使える。

エピソード

1945年の家具職人組合展で、モーエンセンはハンス・J・ウェグナーとともに「未来の住まい」と題した展示を行い、その中心にこのソファを置いた。ただし構造を露出させた見え方は当時受け入れられず、量産には至らなかった。フレデリシアが生産を始めたのは18年後の1963年である。

評価と影響

歴史上の形式を調べ、現在の生活に合わない部分だけを改めるという進め方は、モーエンセンの師であるコーア・クリントから受け継いだものである。同じ姿勢はサファリチェアにも見られる。現在も生産が続いており、フレームはビーチ材またはオーク材、張地はファブリックまたはレザーから選べる。

基本情報

名称 スポークバックソファ / Spoke-Back Sofa
デザイナー ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)
ブランド フレデリシア(Fredericia)
発表年 1945年(生産開始 1963年)
デザインの成立国 デンマーク
型番 1789
分類 ソファ/デイベッド
主要素材 無垢材フレーム(ビーチまたはオーク)、ジュート織りの座面、HRフォームのクッション、ファブリックまたはレザー、革のストラップ
サイズ 幅160cm(片側を倒すと約197cm)× 奥行76.5cm × 高さ86cm、座面高40cm
機構 革ストラップによる可変式アームレスト

Reference