概要

イームズ ハングイットオールは、1953年にチャールズ&レイ・イームズがデザインした壁掛けのコートラックである。スチールワイヤーのフレームに、色を塗り分けた木製ボールを取り付ける。

特徴・コンセプト

フレームには、夫妻が椅子やテーブルの脚のために用いたワイヤー溶接の技法が使われる。細い線材を溶接して立体を組めば、板で構成するより軽く、壁面から張り出す部分も薄く収まる。ボールは線材の交点に取り付けられ、支持と機能が同じ位置で処理される。

構造とフック

大小あわせて14個の木製ボールが取り付けられる。通常のフックは先端が曲がっており、掛けたものが落ちない代わりに引っ掛けにくい。球であれば向きがないため、どの方向からでも掛けられる。ボールにはメープル材を用い、ラッカーで仕上げる。全体の耐荷重は約23kgとされる。

子ども部屋から暮らし全体へ

もとは子ども部屋のための製品として企画された。ボールの位置が高さの異なる段に分かれるため、掛けるものの大きさに応じて使い分けられる。低い段は子どもの手が届く高さにあたる。

評価と影響

オリジナルはティグレット・エンタープライズが製造・販売し、同社の撤退後に一時生産が途絶えた。1994年にハーマンミラーが再生産を開始し、現在はハーマンミラーとヴィトラが生産を続けている。木球をガラス球に置き換えた仕様もある。

同じイームズ夫妻によるイームズ エレファントも子ども向けの製品として企画された。イームズ デスクユニットは規格部材の組み合わせによる。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。同館の記録では素材はエナメル塗装のスチールとラッカー塗装の木材とされる。

  • MoMA ハングイットオール(1953年) 収蔵番号 1260.2018

基本情報

デザイナー チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)
デザイン年 1953年
メーカー ハーマンミラー(Herman Miller)/ ヴィトラ(Vitra)
オリジナル製造 ティグレット・エンタープライズ社(Tigrett Enterprises)
素材 スチールワイヤー(塗装仕上げ)、メープル材(ラッカー塗装)
サイズ 幅495mm × 高さ368mm × 奥行165mm(現行ハーマンミラー仕様)
フック数 14個(大8個・小6個)
カテゴリー 壁掛けコートラック / ウォールハンガー