ニューハウンデスクの概要
ニューハウンデスクは、1945年にデンマークの建築家・家具デザイナーであるフィン・ユールがデザインした作業用デスクである。ユールがコペンハーゲン中心部のニューハウン通り33番地に最初のデザインスタジオを開いた際、自身の仕事場のために生み出された。磨き上げたスチール脚という当時としては新しいディテールを採り入れており、この特徴はその後1950年代のユールの家具へと受け継がれていく。1957年にスタジオをソルヴゲード通り38番地へ移したあとも、同じ机が使われ続けた。デスク本体は2009年にHouse of Finn Juhl(ハウス・オブ・フィン・ユール)によって再発売されている。
視覚的な軽さ
ニューハウンデスクの特徴は、その視覚的な軽さにある。細身のスチール脚はほとんど目立たないほど繊細でありながら、天板を支える強度を備える。脚先の木製の「つま先(トー)」が床に接することで、全体が宙に浮いているような印象を生む。スチール脚を用いることで、木製脚では難しい細いプロポーションが可能になり、デスクという大きな家具でありながら圧迫感の少ない佇まいを実現している。
アメリカン・モダニズムからの着想
ニューハウンデスクのデザインにあたり、フィン・ユールはアメリカの同時代デザイナー、とりわけチャールズ・イームズの簡潔でモダンなラインに着想を得たとされる。ペリカンチェアやチーフテンチェアに見られる彫刻的な作風とは異なり、より抑制された機能的な形を採りながらも、ユールらしい優雅さとディテールへの配慮が保たれている。これは、彼の彫刻的な作風が排他的だという批評への、控えめな応答とも受け取られている。
色彩とトレイユニット
スチールフレームは、バーニッシュ(磨き)仕上げのほか、ブラック、オレンジ、ライトブルーの塗装仕上げが選べる(なお幅136cmのモデルはバーニッシュスチールには対応しない)。オレンジとブルーはフィン・ユールのパレットを特徴づける色で、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの暖色・寒色の理論への関心を反映している。
1953年には、3杯の引き出しを持つトレイユニットが追加された。控えめな金属ブラケットでデスク下に吊り下げられ、本体の浮遊感をいっそう引き立てる。暖色系・寒色系の2つのカラーパレットが用意され、好みや空間に合わせて選べる。トレイユニットは2012年にHouse of Finn Juhlによって再発売された。
基本情報
| デザイナー | フィン・ユール(Finn Juhl) |
|---|---|
| ブランド | House of Finn Juhl(ハウス・オブ・フィン・ユール) |
| デザイン年 | 1945年(デスク本体)、1953年(トレイユニット) |
| 再発売年 | 2009年(デスク本体)、2012年(トレイユニット) |
| 製造国 | デンマーク |
| サイズ展開 | FJ 5369:幅136cm×奥行68cm×高さ72.5cm FJ 5380:幅170cm×奥行85cm×高さ72.5cm FJ 5381:幅190cm×奥行85cm×高さ72.5cm トレイユニット FJ 5385:幅43cm×奥行51cm×高さ26cm |
| 天板 | チーク/オーク/ウォルナット/オレゴンパインの突板、またはリノリウム(ブラック/マッシュルーム)、つま先は天板に合わせた木製 |
| フレーム | バーニッシュスチール、または塗装(ブラック/オレンジ/ライトブルー) |
| オプション | トレイユニット(3杯引き出し、暖色系/寒色系) |