モデル142 ブックケース(FJパネルシステム)は、フィン・ユールが1953年に設計した壁掛け式のパネル・シェルビングシステムである。壁面に木製パネルを取り付け、そこに棚板と引き戸付きキャビネットを自由な位置で掛けていく構造をとる。オリジナルはデンマークの家具メーカー、ボヴィルケ社が製造した。現在はOnecollection(ハウス・オブ・フィン・ユール)が、デンマーク・リングコービンの自社工房で生産している。

特徴・コンセプト

このシステムは、壁そのものを収納として機能させる。パネルは高さ200cm、幅78cm、厚み4cmで、スタートパネルとランニングパネルを横に連ねることで、単体からひと壁分まで自由に規模を決められる。パネルの背面素材にはテキスタイルやレザーを選ぶこともできる。

モジュール構造

棚板は奥行22cm、28cm、45cmの3種類があり、最も深い45cmの棚板は小さなデスクとしても使える。引き戸付きキャビネットは2サイズが用意される。棚もキャビネットも独立して位置を変えられるため、蔵書が増えたり用途が変わったりしたときに、壁ごと組み替えることなく対応できる。樹種と色を混ぜて構成できる点も、このシステムの自由度を高めている。

スチール構造の採用

1950年代、フィン・ユールはボヴィルケ社のために、より工業的な生産に適した家具を手がけた。この一連の仕事では、簡素なスチール構造をフレームとし、その上に木製の天板やキャビネットを載せる手法が用いられている。パネルシステムの棚受けに焼き入れスチールが使われているのも、この時期の作法に沿ったものである。

評価

Onecollectionは、発表から60年を経た段階でこのパネルシステムを復刻した。可変性の高い収納という現在の要求に、当時の設計がそのまま応えられると判断したためである。住宅のリビングや書斎のほか、ホテルやオフィスの内装にも用いられている。

基本情報

デザイナー フィン・ユール(Finn Juhl)
デザイン年 1953年
ブランド Onecollection(House of Finn Juhl)
オリジナル製造 ボヴィルケ(Bovirke)
生産国 デンマーク
素材(パネル・棚板) チーク、ウォールナット、オーク、アッシュ、オレゴンパイン突板、または塗装仕上げ
素材(キャビネット本体) チーク、ウォールナット、オーク、オレゴンパイン突板
素材(引き戸) ホワイト/イエロー、ホワイト/ライトブルー、または突板
素材(棚受け) 焼き入れスチール
寸法(スタートパネル) W78/80cm × D4cm × H200cm
寸法(ランニングパネル) W78/79cm × D4cm × H200cm
寸法(棚板) W78cm × D22/28/45cm × H1.9cm
寸法(キャビネット) W157cm × D45cm × H30.7cm