概要

エドワード・ワームリーのソファは、ダンバー・ファニチャーのために設計された一群である。ワームリーは1931年から30年以上にわたり同社の設計を統括した。金属を主要な構造材とせず、木のフレームと伝統的な工芸の技法を組み合わせる構成をとる。

特徴・コンセプト

木で構造をつくる

同時代のアメリカでは、スチールパイプや成形合板を用いる設計が広がっていた。ワームリーはこれらを構造の主材とせず、マホガニーウォールナット、ローズウッドといった広葉樹でフレームを組んだ。木は金属より断面を大きく取る必要があるが、仕口の見え方や表面の仕上げで性格を変えられる。

ラタン編み、引き戸(タンバードア)、編み込みの木材といった技法が併用される。いずれも工業生産では置き換えにくく、職人の手を要する工程にあたる。

会話の向きを決める

1957年のヤヌス・コレクションに含まれるモデル6329は、座面をV字に折った角度を持つ。直線のソファでは並んで座る人どうしが正面を向くが、角度をつければ身体が自然に向き合う。座面の平面形が、座る人の向きを決めている。

テタテ・ソファも同じ主題を扱う。名称はフランス語で二人きりの語らいを指し、二人が向かい合う配置をとる。脚部のマホガニーには真鍮のキャップが付く。

低く、長くとる

1950年代のパーティー・ソファ(モデル5407)は、全長が100インチに達する一方、座面高は14.5インチと低い。幅の広い肘掛けは物を置く面を兼ねる。立ち座りを繰り返す用途ではなく、長く座る場に合わせた寸法にあたる。

エピソード

1948年のリッスン・トゥ・ミー・シェーズは、ロココ様式の曲線を下敷きにしている。装飾を削ぎ、輪郭の曲線だけを残す扱いである。ヤヌス・コレクションにはアーツ・アンド・クラフツ運動からの影響も指摘され、陶芸家オットー&ガートルード・ナツラーとの協働によるタイル装飾のテーブルが含まれた。

ワームリーの作品は、1950年から1955年にかけてニューヨーク近代美術館とシカゴのマーチャンダイズ・マートが共催した「グッドデザイン」展に複数回選ばれている。

評価と影響

ワームリーは1962年にエルシー・デ・ウルフ賞、1978年と1982年にアメリカインテリアデザイナー協会の賞、1986年にアメリカ家具デザイナー協会の賞を受けている。

同じダンバーのサイドボード モデル5465も、木のフレームに工芸の技法を組み合わせる構成をとる。

収蔵

ワームリーの家具では、以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、AIC=シカゴ美術館)。ソファ自体の美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。

  • MoMA アームチェア(1946年) 収蔵番号 125.1952
  • MoMA テーブル(1951年頃) 収蔵番号 138.1955
  • AIC ベンチ(1945〜55年) 収蔵番号 2000.14

基本情報

名称 エドワード・ワームリー ソファ / Edward Wormley Sofa
デザイナー エドワード・ワームリー(Edward Wormley)
ブランド ダンバー・ファニチャー(Dunbar Furniture)
設計期間 1931年〜1960年代後半(ダンバーでの在任期間)
デザインの成立国 アメリカ
分類 ソファ
主要素材 マホガニー、ウォールナット、ローズウッド、ファブリックまたはレザー
構造 木のフレーム。ラタン編み、引き戸、編み込み木材などの技法を併用
主なモデル ヤヌス コレクション(モデル6329)、テタテ ソファ、パーティー ソファ(モデル5407)、リッスン・トゥ・ミー シェーズ
受賞 1962年 エルシー・デ・ウルフ賞ほか

Reference

Armchair | MoMA
https://www.moma.org/collection/works/3956
Bench | The Art Institute of Chicago
https://www.artic.edu/artworks/2000.14