概要
Courierデスクは、ロナン・ブルレックが設計しヴィトラが2025年に発表したデスクである。薄い木の天板と金属の脚で構成され、背面に一段高い棚を備える。
コンセプトと哲学
デスクに求められるのは、物を置く面とそれを支える構造である。引き出しや幕板を設ければ天板の下に体積が生じる。天板と脚だけで構成すれば、下は空いたまま残る。
住空間に置く前提で構想されている。執務用の机は収納を備えて奥行が大きくなるが、収納を持たなければ奥行を抑えられる。
デザインの系譜と名称の由来
名称は同名の書体による。側面から見た脚と天板の関係が、文字の輪郭に似た形をとる。
脚は垂直に立たず、角度を持って交わる。垂直の脚では接地点が天板の真下に来るが、傾ければ接地の間隔が広がり、横方向の力に対して倒れにくくなる。薄い合板の天板に対し、鋳造アルミニウムの脚は断面が大きい。
素材と構造
天板は合板にオーク材の突板を貼ったもので、ダークオーク(ラッカー仕上げ)とナチュラルオーク(オイル仕上げ)が選べる。使用されるオーク材(Quercus robur)は西欧およびポーランド産である。ベースはダイキャスト(鋳造)アルミニウムに粉体塗装を施したもので、わずかなテクスチャーのある表面に仕上げられている。
構造上の特徴は、段差のある天板構成にある。手前の作業面(奥行約50.5cm)はラップトップや書類を広げるのに適し、その奥に一段高い棚が設けられている。この棚はモニターや書籍を置く場所として機能し、手前の作業スペースを塞がずに整理できる。全体としてコンパクトなフットプリントにまとめられている。
設置と構成
収納を持たないため、天板の下が空いたまま残る。脚のあいだに椅子を寄せる位置を選ばない。
部材は天板、棚、脚に限られる。点数が少ないため、分解して素材ごとに分けられる。
評価と影響
天板と脚だけで構成する方向は、同じブルレック兄弟によるカーリデスクが斜材で剛性を得るのに対し、脚の角度そのもので安定を得ている。収納を持たない点はニューハウンデスクやEMテーブルとも共通する。
2025年に発表された。Courierデスクの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
ロナン・ブルレックの設計思想や経歴について詳しくはロナン・ブルレックプロフィールページをご覧ください。
ヴィトラの歴史や他の製品について詳しくはヴィトラブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | Ronan Bouroullec(ロナン・ブルレック) |
|---|---|
| ブランド | Vitra(ヴィトラ) |
| 発表年 | 2025年 |
| 分類 | デスク |
| 素材 | 天板:合板+オーク突板 ベース:ダイキャストアルミニウム・粉体塗装 |
| 寸法 | 幅120cm × 奥行72.5cm × 高さ89.5cm (天板高74.5cm、背面棚高89.5cm、作業面奥行約50.5cm) |
| カラーバリエーション | 天板:ナチュラルオーク(オイル)、ダークオーク(ラッカー) ベース:ディープブラック、ダークボルドー、チョーク |
| 参考価格 | 約2,635ドル(Vitra公式・米国市場、税込目安) |
| 特記事項 | Jean ProuvéのCompas Direction(1953年)やCourier書体を想起させるデザイン |