ビューロー・プレジダンス(Bureau Présidence)は、ジャン・プルーヴェが1948年に設計した重役用デスクである。当初は「ビューロー・アリコ(Haricot=隠元豆)」あるいは「H」と呼ばれた。
最初の一台はブリュッセルの郵便振替局長のために、ほどなくもう一台がナンシーのフェレンバル社社長ビンシェドラー氏のためにつくられた。この2台をもとに展開された型が、のちに「建築家と大経営者の机」と称されるようになる。
特徴・コンセプト
個人の執務机であると同時に、三人から六人の会議卓としても使える寸法をとる。広く張り出した袖は、書類を広げる場にも、秘書が一時的に座る場にもなる。
湾曲した天板
天板はL字に湾曲する。当初は無垢材、のちに突板(多くはオーク)で、しばしばガラス板が載せられた。天板に埋め込まれたペン皿のほか、他の机と同じく塗装鋼板の収納ユニットも用意された。
非対称の脚部
脚部は折り曲げ鋼板による非対称の構成で、幅の異なる2つの門型を貫が結ぶ。天板の幅が場所によって変わるため、それに応じて門型の大きさも変えられている。
背景
1950年代、この机はパリや地方の建築家たちの事務所に置かれた。ゼルフュス、ジャン・ド・マイイ、ジャン・スバッグ、アンドレ・ルモンデ、ルイ・サンソーリューら、プルーヴェの友人や協働者が名を連ねる。産業界にも納入され、イソワールのSCAL社長が用いた一台はパリの装飾美術館に収蔵されている。
1956年以降はギャラリー・ステフ・シモンが販売と製造を引き受けた。1965年12月の価格表にはなお掲載されており、1970年代初頭まで散発的に売られていたが、20年ほどの流通期間を通じて仕様に大きな変更はなかった。製作台数はおそらく30台程度にとどまる。
評価
プルーヴェの家具のなかでも現存数が少なく、オークションでは他の机より高値で扱われる。ヴィトラは2017年、G-Starとの共同企画として限定的に製作したが、恒常的な復刻品は存在しない。
マクセヴィルの自室でプルーヴェ自身が使っていたビューロー・スタンダードも、のちにこの机へと置き換えられている。
基本情報
| デザイナー | ジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé) |
|---|---|
| デザイン年 | 1948年 |
| 製造元 | アトリエ・ジャン・プルーヴェ(Ateliers Jean Prouvé) 1956年以降:ギャラリー・ステフ・シモン |
| 型番 | Présidence n° 201(当初の名称:Haricot/H) |
| 素材 | 脚部:折り曲げ鋼板 天板:無垢材のち突板(主にオーク)、ガラス板を載せる例あり |
| サイズ | 個体により異なる |
| 製作台数 | およそ30台と推定される |
| 生産国 | フランス |
| 収蔵 | 装飾美術館(パリ)/SCAL社長使用の個体 |
| 分類 | デスク |