概要
ベルトイア アウトドア ダイヤモンド チェアは、ハリー・ベルトイアが1952年に発表したベルトイア ダイヤモンドチェアの屋外仕様である。溶接したスチールロッドの格子という構成はそのままに、ナイロンを溶着した被膜を施すことで屋外での使用に対応させている。製造はノル。
特徴・コンセプト
屋外に耐える被膜
屋外仕様の要点は、フレームと座面バスケットに施される表面処理にある。ナイロンを加熱して金属に溶着させる方式で、塗装よりも厚い層が得られる。傷や欠け、薬品への耐性を持つため、雨や日射にさらされる場所でも劣化が進みにくい。接続部品にはステンレススチールが用いられ、塩分や湿気による腐食を抑える。海沿いやプールサイドにも置ける。
色はホワイトとブラックの2色である。屋内仕様がクロームやサテンクロームなど金属の地肌を見せるのに対し、屋外仕様は被膜の色がそのまま外観になる。
格子が空気と水を通す
菱形の目を並べた格子は、屋外では別の意味を持つ。雨が降っても水が溜まらず、風も抜ける。座面に水が残らないため乾きが早く、風を受けても倒れにくい。屋内で軽い見え方をつくっていた構成が、屋外では耐候性の条件と噛み合っている。
クッションとグライド
座面クッションには屋外用のビニール素材が用いられ、スナップで固定される。クッションを外せば格子がそのまま現れる。脚の先には床面を保護するプラスチックのグライドが付く。
エピソード
1950年、フローレンス・ノールとハンス・ノールは、クランブルック・アカデミー時代からの旧友であったベルトイアを、ペンシルベニアのノルの生産施設に招き、金属工房を設けた。家具の設計を求めるのではなく、何か興味深いものができたら見せてほしいという進め方がとられている。
ベルトイアは後年、自分は調査から入る人間ではなく、内側から出てくるものに頼るほかなかったと振り返っている。自分が椅子として何を求めるかという観点から始め、ロッドやワイヤー、曲げたものや真っ直ぐなものを試すうちに、ワイヤーのなかに自分の居場所を見つけたように感じたという。
評価と影響
1952年の発表以来、生産が続いている。屋外仕様が加わったことで、テラスや中庭、屋上庭園など、屋内と屋外を分けずに家具を使う場面に対応するようになった。原型の設計と、MoMA・メトロポリタン美術館・V&Aの登録記録についてはベルトイア ダイヤモンドチェアにまとめている。座面の幅を広げたラージの仕様も展開されている。
ハリー・ベルトイアの設計思想や経歴について詳しくはハリー・ベルトイアプロフィールページをご覧ください。
ノルの歴史や他の製品について詳しくはノルブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ベルトイア アウトドア ダイヤモンド チェア / Bertoia Outdoor Diamond Chair |
|---|---|
| デザイナー | ハリー・ベルトイア(Harry Bertoia) |
| ブランド | ノル(Knoll) |
| 発表年 | 1952年(原型)/屋外仕様は後年追加 |
| デザインの成立国 | アメリカ |
| 分類 | アウトドアラウンジチェア |
| 主要素材 | 溶接スチールロッド+ナイロン溶着被膜、接続部はステンレススチール |
| カラー | ホワイト/ブラック |
| オプション | 屋外用ビニールの座面クッション(スナップ固定)、プラスチックグライド |
| 関連製品 | ベルトイア ダイヤモンドチェア(屋内仕様)、ラージ ダイヤモンドチェア |
Reference
- Bertoia Diamond Chair | Knoll
- https://www.knoll.com/product/bertoia-diamond-chair