このページについて
トニエッタは、エンツォ・マーリが1985年に設計しザノッタが製造する椅子である。アルミニウム合金を鋳造した骨組みに、革または布を張った座面と背もたれを取り付ける。幅390mmと細身の輪郭をとる。
このページでは、寸法と設置の条件、選べる仕上げと張り地、同種の椅子との比較、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
エンツォ・マーリの設計思想や経歴について詳しくはエンツォ・マーリ プロフィールページをご覧ください。
トニエッタのデザインストーリーについて詳しくはトニエッタ紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
トニエッタは、1954年にアウレリオ・ザノッタがイタリア・ノーヴァ・ミラネーゼに設立した家具ブランド、ザノッタ(Zanotta)が製造・販売している。ザノッタはソファメーカーとして出発した後、1960年代より前衛的なデザイナーとの協働で知られるブランドとなり、アッキーレ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニのメッザドロ、ガッティ・パオリーニ・テオドロのサッコなど、デザイン史に名を刻む家具を擁する。トニエッタは、そのカタログの中でマーリの本質主義を映す静謐な一脚として独自の位置を占めている。
| 正式名称 | トニエッタ / Tonietta(型番:2090) |
|---|---|
| 製造ブランド | ザノッタ(イタリア) |
| フレーム | アルミニウム合金の鋳造。研磨仕上げ、黒の塗装、色付きの塗装から選ぶ |
| 座面・背もたれ(レザー) | ポリプロピレンの下地に牛革を張る。複数の色から選ぶ |
| 座面・背もたれ(ファブリック) | 複数の種別と色から選ぶ |
| サイズ | 幅390 × 奥行480 × 高さ820mm、座面高465mm |
| 重量 | メーカーは数値を公表していない。アルミニウム合金による |
| スタッキング | 不可 |
| 参考価格帯 | ザノッタは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。仕上げと張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける |
| 収蔵 | MoMA トニエッタ チェア(1985年) 収蔵番号 1419.2001 |
アルミニウム合金の鋳造
骨組みはアルミニウム合金を鋳造してつくる。溶かした金属を型に流し込む方法で、複雑な断面を1つの部材として成形できる。
アルミニウムは鋼より軽い。同じ強度を得るための断面は大きくなるが、全体の重量は抑えられる。細身の輪郭と扱いやすさを両立させるための選択にあたる。
いっぽうで、鋳造した部材は溶接や曲げによる補修が難しい。変形や割れが生じた場合、部材ごとの交換になる。
仕上げの選択
研磨仕上げ、黒の塗装、色付きの塗装から選ぶ。研磨仕上げはアルミニウムの地の色が現れ、塗装の仕上げでは色を選べる。
研磨面は細かい傷が目立つ。塗装面は擦れると下地の金属が現れる。
類似商品・競合との比較
細身の椅子は、骨組みの素材によって重量と補修の可否が変わる。金属を鋳造するか、木を組むかで性格が分かれる。
| 比較項目 | トニエッタ | レッジェーラ 646 | トリックスAチェア |
|---|---|---|---|
| 骨組み | アルミニウム合金の鋳造 | 木を組む | 鋼板を打ち抜いて成形 |
| 座面 | 革または布を張る | ペーパーコード/布/革 | 金属そのもの |
| 幅 | 390mm | 450mm | 440mm |
| 重ねられるか | 不可 | 不可 | 可 |
| 屋外での使用 | 屋内向け | 屋内向け | 対応する |
選び分けの目安
- 並べる台数が多い場合
- 幅390mmは、同種の椅子のなかでも細い。同じ長さのテーブルに、より多くの台数を並べられる。
- 座面の張り替えを想定する場合
- 座面と背もたれは骨組みに取り付ける構成をとる。張り替えの可否は取扱店に確認する。
- 片付ける場面がある場合
- この椅子は重ねられない。台数を並べたまま置く前提になる。
使用感と設置条件
幅390mmという寸法
幅390mm、奥行480mm、高さ820mm、座面高465mm。幅は同種の椅子より細い。
1人あたりの必要な幅を600mm程度とすると、椅子の幅が390mmであれば隣との間隔に余裕が生まれる。逆に、より多くの台数を並べることもできる。
座面が細いため、身体の幅に対する余裕は少ない。座り方によっては座面の縁が当たる。
座り方
座面高465mmは一般的な食卓の椅子と同程度である。背もたれは骨組みに取り付けた面で、上体を支える。
肘掛けを持たない。立ち上がる際に腕を掛ける箇所がない。
設置
重ねられない。台数を並べたまま置く前提になる。
脚裏の保護材の状態を確かめる。金属の脚が直接床に触れると、床を傷める。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
アルミニウムは錆びにくい。研磨仕上げの面は細かい傷が目立ち、光の反射が変わる。塗装の仕上げは擦れると下地の金属が現れる。
鋳造した部材は、変形や割れが生じた場合の補修が難しい。部材ごとの交換になる。
座面の革は使用によって色と艶が変わる。布は日光で色が褪せる。
日常の手入れ
- 骨組み
- 乾いた柔らかい布で拭く。研磨仕上げは研磨剤を使わない。細かい傷が増える。
- 座面の革
- 乾いた布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。
- 座面の布
- 掃除機で埃を吸う。手入れの方法は種別により異なる。
- 接合部
- 座面と骨組みを留める箇所に緩みがないか確かめる。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ザノッタは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
注文の際に決める項目は、骨組みの仕上げ(研磨/黒/色付きの塗装)と、座面の張り地(革または布)である。
実物を確認する
幅390mmという細さは、座ってみないと身体との関係が分からない。座面の縁が当たるかを確かめられるとよい。
研磨仕上げと塗装の仕上げでは、見え方と手入れの条件が異なる。
中古の流通
1985年以降の個体が流通している。相場は年式、仕上げ、状態で幅があり、一定していない。
確認箇所は、骨組みの変形と割れ、研磨面の傷または塗装の剥がれ、座面の張り地の傷み、接合部の緩み、脚裏の保護材の有無である。鋳造した部材の補修は難しいため、変形の有無が要点になる。
購入前チェックリスト
- 骨組みの仕上げ(研磨/黒/色付きの塗装)
- 座面の張り地(革/布)
- 設置場所の寸法(幅390×奥行480×高さ820mm)
- 座面が細いこと(座り方によっては縁が当たる)
- 肘掛けを持たないこと
- 重ねられないこと
- 脚裏の保護材の状態
- 中古の場合、鋳造部材の変形の有無
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ザノッタは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。仕上げと張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- ザノッタの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 幅390mmは狭くありませんか?
- 同種の椅子のなかでも細い寸法です。1人あたりの必要な幅を600mm程度とすると、椅子の幅が390mmであれば隣との間隔に余裕が生まれ、逆により多くの台数を並べることもできます。ただし座面が細いため身体の幅に対する余裕は少なく、座り方によっては座面の縁が当たります。
- 骨組みの仕上げはどれを選べばよいですか?
- 研磨仕上げ、黒の塗装、色付きの塗装から選べます。研磨仕上げはアルミニウムの地の色が現れますが細かい傷が目立ちます。塗装の仕上げは色を選べますが、擦れると下地の金属が現れます。
- 重ねて収納できますか?
- できません。台数を並べたまま置く前提になります。
- 骨組みが変形したら修理できますか?
- 鋳造した部材は溶接や曲げによる補修が難しく、変形や割れが生じた場合は部材ごとの交換になります。中古で選ぶ場合は変形の有無が確認の要点になります。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(Tonietta Chair、1985年、収蔵番号1419.2001)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 骨組みは乾いた柔らかい布で拭きます。研磨仕上げには研磨剤を使わないでください。細かい傷が増えます。座面の革は年に数回クリームで油分を補い、布は掃除機で埃を吸います。座面と骨組みを留める箇所に緩みがないかも定期的にお確かめください。