このページについて
ハンティングチェアは、ボーエ・モーエンセンが1950年に設計しフレデリシアが製造する椅子である。オークの角材で骨組みを組み、一枚革の座面と背もたれを渡す。革の張りは真鍮のバックルで調節できる。
このページでは、革の伸びに対する調節の仕組み、選べる仕上げと革の色、座り方と設置の条件、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ボーエ・モーエンセンの設計思想や経歴について詳しくはボーエ・モーエンセン プロフィールページをご覧ください。
ハンティングチェアのデザインストーリーについて詳しくはハンティングチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ハンティングチェアの正規品はフレデリシア社(Fredericia Furniture A/S, 1911年創業、デンマーク・フレデリシア市)が独占的に製造する。1955年にモーエンセンとの協力関係が始まり、現在はオリジナルの設計を忠実に継承して製造を続ける。初期製造はエルハルド・ラスムッセン工房が担った。FSC認証材の使用、スウェーデン・テルンショー・ガルヴェリ社製の植物タンニンなめしレザーの採用など、現代的な持続可能性基準を満たす。全製品に25年保証を提供。
| 正式名称 | The Hunting Chair(ハンティングチェア)。Model 2229 |
|---|---|
| 製造ブランド | フレデリシア(デンマーク)。当初はエルハルド・ラスムッセンの工房が製造した |
| フレーム | オークの無垢材。柾目を取る挽き方による。FSC認証材を用いる |
| 座面・背もたれ | 植物のタンニンでなめした厚みのある一枚革。座面の裏に布地の補強を入れる。交換できる構造をとる |
| 金具 | 真鍮のバックル。革の張りを調節でき、経年での伸びに対応する |
| 木部仕上げ | 石鹸、オイル、ラッカーなど複数の仕上げから選ぶ |
| レザーカラー | ナチュラル、コニャック、ブラック |
| サイズ | 幅705 × 奥行870 × 高さ670mm、座面高280mm |
| 日本参考価格 | フレデリシアは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。木部の仕上げと革の色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける |
| 納期 | 在庫の状況によって変わる。受注生産の場合は期間を要する |
| 保証 | 25年 |
| 収蔵 | V&A ハンティングチェア(1950年) 収蔵番号 W.7-1993。デザインミュージアム・デンマークにも収蔵がある |
類似商品・競合との比較
革を張る椅子は、張り方によって経年での扱いが変わる。留め方が調節できるかどうかが、革が伸びたときの対処を決める。
| 比較項目 | ハンティングチェア | レ・ザルク チェア | リソム ラウンジチェア |
|---|---|---|---|
| 身体を受ける素材 | 一枚革 | 厚みのある革 | 帯状のウェビング |
| 張りの調節 | 真鍮のバックルでできる | できない | できない |
| フレーム | オークの無垢材 | クロームめっきの鋼管 | 木 |
| 座面高 | 280mm | 約440mm | 410mm |
| 生産状況 | 現行 | 終了 | 現行 |
選び分けの目安
- 長く使う前提の場合
- 革が伸びてもバックルで張りを調節できる。留め方が固定の椅子では、伸びた革を戻せない。25年の保証が付く点も、この前提に関わる。
- 低い姿勢で過ごす場合
- 座面高280mmは、一般的なラウンジチェアより低い。床に近い位置に座る。
- 立ち座りを頻繁に行う場合
- 座面が低いため、立ち上がる際に上体を大きく起こすことになる。
使用感と設置条件
革の張りを調節できる
座面と背もたれの革は、真鍮のバックルでフレームに留める。革は使ううちに伸びるが、バックルで締め直せば張りを戻せる。
革を張る椅子では、伸びたまま使い続けると座面が沈みきる。この構造は、その進行に対処できる。
革は交換できる構造をとる。傷んだ場合、フレームを保ったまま張り替えられる。
座り方
座面高280mm。一般的なラウンジチェア(400mm前後)より低く、床に近い位置に座る。脚を前へ投げ出す姿勢になる。
詰め物を持たず、一枚革が身体を受ける。革は荷重で沈み、身体の形に沿う。
座面が低いため、立ち上がる際は上体を大きく起こす。立ち座りを頻繁に行う用途には向かない。
設置に要する寸法
幅705×奥行870×高さ670mm。奥行870mmは、座面が低く脚を前へ投げ出す姿勢に対応する寸法である。壁に沿わせても、部屋に張り出す。
座面高280mmに対して高さ670mmと、背もたれは高くない。視界を遮りにくい。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
植物のタンニンでなめした革は、使用と日光によって色が濃くなる。表面に艶が出る。合成の薬剤でなめした革より、この変化が現れやすい。
革は荷重で伸びる。バックルで締め直すことで対処できる。乾燥するとひび割れるため、油分を補う。
オークの無垢材は、仕上げによって手入れの方法が異なる。石鹸の仕上げは水気に弱く、オイルの仕上げは定期的な塗り直しが要る。
真鍮のバックルは空気に触れて色が濃くなる。
日常の手入れ
- 革
- 乾いた柔らかい布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。水濡れは染みになる。
- 木部
- 仕上げに応じた手入れを行う。石鹸の仕上げでは専用の石鹸を用い、オイルの仕上げでは定期的にオイルを塗り重ねる。
- バックル
- 革が沈むようになったら締め直す。締めすぎると革に負担がかかる。
保証と修理
25年の保証が付く。革の交換については、取扱店を通じて相談する。フレームを保ったまま革だけを更新できる構造である。
どこで買うか
取扱店の調べ方
フレデリシアは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
注文の際に決める項目は、木部の仕上げと革の色である。仕上げによって手入れの方法が変わるため、購入時に確認する。
実物を確認する
座面高280mmという低さは、座ってみないと感覚がつかみにくい。立ち座りの動作もあわせて確かめられるとよい。
木部の仕上げは、見え方と手触りが異なる。
中古の流通
相場は年式、仕上げ、状態で幅があり、一定していない。当時のエルハルド・ラスムッセンの工房によるものと、現在のフレデリシアによるものが流通する。
確認箇所は、革のひび割れと伸び、バックルの状態、木部の割れと接合部の緩み、仕上げの状態である。革は交換できるため、傷んでいても補える。
購入前チェックリスト
- 木部の仕上げ(手入れの方法が変わる)
- 革の色
- 設置場所の寸法(幅705×奥行870×高さ670mm)
- 座面高280mm(一般的なラウンジチェアより低い)
- 立ち座りを頻繁に行う用途には向かないこと
- 革の手入れ(油分の補給)とバックルの締め直しを継続できるか
- 中古の場合、革とバックルの状態
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- フレデリシアは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。木部の仕上げと革の色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- フレデリシアの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 革が伸びたらどうなりますか?
- 座面と背もたれの革は真鍮のバックルでフレームに留めており、伸びた場合はバックルで締め直せば張りを戻せます。留め方が固定の椅子では伸びた革を戻せませんが、この構造はその進行に対処できます。ただし締めすぎると革に負担がかかります。
- 革は交換できますか?
- 交換できる構造をとっています。傷んだ場合はフレームを保ったまま張り替えられます。取扱店を通じてご相談ください。
- 座り心地はどうですか?
- 座面高280mmで、一般的なラウンジチェア(400mm前後)より低く床に近い位置に座ります。脚を前へ投げ出す姿勢になります。詰め物を持たず一枚革が身体を受け、荷重で沈んで身体の形に沿います。
- 立ち座りはしやすいですか?
- 座面が低いため、立ち上がる際は上体を大きく起こすことになります。立ち座りを頻繁に行う用途には向きません。
- 保証はありますか?
- 25年の保証が付きます。革が伸びてもバックルで調節でき、傷んだ場合は交換できる構造のため、長く使う前提の製品です。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 革は乾いた柔らかい布で埃を払い、年に数回クリームで油分を補ってください。水濡れは染みになります。木部は仕上げに応じた手入れが必要で、石鹸の仕上げでは専用の石鹸を用い、オイルの仕上げでは定期的にオイルを塗り重ねます。購入時に仕上げをご確認ください。