襖や壁、杉戸、天井など、建物の内部を仕切る面に描かれた絵画の総称。屏風を含めて障屏画ともいう。
障壁画
障壁画とは、襖、壁、杉戸、天井、床の間の壁など、建物の室内を仕切る面に描かれた絵画の総称のこと。屏風や衝立に描かれた絵を含めて障屏画(しょうへいが)と呼ぶこともある。
解説
障壁画は、額に入れて壁に掛ける絵とは異なり、部屋そのものを構成する面に描かれる。襖を閉めれば一続きの大画面になり、開ければ隣室と空間がつながる。絵は、部屋の広さ、使われ方、座る人の位置と一体で計画された。
とくに室町時代後期から江戸時代初めにかけて、城郭や寺院の書院造の御殿で大規模な障壁画がつくられた。金箔を貼った地に松や虎、花鳥を描く豪華な画面は、薄暗い室内で灯りや外光を反射し、部屋を明るく見せる役割も果たした。
部屋ごとに画題を描き分けるのも特徴である。京都の二条城二の丸御殿では、寛永元年から3年(1624〜26年)の大改修の際に、狩野探幽率いる狩野派の絵師たちが障壁画を描いた。将軍と対面する大広間には松と鷹など威厳を示す画題が、より私的な部屋には穏やかな花鳥や山水が選ばれている。二の丸御殿には約3600面の障壁画が残り、そのうち1016面が重要文化財に指定されている。

障壁画は、湿度や温度の変化、紫外線、虫害に長い年月さらされるため、傷みやすい。二条城では2005年に展示収蔵館を開き、原画を保存・公開しながら、御殿の室内には模写を置いている。障壁画は、描かれた部屋のなかにあってこそ意味をもつ一方、保存のためには部屋から切り離さざるをえないという、室内の美術ならではの課題を抱えている。
Reference
- 二条城障壁画 展示収蔵館活動報告(元離宮二条城)
- https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/wp-content/themes/nijojo/assets/pdf/introduction/research/research_study_260401_10.pdf
- 令和7年度春期原画公開 将軍の鷹〈大広間〉四の間(元離宮二条城)
- https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/wp-content/uploads/2025/04/c0994d30d227a728cfc29af7450ef7f7.pdf