北米西部産のヒノキ科の針葉樹とその木材。繊維が素直で刃物が滑らかに入るため、鉛筆の軸材に用いられる。

インセンスシダー

インセンスシダーとは、北米西部に分布するヒノキ科の針葉樹 Calocedrus decurrens とその木材のこと。英語では incense cedar と表記する。和名はオニヒバ。

解説

鉛筆の軸材として広く用いられている木材である。鉛筆は削って使う道具であり、軸材には他の木にはない条件が課される。刃を斜めに入れたときに繊維が毟れず、どの方向から削っても同じように切れることが求められる。インセンスシダーは繊維が素直に通り、密度が低く均質であるため、この条件を満たす。削り口が滑らかに仕上がり、刃も傷みにくい。

軟らかい材でありながら、割れや反りが起きにくい。鉛筆は二枚の板で芯を挟んで接着し、そこから一本ずつ切り出す工程を経るため、板の段階で狂いが出ると芯の位置がずれる。寸法の安定した材であることが、この製法の前提になる。

削ったときに独特の芳香を放つ。名称の incense(香)はこの性質に由来する。Blackwingの鉛筆はカリフォルニア産のこの材を軸に用いており、ブラックウィング 602でも軸材の指定は再生産時の要件のひとつとなった。

なお、この樹種はヒノキ科に属するが、ヒノキ属(Chamaecyparis)ではなくオニヒバ属(Calocedrus)である。英名に cedar とあるものの、本来のスギ属(Cedrus)とも異なる。名称に含まれる語と分類上の位置が一致しない例にあたる。

Reference

Incense-cedar|Wood Species(Forest Products Laboratory, USDA)
https://www.fpl.fs.usda.gov/
The Blackwing Difference(Blackwing)
https://blackwing602.com/pages/the-blackwing-difference

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