17〜18世紀のフランスで、突板や象嵌で表面を仕上げる箱物家具を専門にした家具職人。無垢材の家具を扱うムニュイジエと区別された。

エベニスト

エベニストとは、17〜18世紀のフランス、とくにパリで、木の骨組みの表面に突板を貼り、寄木や象嵌で仕上げる箱物家具を専門にした家具職人のこと。語源は黒檀を意味するフランス語エベーヌ(ébène)にある。

解説

パリの家具職人はひとつのギルドに属していたが、その中で仕事は分かれていた。椅子や寝台、コンソールなど無垢材を組んでつくる家具を担うのがムニュイジエ(指物師)で、コモードや書き物机など、表面を突板で装う箱物を担うのがエベニストである。両方を兼ねることは禁じられてはいなかったが、まれだった。ムニュイジエの多くがフランス生まれだったのに対し、エベニストにはドイツなど国外出身の職人が多く、パリ東部のフォーブール・サン=タントワーヌに集まって仕事をした。

ギルドは親方の数や工房の規模を厳しく管理した。1743年以降は、販売する家具に製作者の名を刻印(エスタンピーユ)することが決まりになり、ギルドの委員会による検査に合格した品には、さらにJMEの検印が加えられた。基準を満たさない家具は没収された。

この制度は、1791年の法律でギルドが廃止されたことで終わる。刻印は現在も、18世紀フランス家具の製作者を特定する重要な手がかりになっている。

17世紀後半には、アンドレ=シャルル・ブールが、べっ甲と真鍮を組み合わせる華麗な象嵌の技法で名声を得た。18世紀には、マホガニーなど輸入材の突板に金銅の飾り金具を組み合わせた家具が発達し、パリのエベニストの仕事はヨーロッパ各地の宮廷で求められた。

Reference

The Golden Age of French Furniture in the Eighteenth Century(Heilbrunn Timeline of Art History, The Metropolitan Museum of Art)
https://www.metmuseum.org/essays/the-golden-age-of-french-furniture-in-the-eighteenth-century

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