柱の上で斗(ます)と肘木を組み重ね、軒や梁の荷重を受けて柱へ伝える部材の組み合わせ。日本では組物ともいう。
斗栱
斗栱とは、東アジアの伝統的な木造建築で、柱の上に斗(ます)と呼ばれる四角い受け材と、肘木(栱)と呼ばれる横木を交互に組み重ね、軒や梁の荷重を受けて柱へ伝える部材の組み合わせのこと。日本では組物(くみもの)とも呼ぶ。
解説
斗栱の役割は、屋根の重さを柱へ伝えることと、軒を建物の外側へ大きく張り出させることにある。肘木を何段も重ねて前方へ持ち出すほど、深い軒をつくることができる。深い軒は雨から柱や壁を守り、夏の強い日差しを遮って、室内に落ち着いた陰影をもたらす。

中国では、北宋の建築書『営造法式』(1103年)が、斗栱の部材寸法の基準となる「材」を8つの等級に分け、建物の格式に応じて使い分ける規則を定めた。斗栱の大きさと数は、そのまま建物の格を示す指標になった。
日本には仏教建築とともに伝わった。7世紀の法隆寺に見られる雲形の組物は、大陸の古い技法を伝えている。鎌倉時代には、宋の建築様式を取り入れた大仏様や、柱と柱のあいだにも組物を密に並べる禅宗様が生まれた。寺院の堂内では、天井の下に組物がそのまま見えることが多く、構造の部材が室内の装飾としても働いている。
日本の組物の種類
日本の寺社建築では、組物の形式が建物の格式を表す。柱の上に肘木を載せただけの舟肘木、大斗の上に肘木を載せる大斗肘木、肘木の上に三つの斗を並べる三斗、そこから前方へ一段持ち出す出組、二段、三段と持ち出す二手先、三手先の順に、構成が複雑になり、軒も深くなる。三手先は、五重塔や大寺院の金堂など、最も格の高い建物に用いられた。
Reference
- 組物(コトバンク:精選版 日本国語大辞典/日本大百科全書)
- https://kotobank.jp/word/%E7%B5%84%E7%89%A9-56045
- 修理工事こぼれ話 楼門の当初番付(斗栱組の番付編)(文化財建造物保存技術協会・阿蘇神社)
- https://asojinja.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/bd009d3c807716f603f4f3cdadb556c7.pdf