概要

ミカ・トルヴァネン(1975年生まれ)は、フィンランドのデザイナーである。ロンドンの王立芸術大学を2001年に修了し、ヘルシンキ近郊を拠点とする。住宅向けの製品から業務用の設備までを扱い、2009年にムートのために設計した収納バスケット「リストア」で知られる。フェルトを丸めて筒状にするという構成をとる。

バイオグラフィー

1975年、フィンランドに生まれた。ヘルシンキ芸術デザイン大学で学んだのち、ロンドンの王立芸術大学(RCA)へ進み、2001年に修了している。

2002年にヘルシンキで自身のスタジオを設立した。

2009年、ムートのために収納バスケット「リストア」を発表している。

住宅向けの家具と什器のほか、業務用の設備や公共空間の製品も手がけている。フィンランド国内外のメーカーと協働してきた。

デザインの思想と方法

トルヴァネンの設計は、材料の性質から構成を導く。フェルトは切りっぱなしでも縁がほつれず、丸めれば形を保つ。この性質を使えば、縫製も金具も要らない収納がつくれる。

材料の性質で構造を得る

リストアは、フェルトの帯を丸めて筒状にし、上端を折り返して縁とする。フェルトはほつれないため、切り口をそのまま見せられる。縫うのは形を保つ最小限の箇所だけで済む。

用途を限定しない

収納バスケットは、何を入れるかを設計者が決めない。雑誌、衣類、玩具、薪と、置く場所によって用途が変わる。開いた形をとることで、この幅が生まれる。

色を材料の側で持つ

フェルトは染色された繊維から作られるため、色は材料そのものが持つ。表面に塗るのではないので、摩耗しても色が変わらない。

住宅と業務用を同じ方法で扱う

業務用の設備は、使用の頻度と耐久性の条件が住宅とは異なる。トルヴァネンは対象を限定せず、それぞれの条件に応じて材料と構成を決める進め方をとる。

代表作にみる方法

リストア バスケット(2009年、ムート)

フェルトの帯を丸めて筒状にした収納である。上端を折り返して縁とし、両側に持ち手を付ける。フェルトは切り口がほつれないため、そのまま見せられる。何を入れるかを設計者が決めないため、置く場所によって用途が変わる。→リストア・バスケット

住宅向けの製品

家具、収納、什器を手がけている。いずれも材料の性質から構成を導くという進め方をとる。

業務用の設備

使用頻度と耐久性の条件が住宅とは異なる分野の製品も設計している。同じ方法を、別の条件に適用した例にあたる。

評価と影響

トルヴァネンは一般に、2000年代以降のフィンランドのデザインにおいて、材料の性質から構成を導く方向で活動する設計者として言及される。

リストアはムートの主要な製品の一つとなった。フェルトを縫わずに丸めるという構成は、以後の収納用品にも見られる。

住宅向けと業務用の双方を扱う点も特徴にあたる。分野を限定せず、条件に応じて材料と構成を決めるという進め方をとる。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。フィンランド国内の館については照合手段がない。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
2009年 収納 リストア・バスケット Muuto
2000年代〜 家具・什器 住宅向けの製品 各社
2000年代〜 設備 業務用・公共空間の製品 各社

プロフィール

生年 1975年
出身地 フィンランド
国籍 フィンランド
活動拠点 ヘルシンキ
分野 家具、収納、什器
主な協働ブランド Muuto

Reference

Mika Tolvanen | Muuto
https://www.muuto.com/designers/mika-tolvanen/
Royal College of Art
https://www.rca.ac.uk/
Designmuseo Helsinki
https://www.designmuseum.fi/en/